259 名前:シンとダリルとハワードと(1/3) :2011/04/30(土) 20:29:49.00 ID:???
 銭湯サテリコン……
ダリル「いい湯だな、ハワード。こういう命令も悪くない」
ハワード「ああ、まったくだ。とはいえ、少し気が引けるが……」
シン「お前ら、仕事中だろ!?」

ダリル「我々は今日が非番のグラハム隊長に代わり、日登署サテリコン出張所の当番の任に就いている」
ハワード「湯船の中で待機し続ける任務だと聞いている」
シン「当番って……こんなところにいないで空を守れよ……
   シロー兄だって、さんざん航空部隊が足りないって言ってるんだからさ」
ダリル「しかし、今日は客が少ないな」
シン「平日の真っ昼間だしな……ってか、一番の原因は警察のMSが停まってるからなんだよ!」
ダリル「そうだったのか、すまないな」
ハワード「だから、この時間に備品の点検を行っているのか……しかし、この時間にバイトは感心しないな」
シン「テスト明けだよ。学校から、なんか連絡入ってないの?」
ダリル「そういえば、ホワイトボードに書いてあった気がするな」
シン「見とけよ……」

 がらっ
ノリス「混んでいる時間も好きだが、湯船の広さを実感するのもまた、良いな」
シン「あれ、今日はアイナさんの護衛じゃないんだ」
ノリス「アイナ様は友人とお出かけになっている。自分が行っても、迷惑になるだけだ」
シン「へえ、そうだったのか……しっかし……」

コジロー「でかいオッサンばっかでむさ苦しい、ってか?」
アルゴ「確かにその通りだな、反論は出来ん」
ギンガナム「ははは、少年も言う様になったなあ!」
シン「まだ何も言ってねえよ!」

 がらっ
ドズル「銭湯なんて、久しぶりだなあ、兄貴」
ギレン「うむ、水道工事が原因とはいえ、たまには悪くない」
シン「またごついのがきた……」

260 名前:シンとダリルとハワードと(2/3) :2011/04/30(土) 20:32:03.11 ID:???
ギレン「湯主!ジオンっ子は熱い湯を好むのだ。温度を上げてくれ!」
シン「湯主って……それより、他のお客さんにも訊かないと」
ノリス「おお、ギレン様。自分も、賛成ですぞ」
ギンガナム「公衆浴場だから遠慮していたが、小生も熱いほうが好きだなあ!」
アルゴ「……」コクリ
コジロー「俺も構わんぜ」
ハワード「えっ……!?」
ギレン「決まりだな、湯主!80度くらいの猛烈に熱い湯を頼む」
シン「どんだけ上げるんだよ!?」
ダリル「確かに、上げすぎなのでは……」
ドズル「ザビ家に二言は無いぞ、坊主」
シン「そこまで言うなら……その代わり、逃げ出すなよ?」


シン「~♪(ガンダムのテーマ)~♪」
ノリス「ほう、45度か。なかなかいい温度になってきたではないか」
ギンガナム「ふん、まだまだ小生にはぬるいのである」
ハワード「ダリル……お前は大丈夫なのか?」
ダリル「俺は強い方だが……そうか、お前は苦手だったな」

シン「~♪」
コジロー「50度か。このくらいじゃないとな」
アルゴ「だが、まだ低い」
ダリル「……さすがに熱くなってきたな。ハワード、お前は出た方がよくないか?」
ハワード「湯船で待機するという命令だ。苦手でも、フラッグファイターの矜持を見せてやるさ」

シン「~♪」
ギレン「65度か、ようやく風呂らしくなってきたな」
ドズル「湯船は温度だな、シン。もっと上げてくれ」
シン「急に上げると風呂が傷むから、これ以上早く上げるのは無理だよ」
ギレン「ならば、仕方ないな。湯主、その調子で務めてくれ」
ダリル「……俺は出る!」ザバッ
ハワード「逃げるのかハワード!フラッグファイターの栄誉を汚すつもりか!?」
ダリル「ハワード!大の大人がのぼせて倒れる、そっちの方が恥だぞ!」
ハワード「く……だが、俺は逃げない……耐えてやるさ……」

261 名前:シンとダリルとハワードと(3/3) :2011/04/30(土) 20:35:37.98 ID:???
シン「~♪ よっし、これで80度!」
ギンガナム「適温である!」
ドズル「まさか、銭湯でこれが楽しめるとは思わなかった」
ダリル(水風呂)「ハワード!早くこっちに来い!」
ハワード「後には引けないさ……なぜなら、俺は……」

ハワード「フラッグファイターだ……!!」



ハワード「う……ここは……」
シン「おっと、動くなよ。点滴が打ってあるんだから」
グラハム「目が覚めたようだな。少年、ハワードをここまで運んでもらって、すまなかった」
ハワード「隊長……!」
シン「だから、動くなって」
ハワード「隊長、ここはどこなんです?」
グラハム「サテリコンの、のぼせ客用ベッドだ。
     まったく、風呂場で脱水症状を起こして倒れるとは……始末書ものだぞ」
テクス「うん、意識も戻ったみたいだし、これなら大丈夫だ」
パーラ「シンがテクス先生に電話を掛けた時はどうなるかと思ったけど、死ななくてよかったよ」
グラハム「部下が迷惑を掛けた……謝罪の言葉を言わせて欲しい」
テクス「ははは、そんなものはいらないさ。
    それより、ハワード君。命令に忠実なのはいいが、逃げることも覚えろよ」
パーラ「そうそう、馬鹿真面目なのも考え物だよ」
ハワード「はは……そうだ、な」

グラハム「ところで、湯温が80度になっているそうだな」
シン「いや、更に上げろって言われて、今は90度だよ……」
グラハム「良い湯加減だな。よし、私も入るぞ!」
パーラ「へへっ、まいどあり」チャリン
グラハム「さあ、行くぞダリル!」
ダリル「えっ!?いや、自分はぬるい湯が好きで……」
グラハム「聞く耳持たん!」グイッ
ダリル「そんな……タスケテェ~」ズルズル

シン「……あれじゃあ逃げる事が出来ても意味ないな」
テクス「……どうやら、もう1つベッドが必要なようだね」

 おわり 温度は「勝手に改蔵」が元ネタです

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最終更新:2015年02月18日 19:13