801 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/06/02(水) 19:18:52 ID:???
払暁―
空は明るく星を覆い隠すが、まだ太陽は東の彼方にある。
ようやく鳥たちが目覚め始める頃―
シュウト「ふわああああああぁ…」
アル「…やっぱり、いなかったねー、カブトムシ」クシクシ
シュウト「うん。 ジュドー兄さんの言う通りだったねー」
虫取り網や虫かごを装備し、二人は町外れの自然公園から我が家へと向かっている所だった。
キラが調べた所では、カブトムシの成虫は6月頃から活動を始めるという。
しかし、この所冷涼な日が続いていたこともあり、
ガンダム家野生担当は時期尚早と警告。
それでも、と朝早くから出かけた二人であったが…やはり成果はナシ。
出かける時は期待に軽かった足取りも、寝不足と消沈した意気ですっかり重い。
たったったっ…
???「あら、早いのね二人とも」
そんな二人の前に、スポーツウェアに身を包んだ妙齢の女性が、朝もやを裂いて現れる。
シュウト「えっ?」
???「おはよう」ニコッ!
アル「あ、お、おはようございます」
シュウト「おはよう…ございます」
???「じゃあね」
額に汗を光らせて、大輪の華のような笑みを残して走り去る。
アル「……今のお姉さん、誰?」
シュウト「え? アルの知ってる人じゃなかったの?」
アル「ううん、知らない…と、思う…」
シュウト「あ、いやでも、声はどこかで…」
う~~~~ん… ×2
思わず首を捻る少年たちであった。
きゅっ!
ナナイ「よしっ」
一度で決まったルージュに、改心の笑みを浮かべるナナイ。
カリス「おはようございます、所長」
ナナイ「おはよう。 いつも早いわね、カリス」
カリス「ジョギングに、シャワーとメイクまで済ませている所長ほどではありませんが(苦笑」
ナナイ「…それは、長々と厚塗りしてるって言いたいのかしら?」
カリス「そんなつもりはありませんが…アル君のことを気にしてるなら、
もうすこしナチュラルなメイクでもいいのにとは、思っています」
ナナイ「………相変わらずはっきり言うわね。
でも、大人には作らなきゃいけない顔というものがあるのよ。
あの人の隣に立つには、ね…」
カオル「大変ですね、大人というのは」
ナナイ「あなたとコマンダーのお陰でずいぶん助かっていますけどね」
コマンダー「おはようございます、ミス・ナナイ。 カリスさん」
カリス「おはようございます、コマンダー・サザビー」
ナナイ「おはよう、コマンダー」
つづかない。
最終更新:2014年08月11日 19:21