92 名前:キョウジ・カッシュの帰還・前編 1/5 :2012/08/16(木) 14:30:29.71 ID:???
※ 規制が怖いので5レスずつに分けて、時間を置いて投下します

十年前・連邦学園卒業式――
セレーネ「この学校ともお別れかあ」
キョウジ「感慨深いものがあるな。君は大学に行くんだったか」
セレーネ「ええ。キョウジは…」
キョウジ「父さんの研究を手伝うことになってるんだ。しばらくは会えないかもな」
セレーネ「そうね。まあ、せいぜい落ちぶれないように気をつけなさいよ?」
キョウジ「その言葉、そっくりそのまま君に返してやる。私はいずれ、父さんも超えるような科学者になってみせる」
セレーネ「へえ。あんたがライゾウおじさん超えられるなら、私はそのさらに上をいけるわね」
キョウジ「ならば次に会った時、どちらが優れたものを作ったか。勝負しようじゃないか」
セレーネ「上等よ!」
キョウジ「それでは、またいずれ会おう」
セレーネ「逃げないでよね!」
キョウジ「こちらの台詞だ」

93 名前:キョウジ・カッシュの帰還・前編 2/5 :2012/08/16(木) 14:32:09.19 ID:???
現代――
セレーネ「いい加減にしてよ!! いつもいつも結婚、結婚って!」
アムロ「しかしな、俺もお前の将来を思って…」
セレーネ「そもそも、なんだってスウェンが相手なのよ! あの子と私、どれくらいの年齢差があると思ってんの!」
アムロ「愛があれば年の差など!」
セレーネ「あの子の場合、憧れみたいなものよ。男ってのは誰でも年上のお姉さんに憧れるものだ…って、学生時代の友達が言ってたし。兄さんだって、学
生時代はマチルダさんマチルダさんってあれほど騒いでたくせに、今は話題にもならないじゃない」
アムロ「ぐぬぬ…でもなあ、俺はお前が心配なんだよ。行き遅れなんかになったら悲惨だろう?」
セレーネ「その言葉はそのまま兄さんに返すわ! いつ破滅するかもわからない分、私より悲惨じゃない!」
アムロ「ぐはっ」
カミーユ「あ、死んだ」
セレーネ「とにかく! これ以上恋愛に関して私に干渉しないで!」
キラ「行っちゃった」
アムロ「せ、セレーネぇぇぇぇぇ…」
ロラン「まあ、姉さんの言い分は正しいですよね。誰だって、そういうことで他人に干渉されるのは嫌だと思います」
ウッソ「というか、今まで怒らなかったのが不思議なくらいですよ」
アムロ「ううう…」
カミーユ「兄さんも、今回ばかりはダメージ大きいみたいですね」
シロー「今まであそこまで拒絶されたことはなかったからな…自業自得とはいえ、かわいそうに」


95 名前:キョウジ・カッシュの帰還・前編 3/5 :2012/08/16(木) 14:33:01.00 ID:???
ピンポーン
ロラン「はいはーい。今開けます」ガチャ
ヤザン「よう」
シロー「ヤザンさん!?」
ヤザン「おう、サーシェスんところの坊主じゃねえか。そういや、お前もここの子供だったか」
シロー「僕はあの人の部下ってわけじゃないんですけど…」
ガロード「…誰?」
シロー「酒楽でよくサーシェスさんと飲んでる人だよ」
ヤザン「新聞記者兼私立探偵の、ヤザン・ゲーブルだ。なんか特ダネあったら持って来いよ。買ってやる」
シロー「…それで、何の御用ですか?」
ヤザン「野郎に用はねぇよ。セレーネとかいう美人がここにいるはずなんだが」
キラ「姉さんなら――」
セレーネ「あら、ヤザン。ようやく報告?」
ヤザン「ああ。遅れて悪かったな」
セレーネ「成果は出たの?」
ヤザン「当たり前だ。人探しごときに十年もかかるとは思わなかったが」
セレーネ「すぐに部屋に来て」
ヤザン「おう。上がらせてもらうぜ」
セレーネ「ロラン、お茶とかは別にいいから」
ロラン「いいんですか?」
ヤザン「すぐに済むからよ」

96 名前:キョウジ・カッシュの帰還・前編 4/5 :2012/08/16(木) 14:33:46.35 ID:???
  •  ・ ・

セレーネ『…で、ど…だっ…の?』
ヒイロ「…感度があまりよくないな」
ガロード「でも、外じゃ普通に使えるんだぜ?」
ジュドー「変な電波でも飛んでるんじゃないの?」
カミーユ「どうしてそこで俺を見るんだ」
ロラン「何やってるんですか、みんなで…」
ヒイロ「姉さんの部屋の盗聴だ」
アムロ「セレーネが人探しなんて、気になるだろう?」
ロラン「アムロ兄さんまで混じって…シロー兄さんも、止めてくださいよ」
シロー「俺ひとりじゃ無理だよ」
アムロ「静かにしろ」

ヤザン『お目当てのキョウジ・カッシュに関してだけどな。見つかったことには見つかったんだが…ちょっとばかり面倒なことになってるぞ』
セレーネ『面倒?』
ヤザン『デビルガンダムの中に捕まってるようだ』
セレーネ『デビルガンダム? だいぶ前にドモンがこっ恥ずかしい技使って吹っ飛ばした記憶があるんだけど』
ヤザン『どうにも、一体だけじゃなかったらしい。というか、もともと一体だったものが、何らかの衝撃でバラバラになった後、別々に復活した…って、話
だがね。そんな無茶なもん、よく作ったもんだぜ』
セレーネ『それで、どこにいるのよ』
ヤザン『アルタネイティブ社。隕石と偽って回収して、研究してるらしい』
セレーネ『ふうん…ありがとう。助かったわ』
ヤザン『いいってことよ。報酬、頼むぜ』
セレーネ『わかってるわ』
ヤザン『それじゃ、報告は以上だ。細かいことはこの書類に書いてある』

98 名前:キョウジ・カッシュの帰還・前編 5/5 :2012/08/16(木) 14:35:15.29 ID:???
キラ「降りてくるよ、兄さん」
アムロ「ヒイロ、通信機隠せ!」
ヤザン「それじゃ、邪魔したな。今後ともごひいきに」
セレーネ「ええ。…あ、兄さん。私もちょっと出かけてくるから」
ロラン「いってらっしゃい」

ドモン「さて、俺も出かけるか」
シロー「どこに?」
ドモン「キョウジ兄さんを助けに行くに決まっているだろう!」
シロー「聞き耳立ててたのがバレるぞ」
アムロ「あいつ、一人でデビルガンダムに挑むつもりか」
ドモン「デビルガンダムは姉さん一人で倒せるほど甘くない! 俺たちも行かないと…」
アムロ「待て。みんな、ちょっとこっちに来てくれ――」

中編に続く。いつ投下するかは不明。たぶん今日中

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最終更新:2015年10月24日 09:58