ある日、シーブックとセシリーはいちゃつきながら街を歩いていた。
(「いちゃついて」というのは本人達は否定するが)
シーブックがセシリーの手を引っ張って、自分の知っている店がある裏通りに入ろうとしたが、
突然「貴様、僕の妹をどうする気だ!」と叫んで駆け寄ってきた男に突き飛ばされた。
受身を取れたので尻餅をつくだけで済んだが、シーブックは事態がつかめない。
シーブック「セシリーの…お兄さん?」
シーブックは、彼を突き飛ばした青年を見上げた。美男子だが、セシリーとはあまり似ていないように見える。

呆然としているシーブックの傍らで、セシリーが怒りの表情で青年にかみついた。
セシリー「ドレル兄さん、シーブックに何するの!?」
ドレル「セシリーの友達なのか?僕はてっきりチンピラが絡んでいたのかと…」
シーブックは「どこがチンピラなんだよ」と口の中でぼやいたが、
セシリー「彼のどこがチンピラに見えるのよ!!」
その傍らでセシリーは激しい剣幕で彼の気持ちを代弁した。
ドレル「う…悪かった。それはそうと今日帰るってメールを入れてただろう?」
セシリー「話をそらさないで、シーブックに謝って」
ドレル「わかったわかった、セシリーの言う通りだ。君、いきなり突き飛ばして済まなかった。
     僕はセシリーの兄のドレルだ」
シーブック「…シーブックです」
セシリー「兄さんは遠くの大学に行ってて、休暇で帰省してきたのよ」
ドレル「君のことはセシリーがメールでよく書いてくるよ。これからも良い友達でいてやってくれ」
ドレルは友好的な態度で言った。

その夜の自宅で。
シーブック「…セシリーに兄さんがいるなんて知らなかったよ。
       セシリーもカロッゾさんも教えてくれなかったんだ」
カミーユ「うちって付き合う女の子に兄貴がいること多いよな。しかも大なり小なりどれもシスコンで」
アムロ「セイラさんとシャアとか」
シロー「アイナとギニアス」
ヒイロ「…リリーナとゼクス」
シーブック「なんとぉー!どの兄貴も筋金入りの変態じゃないか」
カミーユ「ドレルとやらがこのパターンにはまってなきゃ良いな、シーブック?」
反論できるだけの材料がなく、シーブックは悔しそうに下唇をかんだ。

(おわり)

116 名前:ドレル参上 ドワイト自爆の巻投稿日:03/03/30 13:13 ID:???
才色兼備のセシリーといえば惚れる男も多いわけで、生徒会長のドワイトもその一人だった。
兄がいると聞いたので、彼はさっそく見に行くことにした。将を射るにはまず馬からだ。
人気取りの派手なパフォーマンスはお手の物だが、こういう念入りな根回しなどの地味な努力も怠らない。
それが奇人変人NTコーディ揃いのこの学園で凡人のドワイトが生徒会長の座をつかんだ理由だ。

パン屋にて。
ドワイト「このパン実に美味ですよ!さすがセシリーのお兄様!!」
ドレル「美味いだろう?実はそのパンを焼いたのは、バイトのシーブック君だ。セシリーも良い才能を見つけてくるな」
ドワイト「な、なんとーっ!!」
ドロシー「( ´,_ゝ`)プッ(・∀・)ニヤニヤ」
ゴマをするつもりが思い切り狙いを外した上に、その様子をショーウインドウの向こうにいるクラスメイトの
ドロシー・ムーアに見られ、格好の悪いことこの上ないドワイトだった。




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最終更新:2018年11月06日 15:06