788 名前:キャプテンが変!?(1/5) :2011/03/15(火) 21:50:08.04 ID:???
アムロ「……という事だ」
ロラン「そうですか……キャプテンが……」
セレーネ「仕方無いとはいえ、胸が痛むわ……」
マイ「キャプテンが来た時から、こうなる事は分かっていましたけど……」
シロー「弟達を騙すのは嫌だけど……キャプテンはラー・カイラムのモビルシチズンだもんな……」
ヒイロ「任務ならば仕方ない」
アムロ「俺だって、アルやシュウトの気持ちを裏切る行為だって事は分かってる……許してくれ」
アムロ「ただいま」
シュウト「おかえり!キャプテンの整備、どうだった?」
アムロ「ああ、今回も異常無しだったよ」
キャプテン「ただいま、シュウト」
シュウト「おかえり!キャプテンきれいになったね!」
キャプテン「ああ、外装パーツを新しいものに交換したんだ」
シュウト「そうなんだ、じゃあ、早速セーラちゃんに見せてくるね!」
アムロ「ちょっと待ってろよ、家にある追加パーツと最終調整をしなきゃいけないから」
キャプテン「シュウト、すぐに遊べないのは悲しいが、終わったら遊びに行こう」
スタスタ
シュウト「……ねえアル兄ちゃん、キャプテンなんか変じゃない?」
アル「そうかな?」
シュウト「キャプテンなんだけど、なんか違うんだよ」
アル「うーん……僕にはそうは見えないけど……」
シュウト「絶対違うって!アムロ兄ちゃんも気付いてないみたいだけど……」
アル「とにかく、今日一緒に過ごしてみて確かめてみよう」
シュウト「そうだね」
アムロ「よし、調整は終わったぞ」
キャプテン「シュウト、遊びに行こう」
シュウト「……うん!」
789 名前:キャプテンが変!?(2/5) :2011/03/15(火) 21:51:42.44 ID:???
その日の夜……シン&シュウトの部屋
アル「今日はシン兄ちゃん遅くなるって。 ……それで、キャプテンはどうだった?」
シュウト「……やっぱり違うよ。あれはキャプテンじゃない」
アル「キャプテンじゃなきゃなんだって言うのさ」
シュウト「それは……えっと……」
キラ「ちょっと入るよ、シンに問題集を返さなくちゃ」ガチャ
シュウト「あ。キラ兄ちゃん、実は……」
キラ「ふうん……キャプテンがねえ……」
シュウト「ね、キラ兄ちゃんもなんか変だと思うでしょ?」
キラ「ゴメン、僕はシュウトほどキャプテンの事が分からないや。でも、心配する事はないんじゃないかな」
アル「なんで?」
キラ「ゼミの先生に聞いた話なんだけど、モビルシチズンはシステムデータを移し変えた時に、
動きが不安定になったり、前と全く同じ動きは出来なくなるみたいなんだ。
部品の細かな傷が直ったり、部品の改良で急にバランスが変わったりして、今まで調整してた部分が狂うからね」
シュウト「じゃあ、キャプテンがなんか変なのもそれが原因って事?」
キラ「多分、そうじゃないかな。だって、アムロ兄さんだって気付いてないんだよ」
キラ「それじゃあ、おやすみなさい」
ガチャ
アル「……だって」
シュウト「なんか納得できないなあ。だって、今までと全然違うんだよ。何が違うのかはよく分かんないけど」
アル「とりあえず、他の人にも聞いてみようよ」
シュウト「でも、アルやアムロ兄ちゃんだって気付かないのに、違うって事分かるのかなあ」
アル「いるじゃないか、どんな小さな違いも見つける兄ちゃんが!」
マイ「……キャプテンの動きに違い、ですか?」
アル「うん、そうなんだ。でもどこが違うのか分からなくて……」
マイ「僕には分からないけど……部品を交換した際にバランスが僅かに狂ったのでしょうか……?」
シュウト「キラ兄ちゃんとおんなじ事と言ってる」
マイ「うーん、とにかく、アムロ兄さんに伝えておきます」
790 名前:キャプテンが変!?(3/5) :2011/03/15(火) 21:53:41.75 ID:???
シュウト「やっぱりおかしいよ!」
アル「うん、キャプテンの違いは分かんないけど、マイ兄さんは確かにおかしかった。
いつものマイ兄さんならノートを取り出して観察し出して色々書くもんね」
シュウト「……ねえアル、1つ思いついちゃったんだけどさ」
アル「何?」
シュウト「もしかして、マイ兄さんがキャプテンを取り替えたんじゃ……!」
アル「なんでそんな事するんだよ」
シュウト「だって何でも分解しちゃう会社だよ?きっとキャプテンを研究したいからって……」
アル「あわわ……大変だ!すぐ助けに行かなきゃ!!」
ダダダッ
バタン
シュウト「キャプテンを返せーっ!」
デュバル「うおっ、何だ!?」
アル「キャプテンをどこにやった!?」
カスペン「どこのヒヨッコかと思えばマイの弟か。よく分からないが、おじさんに事情を説明してくれるかな?」
シュウト「ヒソヒソ(きっと全部喋ったら捕まっちゃうんだ。映画で見たから間違いない)」
アル「ヒソヒソ(そして牢屋に入れられるんだよね……気をつけないと)」
ホルバイン「あー……内緒話に割り込むのもなんだが、喋らなかったら捕まえて、シローの兄ちゃんのところに突き出すからな」
シュウト「聞こえてたの!?」
ホルバイン「爺さんが言っていた……漁師は耳が良くないと務まらないってな」
カスペン「08小隊へは受話器を取るだけで繋がるぞ。なんなら、ヒヨッコ達が掛けてみるか?」
アル「あわわ……確かシロー兄ちゃんって今日、夜勤だったよね……」
シュウト「ここは素直に……」
ア・シ「「ごめんなさい!」」
カスペン「……なんだ、そういう事か。なら、俺達は関係無いな」
シュウト「ごめんなさい……悪気は無かったんです……」
ホルバイン「済んだ事だ、気にするな。しかし、ここまで乗り込んでくるとはな。
俺達も、もう少しで帰るところだったし、警報が鳴って本当に大騒ぎになるところだったぞ」
カスペン「マイには連絡しておく。すぐ迎えに来てもらおう」
デュバル「だが、夜に騒ぎを起こしてしまうとは……もしやジオニックの陰謀か!?」
カスペン「おい、今その言葉は……!」
バタン!
カスペン「……どうやら、電話をかける場所が増えたようだな」
791 名前:キャプテンが変!?(4/5) :2011/03/15(火) 21:56:30.97 ID:???
シュウト「きっと『企業スパイ』ってやつだよ!」
アル「スパイが本物と偽者を入れ替えたんだね!」
シュウト「マイ兄ちゃんは知ってたけど、脅かされて言えなくなってるんだ!」
アル「シャアおじさんが悪い奴だったなんて……!」
シュウト「他にも、おかしいところだらけだ!
セレーネ姉ちゃんは整備が終わるたびに色々したがるのに、今日はしなかったし」
アル「みんな脅かされてるのか……早くキャプテンを助けないと!」
バタン
シュウト「キャプテンを返せー!」
アル「キャプテンはどこにいる!」
シャア「カスペン氏から話は聞いたよ。だが、私は無実だ」
シュウト「企業スパイを使って入れ替えたんだろ!全部分かっているんだ!」
シャア「ううむ、これは私の以上だな。 この思い込みをどう解けば良いのか、考え物だな……」
ガチャ
アムロ「アル、シュウト!」
アル「アムロ兄ちゃん!」
キャプテン「大丈夫か!?」
シュウト「キャプテンも!」
アムロ「カスペンさんから電話があって……家を飛び出たから心配したんだぞ!」
アル「聞いてよ!シャアおじさんがキャプテンを……」
アムロ「……本当なのか、シャア?」
シャア「出来る筈が無いだろう。シュウト君達は、デュバル氏の口癖を信じてしまった様だ」
アムロ「そりゃそうだよな……アル、シュウト。シャアは何にもしていないよ。
奴はそんな事をする人間じゃない。それより帰ろう、皆が待ってる」
シュウト「でも、キャプテンが……」
アムロ「マイに話は聞いたよ。なんでシュウトが違和感を感じたのか、今から会社に戻ってしっかり調べるよ」
キャプテン「シュウト、もし今回の整備で私に変わった部分があるのなら、それは直さなければならない。
気付いてくれて、感謝する」
シュウト「キャプテン……」
アムロ「すまなかったな、シャア」
シャア「シュウト君達の、若さ故の過ちだ。構わないさ。 ……詳しい事は、後で話してもらうぞ」
792 名前:キャプテンが変!?(5/5) :2011/03/15(火) 21:59:23.49 ID:???
アル「僕達を家で降ろしてからキャプテンをラー・カイラムに連れてくと思ったけど……」
シュウト「ねえ、僕達までラー・カイラムに連れて来て、どうするの?」
アムロ「実は、アルやシュウト達には隠していた事があるんだ」
アル「隠し事?」
キャプテン「……」
アムロ「この部屋だ。シュウト、開けてごらん」
シュウト「……うん」
ガチャ
シュウト「これは……キャプテンのフレーム……?」
キャプテン(フレーム)「シュウト……か?」
シュウト「キャプテン!」
アムロ「シュウト、このキャプテンは本物に見えるかい?」
シュウト「うん……外のパーツは外れちゃってるけど……僕の知ってるキャプテンだよ!」
アムロ「……ああ、その通りだ。こいつは、正真正銘のキャプテンだ」
アル「あれ、じゃあ、こっちのキャプテンは?」
アムロ「……
アルとシュウトには謝らないといけないな」
キャプテン?「……騙していてすまなかった。
私は、キャプテンの同型パーツと記憶を使って造られた、もう1人のキャプテンだ」
アル「偽者って事!?」
キャプテン「私の代理と言った方が良いだろう。今回は整備の日にちが掛かるから、その間、彼に代わってもらったのだ」
シュウト「そうだったんだ……じゃあなんで言ってくれないのさ!?」
アムロ「気付かれないようにする実験だったんだよ……ごめんな」
アル「実験?」
アムロ「キャプテンみたいに、家族の役目を期待されているモビルシチズンが整備に日数を必要とした時、
その代わりは気付かれずに家族の役目を務める事が出来るのか、これを確かめなくちゃいけなかったんだ」
アル「マイ兄ちゃんは知ってたの?」
アムロ「ああ、何人かの、絶対気付きそうな弟達には言ってあるさ。アルやシュウトは、調べたい年齢だったんだ」
シュウト「そういう事だったんだ……じゃあ、実験は失敗って事?」
アムロ「いや、そういうわけじゃない。騙す事なんて出来ない、って分かっただけでも大収穫だよ。ごめんな」
シュウト「全然気にしてないよ。でも騙したから、明日ファミレスに連れてってね!」
キャプテン代理「それで……私は
どうすれば……」
キャプテン「……」
シュウト「……ねえ、キャプテンはここにいるし、キャプツーって呼んでもいいかな?」
キャプツー「シュウト……勿論だ!」
シュウト「キャプテンが戻るまでのあいだ、よろしくね、キャプツー!」
おわり(
後日談あり)
最終更新:2015年01月25日 22:23