583 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/09/10(月) 13:40:48.75 ID:???
バーニィ「ごめんな、掃除を手伝わせちゃって」
アル「いいよ。それでも来たいって言ったの僕だしさ」
バーニィ「それじゃあ、ジュースを入れてくるからちょっと待ってろよ」
アル「はーい」
はらり
アル「ん?この紙、なんだろう……?」
シュウト「それで、書かれてた事を覚えて帰ってきたの?」
アル「うん。不思議な言葉だったからつい、ね」
シュウト「それで、何て書いてあった?」
アル「ちょっと待ってね、今書くから……」
我らが森の囲い場は
注ぐカクテル喉に受け
学びの鐘は耳を透く
始業の時を逃げ出して
林飛び越えその裏へ
シュウト「よく分からないけど、何かの暗号みたいだね」
アル「うん。お宝のマークが掛かれてたから、間違いないよ」
シュウト「お宝!?」
アル「きっとすごく強いザクがあるに違いないよ!ねえシュウト、明日探してみようよ!」
シュウト「ううん、でもバーニィさんに悪い気がするなあ……」
アル「探してみるだけだから、きっと大丈夫だって!」
584 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/09/10(月) 13:41:48.46 ID:???
翌朝…
シュウト「よーっし、頑張るぞ!」
アル「昨日は乗り気じゃなかったのに今日はやる気だなあ」
シュウト「だって謎を解き明かすなんておもしろそうじゃん!」
アル「それじゃあ、さっそく解いていこう! ……って、見れば見るほど謎だよね」
キャプテン「学びの鐘があるから、学校の近くである事は間違いないのだが……」
シュウト「この森って、学校の近くの森だよね。林を飛び越えて、って書いてもあるしね」
アル「じゃあ……エコールの近く?あそこ、近くに大きな森があったよね」
シュウト「でもカクテルって?」
アル「お酒屋さんかな?でもバーニィ達、未成年だし……」
キャプテン「だが、書いてあるという事は何らかの意味があるという事だ」
アル「とにかく、行ってみよう!」
ででーん
アル「地図だけ見ても広い森だね……ジョギングで1周1時間半だって」
キャプテン「この森を捜索するだけで今日が終わる確率、78.391%」
シュウト「ううん……もう少し考えた方がいいかな……」
シン「お、シンの所の弟じゃないか」
アスナ「ねえねえ、地図持って何してるの?」
アル「今、お宝の暗号を解いてるんだけど、ちょっと分からないんだ」
アスナ「ちょっと見せて。へえ……さっぱり分からない」
エミル「だいたい暗号なんて書いた人たちだけで分かる様に作ってるんだから」
エリシア「そういう事は言わない……私も分からないけど」
シン「なあ、始業の時を逃げ出して林を飛び越え、ってあるんだから、これを書いた人の学校の近くなんじゃないか?」
シュウト「そう言われれば……バーニィさんの行ってた学校って……」
アル「あそこ、だよね!キャプテン、地図出して!」
キャプテン「ああ」
585 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/09/10(月) 13:42:50.07 ID:???
アル「……森、無いね」
シュウト「うん。森どころか飛び越える林も無いね」
シン「そうか……ごめんな」
アスナ「わたし、1つ思ったんだけど」
エリル「何?」
アスナ「授業をサボるのに、わざわざ学校も出るの必要あるかな~って」
エリシア「そう言われてみれば確かにね」
アル「じゃあ、この森って……学校の中!?」
シュウト「行ってみよう!ありがとう、お姉ちゃん!」
エリシア「これくらい別にいいわ。お宝を見つけたら報告してね」
アスナ「なんであんたが偉そうなのよォ~!?」
アル「という訳で到着したよ!」
アスナ「大会で学校が開いてて良かったー」
シュウト「って、なんでアスナお姉ちゃんも一緒なのさ」
アスナ「だってお宝よ!ワクワクするじゃない」
キャプテン「しかし、学校に到着したは良いが……」
アル「森、って言ってもたくさんあるよね」
アスナ「さすがに訓練場は外してもいいけど、それでも多いよね」
シュウト「せめて学校の地図があれば……」
アスナ「じゃーんっ!そう思って、家から持ってきちゃいました!」
アル「なんであるの!?」
アスナ「
学園祭の時の地図が取ってあったの。偉いでしょ?」
アスナ「えーっと、林って表記は全部森でいいわね。林が続いてるところは……」
アル「ここかな?丸い林を道がぐるって囲んでる」
シュウト「でも囲ってたり、授業から逃げるって感じしないよね」
キャプテン「ああ。来客用駐車場の側だからな」
アル「それじゃあここじゃない?ちょっと広いけど、校舎で囲まれてる」
キャプテン「だが、そこは単独の森だ」
シュウト「キャプテン、僕思ったんだけどさ、森と林って最初と最後でしょ。
これは暗号だから、まず森を見つけた方が良いと思うんだ」
キャプテン「!」
アル「とにかく行こう!そうすればきっと、林の意味も見つかるよ!」
586 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/09/10(月) 13:43:30.72 ID:???
シュウト「着いた!」
アル「林って言っても木がそんなになくて、ちょっと広場みたいだね」
シュウト「真ん中は芝生だもんね」
アル「ここならザクも隠せそうだね」
アスナ「ザク!?そんなもの隠してるの?」
アル「たぶんだけど……」
キャプテン「何を隠しているにしても、次の暗号を解かなければ。
『注ぐカクテル喉に受け、学びの鐘は耳を透く』か」
アル「前が大きな場所だったから、次は小さな場所だよね」
キャプテン「文もこの場所で区切る事が出来る。宝探しの起点を示す確率、69.234%」
アル「でも……」
シュウト「後ろはともかく、前半は全然関係無さそうなんだよね……」
アスナ「本当にカクテルを飲むわけでもなさそうだしね……」
キャプテン「耳を透く……通り抜ける、という事だろうか」
キーンコーンカーンコーン♪
アル「わっ、チャイムが鳴った」
アスナ「ここからだと良く聞こえる。方向まで分かっちゃうね」
シュウト「方向?それだ!」
アスナ「?」
シュウト「この耳を透くって、方向を表してるんだよ!だからきっと、チャイムが横になるんだ」
アスナ「じゃあ、だいたいこっちの方って事?」
キャプテン「もっと正確だろう。この地図によればチャイムはこの場所から流れている。
それに対して90度になる方向は……」
シュウト「たくさんあるよ」
キャプテン「……そうだな」
587 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/09/10(月) 13:44:21.87 ID:???
アル「やっぱりこのカクテルを解かないと」
アスナ「近くにバーでもあるのかな?」
キャプテン「いや、それらしいものは見当たらないな」
アスナ「……」
シュウト「アスナお姉ちゃん、倉庫の隙間から何見てるの?」
アスナ「今、うちの野球部が練習試合やってるからちょっとね……」
アル「本当だ。ここからじゃ電気の塔しか見えないけど」
キャプテン「電気の塔……そうか、カクテルの謎が解けたぞ!」
シュウト「本当、キャプテン!?」
キャプテン「ああ。マスターがあの明かりはカクテル光線と言っていた。つまり……」
アル「カクテルって、あの電気の事だね。それを喉に受けるって事は……」
シュウト「真正面って事かな?」
アスナ「ここってちょうど電気の真正面だよ」
キャプテン「なら、間違いないだろう。隙間の延長線上から90度の線上に、チャイムが来る場所……ここだ!」
シュウト「すごい!これであとちょっとだね」
アル「あとは、林を越えてチャイムから逃げれば……」
キャプテン「しかし、この方角は校舎にぶつかってしまう」
アスナ「ちょっと待って、この始業の時って、別の方向を指してるんじゃないかな」
アル「別の方向?」
アスナ「うん。MSに乗ってると、時間を方角で表すの。始業の時だと……何時?」
キャプテン「朝のHRを除けば、授業の開始時刻は9時とデータにある」
アスナ「じゃあ、こっちね」
シュウト「ようやくここまで来たね」
アル「最後に、林飛び越えその裏へ……どこまで?」
アスナ「さあ?こっちの方角って、延々林が続いてるし……」
シュウト「それだけ動いたら、ずれちゃうよね」
キャプテン「ここまで来て行き詰った確率、43.907%」
アル「あとちょっとなのに……」
もうちょっと続きます
589 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/09/10(月) 15:25:36.60 ID:???
√ここまで辿り着いた事は褒めてやろう。だが、やはり最後は無理か。
アスナ「え?誰か何か言った?」
シュウト「ううん、何も言ってないよ?」
√漢字がそのままの意味を成すとは限らないな。
アスナ「また!何か聞こえた」
アル「本当!?」
√林という字は、何から出来ているかな?
アスナ「林って字が何から出来ているか……えっと……」
アル「2本の木?」
シュウト「それだよ!木、木を飛び越えその裏へ!2本目の裏だ!」
アスナ「ところで、掘るものあるの?わたし、持ってくるの忘れちゃった」
アル「ウッソ兄さんからスコップを借りたから大丈夫だよ」
シュウト「もうひと頑張りだね!」
キャプテン「学校の敷地を勝手に掘ってよいのだろうか……」
アスナ「平気平気、いざとなったらわたしが責任取るから」
キャプテン「部外者なのにか?」
アスナ「う……なんとか頼み込むから安心して!」
そして……
カツンッ
アル「何か当たった!」
シュウト「本当だ!アル、丁寧に掘るよ」
アスナ「ちょっとずつ見えてきたね」
キャプテン「どうやら、金属の箱のようだ」
シュウト「何か書いてある。えっと……」
???「お前達は良くやったよ。だが、宝探しはここで終わりにしてもらおうか」
アスナ「え?この声は……」
590 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/09/10(月) 15:26:38.98 ID:???
学校の職員室にて…
アスナ「きれいサッパリ埋め戻しました!」
シュウト「勝手に入って掘ってごめんなさい……」
ハマーン「何、最後に助言したのも私だ。これで懲りてくれれば良い」
アスナ「やっぱりあの声は、ハマーンさんのだったんですね」
ハマーン「ああ。少し、懐かしい思い出に浸らせてもらった。
大方、コウかバーニィの部屋で暗号を見つけたのだろう?」
アル「あはは、大当たり……あの箱って、何が入ってたんですか?」
ハマーン「今19歳の奴らが卒業した時に埋めたタイムカプセルさ。
成人式の日に来て、開けると言っていたな」
アスナ「なんだかロマンチックですね」
ハマーン「そんな上品なものじゃないさ。なにせ問題児ばかりを集めて、私に押し付けたクラスだったからな。
だが、私も含め結束はどこよりも強かった」
アスナ「そういえば、魔の○○年組って聞いた事あるかも……」
シュウト「ねえ、何を埋めたんですか?僕達も……埋めるかもしれないし」
ハマーン「色々さ。クラスTシャツに塗った
ガンプラや、どこで手に入れたか生まれ年の酒を埋めた奴もいたな」
アル「ふうん……」
ハマーン「そうだ、1つ教えてやろう。暗号に始業の時を逃げ出して、という言葉があるだろう?」
シュウト「うん」
ハマーン「あれを逆に辿り、ぶつかった校舎の壁を登った2つ目……2階の窓の正面が、あいつらのいた教室だよ
あいつらはあの広場で遊び、そしてあの窓から逃げていたのさ」
アル「いい話だったね」
シュウト「うん。ハマーンさんも、話してるときなんか楽しそうだった」
アスナ「私もエコールに何か埋めちゃおっかなー」
アル「うん、絶対したほうがいいよ!」
アスナ「それにしても疲れた~。こういう時はウニアイスよね、お姉ちゃん奢っちゃうよ!」
シュウト・アル「「え~!?普通のでいいよ~!!」」
終わり
最終更新:2015年10月31日 23:09