116 名前:ナナイの憂鬱1/3 :2009/08/16(日) 01:45:18 ID:???
居酒屋青い巨星にて

ラル 「ほぅ。逞しいものだ」
アムロ「茶化さないでください。アルにはもっと、大人になってもらわないと」
ラル 「小僧め、言うようになった」
アムロ「何がです?」
ハモン「連邦高での数々の伝説は、今でもご近所では語り草になってるわね
    例えば、三分で十二人のジオン高生を倒したとか
    ほかにも、それはもう、たくさんあるでしょう?」
アムロ「む、昔の話じゃないですか」
ラル 「わっははは。小僧はハモンには、未だに頭が上がらんようだな」

ガラガラガラ

ラル 「いらっしゃい。おや、今日は一人かな?」
ナナイ「はい」
ハモン「ごめんなさいねナナイ。今は空いている席が、ここのカウンターしかないのよ
    坊や、彼女を隣に座らせてあげても、よいかしら?」
アムロ「もちろんです。どうぞナナイさん」
ナナイ「マスター、とりあえず、生でお願いします(アムロを無視した)」
ラル 「セレーネたちとキープしているボトルは、出さんでよいのか?」
ナナイ「はい。なんだか今夜は、生でイきたい気分なんです」

ドヨドヨドヨ……

アムロ「ナナイさん。ほかのお客さんが驚いてますから、誤解を招くような発言は控えましょうよ」
ナナイ「私の憂鬱の根幹となっている兄めが、よくもっ!」
アムロ「?」
ハモン「はい、お待たせ」
ナナイ「あ、気がつきませんで
    マスターもハモンさんも、どうぞ、何かお好きなものをお飲みください」
ラル 「おお。ではありがたく」
ハモン「ナナイ、ご馳走様。では、乾杯^^」

ナナイに合わせ、ラルとハモンは、生ジョッキで彼女と乾杯

ナナイ ポロポロポロ

アムロ「どうしたんですナナイさんっ」
ナナイ「な、なんでもない、見るなっ」
アムロ「いきなり泣かれて、無視できるわけが、ないでしょう」
ラル 「なるほど、そういうことか」
ハモン「そのようね」
アムロ「なんです?」
ラル 「アルだ。悟れNT」
アムロ「(キュピーン!)ウチの弟が、いつもご迷惑をおかけして、すみません」
ナナイ「アル君に悪気がないのは分かっているし、あの子は純粋で、本当に可愛い
    だから気にする私のほうこそ大人気ないとも、分かっている
    だが、だが……グビグビグビ
    マスター。お代わり」
ハモン「まあ。あなたほどの女が、体裁を無視して一気飲みするなんて
    ふふ。今宵は、好きなだけ毒を吐いたらいいわ。トコトン、付き合ってあげる」
ラル 「すまんな。お通しはもう、ないのだ
    今、奥で刺身を切らせているから、少々、待ってくれ」
ナナイ「お気遣いなく」

カウンターの反対側、隅
アスラン「あの、アコースさん。このヒジキの煮物は、もうないんですか?」
アコース「ホントに、もうねえんだよ。勘弁してくれ」

117 名前:ナナイの憂鬱2/3 :2009/08/16(日) 01:48:52 ID:???
アムロ「あの、このタコの酢の物は、まだ手をつけていませんから、
    よかったら、ツマミにどうぞ」
ナナイ「大佐のライバルから、情けなど受けられるものか。お代わり」
ハモン「はいはい」
ラル 「そういきり立つものではないぞ。酒の場で、怨みつらみは、ナシだ」
ナナイ「あ、申し訳ありません」
ラル 「いや、いい。そういえば、おまえさんはウィスキーやバーボンなどを嗜んでおったな
    ウチは居酒屋だから、その方面は種類が少なくて悪い。が、
    このスコッチ、『ザンジバル』が手に入っている。いかがかな?」
ナナイ「あのザンジバルがあるのですか!? 是非、キープさせてください」
ラル 「承知した。割るかね?」
ナナイ「ストレートで」
ラル 「はは。今宵は飲る気だな」
アムロ「お会計を……ボソ」
ナナイ「敵前逃亡は銃殺刑と決まっているぞ、アムロ・レイ」
ハモン「生を持ってきたのだけれど。あら、ボトルに代えたの?」
ナナイ「あ、では先に、こちらをいただきます。グビグビ」
アムロ「シャアめ。こんなときにかぎって、なぜ連絡がつかんっ」

アスラン「タコの酢の物も、髪の毛にいいんですか?」
アコース「それは聞いたことないなあ。でも、ウマいぜ?」
アスラン「そうですか。ではお願いします」
アコース「すぐ持ってくるから、ちょいと待ってな。ああそうか。海草サラダなんて、どうだ?
     おまえさんが欲する、髪の毛にいい食材がたくさん使われているメニューだ」
アスラン「是非、お願いします!」

ナナイ 「アムロ・レイ。私はどうすれば、アル君に、お姉ちゃんと呼んでもらえる」
アムロ 「すみません。いつも言い聞かせてはいるのですけど、
     アルはナナイさんに心を開きすぎるから、すべての思いが正直になってしまうようで」
ラル  「小娘に、負けた気分になった。アルを取られるとは!
     グフ乗りに、未来はないとでもいうのか!」
ハモン 「まあ、アナタったら」
ナナイ 「嬉しくもあり、女としては、寂しくもあり……」
アムロ 「ナナイさんは美人ですよ」
ナナイ 「貴様に言われても、嬉しくない。大佐やアル君に言われねば、意味がない!」
ハモン 「坊や、私は?」
アムロ 「も、もちろん、ハモンさんは、とても美しいです!」
ハモン 「まあ嬉しい。女には、この言葉は殺し文句よね、ナナイ?
     どうしましょう。私も、女なのね。坊やに言わると、素直に嬉しいわ」
ナナイ 「同意できる部分は、確かに多いですが」
ラル  「小僧、ハモンをたぶらかすと容赦せんぞ! 表へ出ろ!」
アムロ 「なんでそうなるんですか!」
ラル  「問答無用だ。MSを出せ」
アムロ 「ちぃ。こうなったときのラルさんは、タイガー・ポーのように、
     もう誰にも止められない! やるしかないのか!」

118 名前:ナナイの憂鬱3/3 :2009/08/16(日) 01:52:09 ID:???
アスラン「本当だ。このタコの酢の物、絶品に思います
     なんであっさりとしていながら、口の中に味が広がっていくんだろう」
アコース「嬉しいことを言ってくれる。だが、アルコール系は絶対、出してやらねえからな」

ボッカーーーーン!

アスラン「わかってますよ。って、なんだ?」
アコース「また始まったか。おいアスラン、ウチのマスターと大事な常連の戦いを止めて来い
     もしできたら、今日の会計を、チャラにしてやってもいいぞ」
アスラン「なんでレシートに3000万とか請求してくるんですかっ
     ボッタクリの度を超えてますよ!」
アコース「だってよ、おまえさんに無視されたら、ご近所に被害が出ちまうだろ
     未成年が酒屋の常連っつーのも大問題で、警察への説明だのなんだの、
     おまえさんが知らない部分での苦労も多いんだ
     これくらい察して、あの戦いを止めてこい」
アスラン「あ、そうか。すみません。ジャスティス、出ます!」
アコース「ウチの大将、旧式のグフだと侮ってるとケガするぜ。気をつけろよ!
     無事収めてくれたら、あとでネバネバ系の頭髪関係料理、作ってやるから!」
アスラン「燃えた。最初から種割れだああああああ(パリーン)」

アムロ 「ジャスティス!」
ラル  「みつどもえか!」

ハモン 「男子は、これだからいいのよね」
ナナイ 「ええ。やんちゃな部分が多少見え隠れするほうが、可愛く思えます」
ハモン 「まあ。もうザンジバルを、空けちゃったの?」
ナナイ 「あ、とっても美味しかったもので」
ハモン 「ふふふ。ナナイは、いい女よ。自信をもちなさい
     アルだって、同じなの」
ナナイ 「そういうものですか」
ハモン 「そういうものよ」

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最終更新:2014年02月10日 21:29