ある休日、ロランは久々に∀を整備して馴らしてみることにした。∀はあの月光蝶シス
テムを搭載している。もしそれが整備不良が原因で発動してしまったら、ごく小さい発動
でも台風が直撃したかのような被害をこの街に与えてしまう。他の兄弟達のどんなガンダ
ムよりも危険な存在なのだ。ロランはアムロやカミーユ、キラたちの助けも借りて慎重に
∀を整備していった。そして、最後の仕上げとして馴らし運転をしてみることになった。
ロラン「じゃあやってみます。」
アムロ「特に問題はないだろうと思うけど、それでも充分気を付けるんだぞ。お前の∀は
僕のνさえ問題にならないほど伊達じゃない機体なんだからな。」
カミーユ「むしろ顔はヒゲ面で伊達どころか不細工だよなぁ、愛嬌あるけど。」
キラ「でも僕らって核爆弾すら子供扱いって感じの危険な存在と一緒に暮らしてるね。」
ロランは周囲の建物に被害を与えないように気を付けながら機体を動かしてみた。どう
やらなんのトラブルもなく終わりそうだな、そうロランが考えていたとき、トラブルはや
ってきた。
ガンダムに突っ込まなくてはいられない性質の持ち主、バーニィが∀の姿をし
っかりと目撃してしまったのだ。傍らのアルがしまった、というふうに体を緊張させる。
バーニィ「うわぁ~、大きいのに不細工~、だな。うん、なんか体が熱く燃えてきた……!」
アル「あ、あれは
ガンダムじゃないよ、バーニィ。∀だよ、ホワイトドールだよ!」
バーニィ「そうなのか。でも、俺の脳みそのどこかにグヮアンダムちゃんに
ミンチにされ
た記憶があってよぉ~~。やっぱり俺は
ガンダムに立ち向う!」
そう言って走り出そうとするバーニィを止めようとアルは力いっぱい叫んだ。
アル「
ガンダムにおひげがありますか?ありません!だよ、バ~~ニィ~~~!!」
バーニィ「やっぱりあれはグヮアンダムだぁ~~~」
アルの制止を振り切って∀に生身で突撃するバーニィ。ロランはその姿を認めると、何
とか怪我をさせないように機体を動かそうとした。しかしその時、
ロラン「なんだ、勝手に動いているところが、そんな、げっ、月光蝶を呼ぶんじゃない!」
整備不良だったのか極極極極小さい月光蝶が発動し、バーニィの周囲だけを取り囲んでし
まった。なすすべなく繭の中に閉じ込められてしまうバーニィ。急いで駆けつける兄弟達。
カミーユ「うわ、ある意味
ミンチよりひどいや。」
アムロ「そんなこと言ってないで早く助け出すんだ。もうナノマシンが全身を覆ってる!」
『…その後何とか助け出されたバーニィさんはナノマシンの効果なのか、お肌も髪も
しっとりすべすべになっていて、精神的にもリフレッシュしておりストレスから
解放されたとか。 (フラン・ドール)』
月、ギンガナム、白の宮殿、女王の間、データベース、三面記事、記者フラン・ドール。
ディアナ「そんなお話があったのですか、地球では。お肌も髪もしっとりすべすべに……
今度ロランに頼んでみましょうか。」
ハリー&ミラン「それだけはおやめください、ディアナ様!今のままで充分お美しいです。」
ディアナ「女性はしっとりすべすべという言葉には弱いのです。よしなに。」
終わり
最終更新:2018年11月05日 10:05