628 名前:来来!ジャンカーズ(622)投稿日:04/11/12 02:31:23 ID:???
ピンポーン


「あ、来た来た、はーい。」
ロランがせわしなく玄関に向かい、ドアを開ける。
『こんにちはーっ』
溌剌とした二人の子供の声が玄関に響く。
「しばらく家で世話になるホイとミンだ」
二人の後ろに立っていたドモンがそれぞれを紹介する。


話は遡って二週間前。
武者修行から帰ってきたドモンが、「相談したいことがある」と
アムロ、シロー、ロラン(付き添いでアル)を居間に集めたのが事の始まりだった。
「二人の子供をしばらく泊めてくれだって?」
相談事など数えるくらいしかないドモンからの、予想し得ない相談内容に
唖然とするアムロ。
「何でまたそんな話を?」
「実はだな・・・・・・」


629 名前:来来!ジャンカーズ投稿日:04/11/12 02:40:13 ID:???
今回の武者修行の道中、偶然香港に立ち寄ることができ、ジャンクの爺さん達と
会う事ができたのだが、久しぶりに立ち寄ったジャンクは大分老朽化が進んでおり、
このまま暮らしていくには限界が近いとの話が爺さんから出てきた。
海に暮らす者として、ジャンクを捨てて陸に上がるつもりはないが、この状態では
三人とも生活を続けるには危険過ぎる為、ジャンクを新造するつもりだとの事。
それならば、以前世話になった礼として、ジャンクが出来上がるまで自分が
二人を引き受けようと申し出たのだった。


「滞在期間はジャンクが出来上がる二週間。その間、この家に泊めてもらいたいんだ」
「二人の子供は何と言っているんですか?」
戸惑いつつも、シローが心配そうに訊ねてみる。
「喜んでいたな。二人には俺からの旅行の誘い、ということで
こっちに招待するつもりだ」
「でも、滞在費とかどうするんです?ウチの家計に余裕はありませんよ?」
ロランが深刻な表情で問いただす。
「心配には及ばない。俺の『貯金』を使うことにする」
「ちょ、貯金!?」


630 名前:来来!ジャンカーズ投稿日:04/11/12 02:51:10 ID:???
みんな目を丸くする。ドモンの貯金など、この家では見たことがない。
特に家のことに詳しいロランは驚きを禁じえない。
「・・・レインが、俺の格闘技大会の賞金の一部を貯めておいた口座を作っていたんだ。
俺は必要ないからとそのまま放っておいたんだが、先にレインに相談したら
これを使うように、と持たされたんだ」
そういってテーブルの上に通帳とキャッシュカードを出す。
「と、とりあえず見せてもらっていいですか?」
『貯金』に驚きつつも、家計を守るロランとしては確かめなくてはいけない事であった。
通帳の残高に目を通すロラン。
「こ・・・こんなに・・・。これなら十分です!」
最大の問題が払拭でき、心なしかロランの顔に晴れやかさが戻る。
「金銭面は解決できたが、他の兄弟たちの了解も取り付けないとまずいぞ?
そうでなくてもわが家はドタバタしているんだから」
アムロが釘を刺す。
「ああ。夕食が済んだら相談してみるつもりだ。
ところでアルはどうだ?年下の子供二人が来るから大変だとは思うが」
「いいよ、楽しそうだし!」
屈託の無い答えにほっとするドモンであった。


631 名前:来来!ジャンカーズ投稿日:04/11/12 03:07:11 ID:???
夕食後、家族会議ということで集められた各兄弟達は、ドモンからの相談に
驚きつつも、「13人が15人に増えるだけだし」ということで
さしたる反対も無く受け入れられたのだった。
(危険がないように、ドモンのダンベルやヒイロの武器はしまうことになったが)

家族会議後、ロランがひとりになったドモンを呼び止める。
「兄さん、通帳とカードもらったのはいいけれども、暗証番号はいくつです?」
「これだ」
そういって右手の紋章を浮かび上がらせる。
「あ・・・なるほど・・・『4711』ですね」
(流石レインさん、無頓着なドモン兄さんでも忘れない番号にしたんですね)


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最終更新:2018年12月25日 22:44