ガンダム兄弟たちの通う学園の校長ギルバート・デュランダルは、学園の知名度とランクを上げる政策、
『デスティニープラン』を構想していた。
その主な政策として、優秀な学生の積極的受け入れ。そして学園内より有名人の輩出等を挙げている。
最近編入されてきたファントムペイン兄弟は、このMS社会で重要視されるMSの扱いに長けている。
悪名高き常夏三兄弟も、そのMS操縦技術を見込まれて理事長のアズラエルが推薦して編入したものだ。
ロランも月ではディアナに次ぐ力を持つギンガナムが推薦して編入された。
間もなく赤服になるほどの成績と、料理の才能に長けている。
学園内の有名人といえば
  • JrMS選手権で優勝したカミーユ
  • ネオチャイナ代表のガンダムファイター、サイシー
  • ネオスウェーデン代表のガンダムファイター、アレンビー
  • サーカスのスーパースター、トロワ
  • 世界経済を動かす力を持つカトル
  • 絵画コンクール金賞を受賞したティファ
  • ピアノコンクール金賞を受賞したニコル
などが挙げられる。
そしてデュランダルがデスティニープランの中核に据えているのが、地球圏的スーパーアイドル、ラクス・クラインである。
ところが……

「ラクス君、入りたまえ」
その日、ラクスは校長室に呼び出された。
「ラクス君、出席日数が足りていないそうだね?」
「……はい」
「芸能活動が忙しいのは分かっている。しかしこのままでは単位を落としてしまう。
君の成績自体はそれを黙って見過ごせる程のものではない。このまま留年してしまえば芸能界やマスコミの笑いものだ」
「あの、校長先生、実は」
「分かっている。地球圏ライブツアーが予定されているのだろう?」
「そうです。ファンの皆様の為にも、わたくしはこれをキャンセルすることなどできません」
「どちらの道を選ぼうとも、君には困った事態となる。この学園にとっても有益な事ではない。
この事は理事長の耳にも入っている。理事長は君の処分を私に委ねた訳だ」
「分かりました。そうなる前にわたくしにこの学園を離れよとおっしゃりたいのですね?」
沈痛な表情のラクスの姿は珍しい。
「いや、そうではないよラクス君。君の存在はこの学園にとって大きなプラスとなっている。
無論、この私のもだ。私は君の力になろうというのだよ」
「校長先生?」
「私に良い案がある。私の指示に従ってくれたまえ」

152 名前:影武者裸楠蔵院投稿日:2005/11/16(水) 00:37:44 ID:???
夕食時、兄弟たちはテレビを見ていた。
「そうだ、今日はラクスのライブの生中継があるんだった」
キラがテレビのチャンネルを変える。
「ちぇっ。今日は『魔法の少尉ブラスターマリ』を観ようと思ってたのに……」
シュウトが不満を漏らす。
間もなくライブが始まり、新曲『EMOTION』を歌うラクスの姿が映しだされた。
「いつ聞いてもラクスの歌はいいね」
「なんかさー、ラクスの印象、最近変わってない?」
「普段は変わりないんだけど、芸風変えたのかな」
「ちょっと前までは清純派アイドルって感じだったけど、最近は色気が出てきたっていうか……」
「ちょっとエッチな格好だよね」
「特にこの衣装!この食い込み具合スゲーよ!ティファもあんなの着てくれないかな……」

アスランの家出生活も、もうどれ位になっただろう。
父親のパトリックとケンカをして家を飛び出し、安アパートを借りてバイトをしながら細々と生計を立てていた。
しかしそういう生活のせいか、成績が急降下。このままでは赤服転落は免れない。
既に友人のディアッカは転落してしまった。
キラの兄のロランの成績は非常に良く、次はアスランに代わって赤服となるだろう。
そうすれば今まで免除されてきた学費を払わなくてはならなくなる。バイトを増やす必要があるのだ。
おそらく成績はさらに下がるだろうが……
MSの操縦技術も落ちてきた。
先日の授業ではキラの弟シンに大敗。
ルナマリアに「あんまり強くないよね」などと言われる始末。
アスランの前髪が数本抜け落ちた。
「そういえばカガリの家がボディーガードを募集していたな……だったら行くしかないじゃないか!」

「すまんアスラン!募集は昨日で打ち切ってしまったんだ!」
「何だって!?」
「じつは父上がムラサメ兄弟を雇ったんだ。しかも三人も。すまん!本当にすまん!」
アスランの前髪が数本抜け落ちた。
(ちなみにムラサメ兄弟の4人目はフォウだったりする)

153 名前:影武者裸楠蔵院投稿日:2005/11/16(水) 00:38:21 ID:???
「ひもじい……」
給料日まであと三日。
家賃を払ったら生活費は殆ど無くなる。
いつまでこんな生活がつづくのだろうか?
そう思いながら街を彷徨っていると、アスランに声をかけるものがいる。
「アッスラ~ン!おひさしぶりですわ!」
声の主はラクスであった。
「いや、学校でいつも顔を合わせているだろ……」
ラクスの天然ボケは相変わらずだ。
アスランの前髪が数本抜け落ちた。
「キラもよくこんなのと続くな……」
そう思っていると腹が鳴った。
「まあ!お腹が空いているのですね!?」
「ああ、いや、実はそうなんだ……」
「わたくしおいしいお店を知っていますの!ご案内しますわ!」
「いや、俺、持ち合わせが……」
「その位わたくしが払って差し上げますわ!ささ、遠慮なさらずに」
「今日はラクスの奢りか……嬉しいけど、情けない……」
店に入っていくそんな二人の姿をフランが捉えていた。
「ラクス・クラインの交際相手はキラ・ヤマトとかいう奴だったハズ……!これはスクープだわ!」

スクープ!
ラクス・クライン謎の凸と密会!

翌日のスポーツ新聞のトップにはラクスと目線を隠されたどう見てもアスランの姿があった。
「アスラン!これは一体どういう事だ!?バイトを断った私に対する当てつけか!?」
教室でカガリに問い詰められるアスラン。
「いや、ほら、なぁ」
さらにキラが飛び込んできた。
「アスラン!よりによってラクスに手を出すなんて!カガリは泣いているんだ!」
「キラ!?」
「君が立ちはだかるのなら、僕は!」
「待てキラ!俺の話を聞け!」
アスランの前髪が数本抜け落ちた。

154 名前:影武者裸楠蔵院投稿日:2005/11/16(水) 00:38:49 ID:???
放課後、採石場にてフリーダムとイージスのぶつかり合う姿があった。
「アァァァァスラァァァァァァァァァン!!」
「キラァァァァァァァァァ!!」
「あいつらケンカか?珍しいな」
しかし最近ヘタレ気味のアスランの駆るイージスは自爆する間もなく、あっさり達磨にされてしまった。
アスランの前髪が数本抜け落ちた。
「この方の姿と声に惑わされてはなりません」
そこへ例の記事を手にしたラクスがやって来た。
しかも二人。
「ラクスが……!?」
「二人……!?」
「キラにはもっと早く伝えておくべきでしたね。この方はミーアさんといって、わたくしの代理を務めてくれるお方です」
「じゃあこの記事のラクスは」
「ミーアさんですわ。わたくしがどうしても授業を外せない時に代わってもらっていたのです」
「そうだったのか……!」
「ミーアさんもミーアさんですわ。あれほどマスコミには注意しろといったのに」
「だあってぇ、アスランの方が私の好みなんですもの」
「そうか、道理で最近の君の衣装がその、エッチっぽくなったと思ったらあれはミーアさんだったのか!」
「あらあら、あれはわたくしのお気に入りですのに」
「……え?」
「わたくしはすこし前からあの衣装でステージに上がっていましたわ」
「ラクス様ったら、あんな際どい衣装がお気に入りだなんて……!私いつも恥ずかしくって……」
「分からない、君が分からないよ、ラクス……」

赤貧状態のアスランにイージスの修理費が工面できるはずもなく、やむを得ず家に戻る事となった。
「いままで何をやっていた!この馬鹿息子が!」
当然パトリックにこっぴどく叱られた。
アスランの前髪が数本抜け落ちた。
「でもこれで良かったんだ……ひもじい思いもしないし、イージスの修理と整備もできる……」
そんなアスランがMSの格納庫に行くと、すでに修理・整備されたイージスの隣に新しい機体が2体並んでいた。
「これは……ジャスティスにセイバーじゃないか!どうして!?」
コックピットに乗り込むと、ジャスティスには『息子へ。誕生日おめでとう』
セイバーには『メリークリスマス』と書いたカードがあった。
「父上……母上との別居生活も長いし、淋しかったんだな……」

「息子が帰ってきた!また新しい機体でも買ってやるか!」

155 名前:影武者裸楠蔵院投稿日:2005/11/16(水) 00:39:25 ID:???
「デュランダル校長!?なんですかこの記事は!?こんな事が続いたらいつかは偽者の存在がバレてしまますよ!?」
理事長のアズラエルがデュランダルを問い詰めた。
「まあまあ落ち着いて。彼女にも困ったものだ」
「これが落ち着いていられますか!このままでは我が学園のイメージが!」
「これで落ち着いてもらえませんか」
そういってデュランダルはラクスのライブチケット(VIP席)を手渡した。
「こんなもの位で落ち着いていられますか」
「ならば仕方がない」
そう言うとデュランダルはラクスのライブチケット(VIP席)の地球圏ツアーの全場所分の束を取り出した。
「今回だけは大目に見ましょう」
アズラエルはあっさり引き下がった。
ギルバート・デュランダル。
学園の校長にして、ラクス・クライン親衛隊No.01。

「という訳で、ミーアさんと会う時はこの格好でお願いしますね」
ttp://www.please-please.jp/one/chara/kara14.html
「いやだ!なんで俺がこんな格好をしなければならないんだ!」
「キラもわたくしと会う時はカガリさんの格好をしていました」
「そうじゃなくて!別におれがミーアと会う理由なんか……」
「ひどい!アスランったら私と会うのがそんなにイヤなの!?晩御飯奢ってあげたのに!」
「借りは返さなくちゃね、アスラン」
アスランの前髪が数本抜け落ちた。


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最終更新:2019年01月24日 15:10