「決めた!俺はこの夏休みこそマユと結ばれる!」
夏休みも始まったばかりのある日、唐突にシンがこう言い放った。
「ヤルぜ!キメるぜ!エルゴフォォォォォォンム!」
意味不明の雄たけびを上げ、鼻息も荒い。
「や、ヤルって何を…?」
「やっぱナニかな…?」
「シン!君もマユちゃんもまだ早すぎます!ちょっと、アムロ兄さんも何か言ってやって下さいよ!」
顔を赤らめて抗議するロランに対しアムロの返事は意外にも、
「シン…避妊くらいしろよ」
「駄目だこりゃ」
さらにシローやドモンまでシンを応援し始めたではないか。
「そうか、マユと添い遂げる気か、シン!」
「マユが欲しいんだな、そうかそうか!」、
「ロラン、最近の性行為は低年齢化が進んでいる。別に不自然な行為ではない」
キャプテンまでこんな事を言い出す始末。
アルやシュウトは意味が判らず、キョトンとしている。
「君がマユちゃんとと仲がいいってのはみんな知っているけどさ…」
「…アンタが悪いんだ」
「は?」
「アンタが俺とマユの邪魔ばかりするから!」
シンの抗議も無理はない。
いつも不注意からマユを
ミンチにしているのはキラなのだ。
「さあ今日も始まるぞ」
「毎日毎日
懲りない奴らだ…」
今日もインパルスとフリーダムの激闘が始まった。
「君が立ちはだかるのなら、僕は!」
「アンタは一体何なんだ────ッ!!!!」
やがてフリーダムが撃破され、兄弟ゲンカは終わる。
「うあ゛ぁあ ヽ(`Д´)ノあ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ…!!」
「
うあ゛ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ…」
「今回はフリーダムを特に念入りにぶち壊してやったぜ…やったぞマユ…ウヘ、ウヘヘ…」
「ここまで壊れたんじゃ夏休み中に直すのは無理だ…
うあ゛ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ…」
「しっかしキラの奴、セーフティーシャッターごとブチ抜かれたのに、なんで無事なんだ?」
「さあ?」
兄弟一家は海にやって来た。
一家だけでなく友人知人も伴った大規模なレジャーとなった。
シローはアイナを、ドモンはレインを、カミーユはファとフォウをといった彼女を連れてきている者。
アムロのようにブライト一家やチェーン、クリスといった同僚を伴った者。
シーブックとガロードのように彼女だけでなくその保護者まで付いて来た者。
ジュドーのように友人だけでなく「引率だ!」などとハマーンが強引に付いて来た者、などど様々である。
当然のようにシンは隣家のマユを誘った。
「うん、いいよ。マユもお兄ちゃんと海に行きたい!」
「よし!…今までこういうシチュエーションがなかったのが悔しかった。俺はこの海で全てを薙払う!」
「…お兄ちゃん?」
「い、いや何でもないハハハ…」
スイカ割りが始まった。
「愛と怒りと悲しみのスイカ割りッ!面・面・メェェェェェェェェン!」
ドモンの一撃でスイカは木っ端微塵になってしまった。
その飛沫をレインがもろに受けてしまった。
「ドモンのバカ!もう知らないんだから!」
「ま、待ってくれレイン!」
「スイカの代わり用意できたぞー」
「よし、今度は俺が…手応えあり!」
「ふはははははははは!痛いではないか
シーブック君!」
「なんとー!?カロッゾさん!?」
「駄目でしょお父さん、スイカが喋っちゃ」
「ふははははは!待ってくれベラ。その釘バットは何かね?」
「次のスイカ役はノリスお願いね」
「ア、アイナお嬢様…」
「スイカっていうよりパイナップルだな…」
それを横目にノートパソコンを広げるアムロ。
「みんな楽しんでいるようだな…」
「アムロ、お前は参加しないのか?」
海に来てまで仕事を続けるアムロにブライトは頭を抱えた。
どうやらこの企画はブライト達がアムロの気分転換のために準備したものだったようだ。
「ガンダイバーの開発が遅れているのは知っているだろ…」
ふと目をやると、コウがシーマに岩影に引きずられていくのが見えた。
「若いなぁ…」
「主任!そんな年寄りじみた事言ってないで、私達もこちらへ!」
「ま、待ってくれチェーン!」
「…頼んだぞチェーン」
それを見ていたシンも行動に移った。
「…マユ、ちょっと向こうに行ってみないか?」
「え?…うん、いいよ…」
「おい、シンの奴、いよいよだぜ」
「遂に一線を越えるワケですな」
「これは兄として見守らないワケにはいかないなぁ」
「これは弟として見守らないワケにはいきませんなぁ」
そして別の岩影に来たシンとマユ。
「おおっ!シンが水着の紐に手をかけた!」
「バカ!いきなり脱がそうとする奴があるか!」
「マユちゃんがキスをねだっているぞ」
「順番としてはこちらが先だよな」
「ねぇロラン、なんか男共の数が減ったと思わない?」
「あれ?さっきまで一緒だったのに、おかしいな…」
「なんかあっちにいったよ、プルプルプル~」
「なんでそんな所に?それにさっきから誰かに見られているような…?」
するとティファが海中を指さす。
「あの人です…!」
「この気配はまさか!あの俗物め!」
「チューか!?チューしてしまうのか!?」
「そのまま押し倒せ!」
ドッパーン!
不意に上がった巨大な水柱の余波が押し寄せて来た。
「な、何だ!?」
「あーっ!お前ら!」
「やばっ!見つかった!」
「チィィィッ!完璧な作戦にならんとはな!」
シャアのズゴックはキュベレイやカプルに追い回されていた。
「ここで終わるか、続けるか!選べ、シャア!」
「まだだ、まだ終わらんよ!」
「あんた!ロランにちょっかい出してなにが楽しいの!」
「プルプルプル~!」
「こっちに逃げてきたぞ!」
「赤いズゴック!あいつか!」
「うわっ!危ない!」
ズゴックは岩場でジャンプし、さらに逃亡を図る。
「…ふう、危なかった」
「大丈夫かマユ!?って、マユ!!」
シンの視界にあったものはマユの千切れた右腕。
ズゴックに踏み潰され、哀れマユは結局今日も
ミンチになってしまった。
「うあ゛ぁあ ヽ(`Д´)ノあ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ…!!」
「シンがキレた!?」
そのままコアスプレンダーの方に駆け出した。
「キャプテン!チェストフライヤーとレッグフライヤーを射出!シルエットはソードを!」
「了解だシン」
別の岩影では…
「なんだか騒がしいねぇ」
「…あ、あれ…僕のデンドロビウムのコンテナから何でインパルスのパーツが…?」
シャアのズゴックは海中に逃げようにも、キュベレイやカプルに阻まれていた。
さらにビギナ・ギナやメタス、サイコガンダムまで現れた。
「ララァ、私を導いてくれ…!」
流石のララァもこんな男を導くのはイヤだと思われるが。
そこへ
赤いガンダム──ソードインパルスが現れる。
「貴様!誰に断って赤い機体に乗っているのかね!?」
「言いたい事はそれだけか!!アンタって人は──ッ!!」
ズゴックは一刀両断にされ、シャアは
ミンチになった。
スイカ割りが再開され、
ミンチから復活したシャアがスイカ代わりとなった。
皆が物騒な獲物を手にしている。
「こいつはすぐに復活するからイイや!」
「次はシロー兄さんね」
「ハンッマーコネクトォ!!」
巨大なハンマーをスイカ(シャア)に振り下ろす。
「光になれぇぇぇぇぇぇぇ──ッ!!」
「くぁwせdrftgyふじこlp;@:」
「次はロランの番よ」
「剣を使った事は?」
ギンガナムが刀を手渡す。
「一度だけ…!」
「サボテンの花が咲いている…」
今回の海では他にもさまざまな出来事があったのだが、それはまた別の機会に語られる事となろう。
「こんな事で…!こんな事で俺は…ッ!」
「お前達、期末試験の結果が散々だったそうじゃないか。夏休みだからといって遊んでばかりでは困ったことになるぞ」
ラボに引き篭もりっぱなしのアムロに代わって、シローが弟たちに説教をたれる。
カミーユ、キラ、ガロード、ジュドーといった面々が並んで正座させられている。
ガロードとジュドーは万年赤点、カミーユは理系以外はサッパリで、キラも理系はトップクラスだがそれ以外はぱっとしない。
「しかし、今日は特別にアイナが家庭教師をしてくれるそうだ。お前達、しっかり勉強を教えてもらえ」
『はーい…』
「今日は『先生』って呼んでね。最優先事項よ」
「じゃあ、先生。これについて質問なんですが…」
「何かしら、キラ君」
「(ソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワ…)」
なんだか、シローが落ち着かない。
「シロー兄さん、どうしたんです?」
「なんだか、キラにアイナをとられてしまいそうな気がする……」
チャイムが鳴って、応答も待たずに少女が飛び込んできた。
「お兄ちゃーん!、宿題教えてー!」
「マユ!」
「あれ?勉強会なの?」
「実はそうなんだ……あいつら成績悪くてさぁ」
「ふーん、そうなんだ……お兄ちゃんはイイの?」
「伊達に赤は着てないよ……」
「でもこっちでも勉強会かぁ。お兄ちゃん、マユのお家に来てよ!そこで教えて!」
「(!!これは二人っきりになるチャンス到来!!)ああ、いいぜ」
「ここがわかんないんだけど……」
「どれどれ……これはこうするんだよ」
「えっ?そうなの」
「ちゃんと公式に当てはめてみろよ」
「あっ!なるほどー!」
マユの部屋で二人きりの勉強会が始まった。
低学年の勉強を教える事など、赤服のシンにはどうという事はない。
「お兄ちゃん……」
「次はどこが分からないんだ?」
「マユのお胸がドキドキするの……どうして?」
「!!」
「お胸がドキドキして苦しいの……どうして?」
「そ、それはだな」
「お兄ちゃんの事を考えるといつもこうなの……ほら、さわって……」
そう言いながら、シャツのボタンを1つ、2つと外していく。
「(マユのほうから誘ってキタ────!!!!)どれどれ……ダメだ。良く分からない」
「じゃあ、もっと分かりやすくしてあげる……」
マユは小さなカップの下着に手をかける。
「(よし!今日こそマユと結ばれるぜ!!)」
その時、轟音とともに天地が逆転した。
『愛しのローラ!ホワイトドールよりも強力なブラックドールを手に入れたよ!さあ、私の元へ来るんだ!
これでもう君を不安にさせるものなど何もないよ!ハァハァハァハァ……』
グエンが突如巨大サイズのMSに乗って押しかけてきた。
「不安のタネが何を言うか!」
「おいおい、とうとうあんなものまで持ち出しやがったぜ」
「なんとー!」
「あれは悪魔のマシンだ!グエンめ!」
「お前の彼女だって乗り回してるじゃないか……」
「グエンさん!止めてください!近所迷惑です!隣のお宅が潰れてしまったじゃありませんか!」
「……うう……何だってんだ一体……マユ……大丈夫か……?」
気が付くとシンは瓦礫の中にいた。
そして目にしたものは……マユの千切れた右腕と
ミンチだった……
「うあ゛ぁあ ヽ(`Д´)ノあ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ…!!」
「まずいな、あんなのに暴れられたら家もタダじゃ済まない!」
「しっかり格納庫の前に居座っていやがる!」
「私がアプサラスで出ます!」
「アイナ!危険だ!」
『さあ、こちらに来るんだ。ローラ』
「ロラン!行くんじゃないぞ!」
「行きたくないし、行きません!」
「しかし
どうすれば収拾がつくんだ?」
この状況を打破するのは難しい事のように思えた。
「……俺が出る……!」
「シン!?」
「インパルスをパーツ状態で射出する。なんとか奴のまたぐらを潜れるハズだ!」
「……!その手があったか!」
「グズグズしているヒマはないぞ!キャプテン、インパルス発進準備!シルエットはソードだ!叩き斬ってやる!」
「了解だ、シン」
『さあ、早く来るんだローラ。さもないと君の兄弟に多大な迷惑がかかる……何だ!?』
格納庫の扉が開き、無人のコアスプレンダーが自動操縦で発進する。
続けてチェストフライヤーにレッグフライヤー、ソードシルエットが射出される。
これら全てがブラックドール──MRX-009の足の間をすり抜けた。
シンは素早くコアスプレンダーに乗り込み、パーツを合体させた。
『インパルス!?』
「うあ゛ぁあ ヽ(`Д´)ノあ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ…!!」
『どぅぶれぁ!』
ソードインパルスはMRX-009を真っ二つに斬り裂いた。
「まったく、毎度毎度
懲りない奴らだ……」
「サイコミュ搭載機のパーツだ!高く売れるぞ!」
「はーい、勉強会を再開しますよ。これは先生からのお願いなの。最優先事項よ!」
「アイナ……そのセリフ止めて……」
「今日はシンのおかげで助かりました。シン……?」
「こんな事で……!こんな事で俺は……ッ!」
703 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:2005/09/08(木) 13:29:21 ID:???
702の続きを勝手に想像。
先にゴメンナサイといっておきます。
アムロ「お前達が死なないようにロランがナノマシンを体内に埋め込んだんだ。」
一同「いつの間に!」
ロラン「バーニィとマユちゃんにも埋め込んでありますよ。」
ガロード「だから何度
ミンチになっても生き返るのか。」
シン「だからって遊ぶなよ、アンタ達は!!!」
キラ「うあ゛ぁ・゜・(´А⊂ヽ・゜・あ゛ぁあ゛ぁあ゛ぁ…………僕の、ラクスから貰ったフリーダムが、うあ゛ぁあ゛ぁあ゛ぁ……………………」
ラクス「悲しむことはありませんわ、キラ。」
カミーユ「あっ、ラクスさんだ。」
シロー「どうしたんですか、いきなり。」
ラクス「今日はキラにプレゼントがありまして。」
⊃ストライクフリーダム
キラ「新しい機体?」
ラクス「いつもキラにはワガママを聞いていただいているので、これはそのお礼です。」
シン「せっかくキラを黙らせたのに!アンタって人は~~~~~~~~!」
キラ「シン、さっきの借りを返させてもらうよ!」
シン「今度こそ大泣きさせてやるよ!」
キラとシンの戦いは一時間ほど続いた。
キラ「クソ!」
シン「互角かよ!」
アムロ「あいつ等やけに頑張ってるな。」
コウ「意地だな。」
カミーユ「所でロランは?」
ラクス「ロランさんなら何やらケラケラと笑いながら家に入られましたわ。」
アムロ「ほ、本当ですか?ガクガクブルブル」
ラクス「ええ、ロランさんどうなされたのですか?」
カミーユ「キラ、シン、今すぐ戦いを止めるんだ!」
キラ「黙っててよ!」
シン「そこで見てて下さいよ!」
ガロード「ロラン兄さんがキレたんだよ!」
キラシン「えっ!」
二機のレーダーに機影が一体
キラ「し、system‐∀99!」
シン「何でいきなり本気なんだよ~~~~~~~!!」
ロラン「あなた達が悪いんですよヘヘヘ。」
キラシン「兄さん、もうやらないから。許して!!!」
ロラン「もう遅いですよ。フハハハハハハハ!」
キラ「こうなったらシン!」
シン「お前とは手を組みたくなかったが仕方ない。」
キラシン「行くよ、兄さん!」
ロラン「月光蝶―――――――!!!」
その後どうなったかというと。運命、攻撃自由共々あっさり∀にスクラップにされてキラもシンも大泣きすることになった。
最終更新:2019年01月22日 15:46