278 名前:その1 :2012/08/21(火) 20:18:02.91 ID:???
アムロ「野球をやるぞ!」
シャア「突然呼び出して何をするのかと思えば、野球とはな」
カミーユ「なにもこんな暑い日にやらなくても」
アムロ「何を言うんだ、暑い日こそ野球をやるに限るぞ」
セレーネ(監督)「みんな、頑張ってね~」
カミーユ「姉さん、ベンチの扇風機を独り占めして……」
アムロ「兄弟チームとシャアチームに分かれて試合だ。俺達は後攻だな」
そして…
セレーネ「さあ、初回の攻撃は凌ぎ切ったわね」
アムロ「俺の好投がスルーされただと!?」
セレーネ「普通の3者凡退なんて面白くないでしょ。さ、先制するわよ」
ヒイロ「フォアボール、すかさず盗塁だ」タタタッ
ガロード「ファーストゴロだけどヒイロは3塁に行ったぜ」カキン
シン「犠牲フライっと。これで1点!」カキン
アムロ「ちょっと待て!!」
セレーネ「何よ、作戦通りじゃない」
アムロ「もうちょっと美しい点の取り方は出来ないのか!?これじゃあアンチベースボールだ!」
セレーネ「そう?0.7ゲイザーちゃんくらい美しい取り方だと思うけど」
アムロ「せめて長兄の前に
ランナーの出る取り方をしてくれよ……」
セレーネ「長兄なら自分で追加点くらい取れるわよ」
アムロ「くっ、なら取ってやるさ!」
アムロ「うおおおっ!」カキーン
シャア(外野)「大きい!?」
アムロ「行ったか?」
シャア「だが、この風では切れる」
ブライト(審判)「ファール」
アムロ「くっ……」カキン
シャギア(遊撃手)「引っ張ったが正面のゴロ、という事だな」シュッ
279 名前:その2 :2012/08/21(火) 20:18:36.28 ID:???
アムロ「気を取り直して……先制点の後の守備は重要だ。みんな、引き締まっていくぞ!」
アムロ「4番ギンガナムか……長打を警戒しないとな」シュッ
ギンガナム「ぬおっ、しまった!?」カキン
セレーネ「高い内野フライよ!風が強いから気をつけて!」
アムロ「俺が取る!」
びゅうう
アムロ「うわっ!?」ポロッ
カミーユ「兄さんが落球!?」
ギンガナム「ははは、2塁まで行けたぞ、これはラッキーであるなあ」
アムロ「く、立て直さないとな……セレーネ、あれを!」
セレーネ「いいのかしら……はい」ポーイ
アムロ「この闘魂込めたスペシャルボールで!」
シャア「あれは……アムロ!」
アムロ「何だ、シャア?」
シャア「ボールにファンネルを仕込むのは反則だぞ」
アムロ「ちっ、重さや飛び具合まで一緒にしたのに、投げる前にバレるとは……」
シャア「当たり前だ!」
アムロ「ジョークも通じないとは……ここは自力で抑えるしかないな」
しかし…
ホルバイン「エントリィィィィ!!」
シャギア「
今のアムロを打つのは容易いな」
オルバ「恐るるに足りないね、兄さん」
アムロ「4連打で逆転!?」
マイ(ベンチ)「ヒイロのリードに欠点は見当たりませんが……兄さんの球が甘く入っていますね」
ヒイロ「何とか立て直したいが……」
アムロ「ヒイロ、俺だって引き際くらい心得ているさ……後は頼んだぞ」トボトボ
ロラン「アムロ兄さんがベンチの隅で白目で体操座りに!?」
セレーネ「仕方ないわね。ピッチャー交代!刹那、打たれてもいいからストライクには入れてね」
刹那「アムロ兄さんの後を……緊張するがミッションを成功して
ガンダムになってみせる!」
280 名前:その3 :2012/08/21(火) 20:19:07.57 ID:???
そして…
コウ「ホームベースに吶喊します!」ドドドドドッ
ジュドー「出た!コウ兄の殺人ラグビー走法だ!!」
試合は…
シャア「まだだ、まだ終わらんよ!」カキーン
刹那「これで打者1巡……俺はガンダムになれない」
なんだかんだで…
シロー「倍返しだああああ!!!!」グワッキーン
ハレルヤ「どーよ?一方的な暴力になすすべなく連打を浴びる気分はorz」
アレルヤ「打たれてるのは僕達だよorz」
進んでいき…
ギンガナム「絶好調である!!」ドッカーン
ヒイロ「五飛、俺はあと何点取られればいい?あと何人、打者と戦えばいいんだ……」
セレーネ「代打、ロランに代わってアムロ兄さん!」
アムロ「ハハ、思い出代打かい……?」
セレーネ「何言ってるの?2アウト満塁3点差フルカウント。ホームランで逆転サヨナラよ」
アムロ「……え!?」
ロラン「それにグラウンドの貸し時間も迫ってますから、この打席で終わりですよ」
シャア「両チームの打たれすぎだ。8回で終わりとは……」
アムロ「そうだったのか……」
カミーユ「なんとかここまで追い上げたんですから、頼みますよ」
アムロ「……ああ!」
シャア「それでこそ私のライバルだ。選手交代!ピッチャー私だ!」
アムロ「この1球で全てが終わる……シャア、ボール球はやめろよ!」
シャア「貴様こそ、ファールを打つ事は避けていただこう!」
シャアが振りかぶり、白球を放る。
そして…
カキーン!
アムロが力を込めてバットを振りぬくと、ボールは見事な放物線を描いて、外野フェンスを越えていった…
281 名前:その4 :2012/08/21(火) 20:19:40.72 ID:???
ウッソ「やりましたよ!」
カミーユ「さすがアムロ兄さんですね!」
アムロ「みんな、ありがとう……ありがとう……!俺は今、猛烈に感動しているよ……」
わーわーがやがや
アムロ「あれ?ところで、シャアとセレーネは?」
シロー「ベースを返しに行きましたよ」
アムロ「そうか、セレーネがそういう事をするなんて珍しいな……もしや!?」
キャプテン「マスターの読みが外れている確率は156%」
アムロ「100%越えだと!?」
シャア「負け投手になってしまったな。チームのみんなに悪い事をした」
セレーネ「いいじゃない、みんな分かってくれたんでしょ?
それに、それっぽい打球なら、って条件付だったじゃない」
シャア「そうだな。事実、操作無しでフェンス直撃の打球だった」
シャギア「指示通り、アムロのホームランボールを回収しておいた」
シャア「ありがとう。セレーネ、このファンネルボールは見返りとして貰っておく」
セレーネ「ええ、構わないわ。それにしても、自分で作ったファンネルボールに気付かないくらいだもの、
なんとか挽回するチャンスを与えてあげないと可哀そうだわ」
シャア「そういう事だ。そもそも、あの風で綺麗な打球が飛ぶ事自体不自然なのだ」
シャギア「フフ、試合には負けたが、我々の勝ちという事だな」
シャア「そういう事だ。次は挽回の場面すら与えんぞ」
セレーネ「あら?またやりたいの?」
シャア「アムロ次第だ、と言っておこう」
おわり
最終更新:2015年10月25日 13:53