962 名前:花が告げる01 :2012/10/28(日) 05:06:05.51 ID:???
突発誕生花ネタ。




キラ「キンモクセイ、ムラサキシキブ、ビオラ………」
コウ「………何ぶつぶつ言ってるんだ?」
 休日の昼下がり。特に出かける用事も無くふらついていたコウの耳にキラの一人言が入ってきた。当のキラは愛用のノートPCでなにやら熱心に調べ物の様子。
キラ「ああいや。ほら、来月ってアムロ兄さんとロラン兄さんとカミーユ兄さん、3人も誕生日でしょ?」
コウ「ああ、そういえばもうそんな時期か」
 11月は兄弟から3人も誕生日の人間が出る。それもほとんど日を開けずに続くので、この時期になると気付いた者から準備が始まるのだ。
 だが、一つ分からない。毎年恒例のこの時期に、何故花の名前など?まさか花束を贈るわけでもあるまい。
キラ「で、この間テレビで『誕生花特集』てやっててさ。それを思い出したら、みんなの誕生花ってどんなものかなっと」
 なるほど。誕生花か。
 誕生花は1日に複数の草花が該当し、その一つ一つにまた花言葉が存在する。まあ一種の占いに近い感覚ではあるが、信じる信じ無いを別にして、調べるだけでも割と楽しかったりするものだ。
 確かに、こういうものは何かきっかけでもないと知らないものだ。コウも割と興味が沸き出るのを感じ、コーヒー片手にキラの隣に腰掛ける。
キラ「じゃあ、いくつもあるから適当に一つずつピックアップしていこうか。まずは11月2日。ロラン兄さんだね」
 キラがマウスを操作すると、画面上に花の画像が表示される。
キラ「『キンモクセイ』。花言葉は、『謙遜』『変わらぬ魅力』………謙遜はまあ、いいや。ロラン兄さんらしいし。けど………」
コウ「………どっかの変態共が聞いたらどう思うかね」
 彼らには確かにそうなんだろう。だからこそ、変態駆除の日常は変わらないのだから。
キラ「………まあ次に行こうか。アムロ兄さん。これは『ムラサキシキブ』だね」
コウ「あ?それって人名じゃないのか?」
キラ「花の名前でもあるんだよ。ほら」
 花というより実という感じだが、なるほど確かに植物の名前らしい。コウは一つ学んだ気分になった。
キラ「で、花言葉だけど………ごめん、見なかったことにしていいかな?」
コウ「すまん。俺も見てしまった」
 そこに表示されていた花言葉。それは、二人の呼吸を一瞬止めるものだった。
コウ「………『愛され上手』」
キラ「割と砂上の楼閣とはいえ………その楼閣を創り上げたって時点で、確かにそうなのかもね………ちなみに4日はオンシジウムって花もあって、こっちの花言葉は『野生的な愛』だって」
コウ「あのケダモノめ!」
 この日、アムロは何故か止まらないクシャミに悩まされたという。


963 名前:花が告げる02 :2012/10/28(日) 05:06:51.28 ID:???
キラ「あー、なんだか知るのが怖くなってきたけど、次。11日………これはカミーユ兄さんだね」
コウ「『ビオラ』、か。割とポピュラーな花が来たな」
キラ「そうだry !?」
 キラの右手が煌めき、そのマウスカーソルはPCの反応速度の限界を以てブラウザを閉じる。コウはその動作に反応することすら許されなかった。
コウ「な、なんだ。何があった」
キラ「………花言葉を一切合財信じられなくなるから、やめた方がいいよ」
コウ「大丈夫だ、もうこの時点で信じられなくなってるから!いいから見せてくれ!このままじゃ気になってどうしようもないんだよ!」
 自分で調べればいいのでは、と言葉を飲み込み、どうせならとその花言葉を自分の手で開示してやろうとキラのマウスが走る。
コウ「お、出た………………………うん、花言葉なんて、所詮そんなもんだよな」
キラ「現実逃避か、いい判断だよコウ兄さん」
 そこに記されていた花言葉。それは、
      『  誠 実 な 愛  』
キラ「よりにもよって、ヒューマン型全自動不誠実恋愛実行機のカミーユ兄さんにこれって。最早救いが無いね」
コウ「ほ、他のものでも見るか!そうだ、確かシャアさんが来月7日だ!早く見てみてくれ!」
キラ「えー………まあいいよ。あんまりSAN値減らして後で面倒にならないでよ?」
 表示された11月7日の誕生花。それはまたもや有名な花、『マリーゴールド』。
キラ「………」
コウ「………」
 最早突っ込みづらい空気に変わりつつあった。
キラ「『悲しみ』『嫉妬』『変わらぬ愛』………」
コウ「………今までとは別の意味で笑えねー………」
 と、空気が淀んで息が詰まりそうな時、
コウ「そういえば。俺達ってどうなんだ?」
キラ「そういえば、ここまできて自分たちのを調べて無かったね。いいよ、もう自棄だ。やってみるさ」
 キラが最初に選択したのは、5月18日。そう、キラ自身の誕生日だ。
 同時に某チリソース姫の誕生日でもあるのだが、まあそこは割愛しておこう。
キラ「『バイカウツギ』。花言葉は『気品』『品格』………いやー、実は花言葉って当たるものだね。こう、あふれ出る何かが………って、あ!」
 ドヤ顔で七めんどくさい事をのたまい出した弟を無視し、コウはカーソルを移動させる。そこには5月18日、そのまた別の花が存在した。
キラ「ちょ、やめ………」
 カチッ
コウ「………『苧環(オダマキ)』。花言葉は『不義』、だとよ」
キラ「………」


964 名前:花が告げる03 :2012/10/28(日) 05:07:17.10 ID:???
コウ「ちなみに白の苧環には、『あの方が気がかり』というry」
キラ「次!次ぃ!さ、コウ兄さんの番だよ!」
 今聞いたその全てを忘却の彼方に消し飛ばすためだろう。無駄にSEED割ってまでコウの言葉を制止し、コウの誕生日である2月1日を選択した。
(※注・コウの誕生日が不明だったため、本項では中の人の誕生日を流用してます。分かる方は脳内補完お願いします)
キラ「花は『マーガレット』。花言葉は………あ」
コウ「あ」
キラ「………『恋を占う』。そういえば、最近シーマさんとかニナさんry」
コウ「ささ。次に行こうか。お次はシンなんてどうだい?刹那なんかも気になるなぁ」
 現実逃避通り越して現実否定をおっぱじめた。まあ、流石にこれはコウにとっては酷だったかもしれない。
 気を取り直して、効率を上げるために2窓で検索を開始。この検索速度も引きこもりプログラマのなせる業か。
キラ「シンが9月1日。花は『ムラサキツユクサ』で『優秀』『淋しい思い出』………」
コウ「刹那が『アジアンタム』、『無垢』『繊細』………」

その後の結果(抜粋)
ジュドー 10月10日 『メロンの花』 『飽食』『潤沢』
グラハム 9月10日  『セイヨウカリン』 『優雅』『誘惑』
コーラ   1月1日   『チューリップ(白)』 『思い出の恋』『失恋』

コウ「………所詮、迷信だよな」
キラ「人型の機動兵器が街中でドンパチやってるこのご時世、占いなんてナンセンスだよね」
 眼が死んでいた。二人とも、眼からハイライトが消え去っていた。
 唯一、ジュドーの10月10日の欄に『マツタケ』という項目を見つけた時に腹筋を爆笑によって鍛えたが、それ以外がこのざまでは………その他も散々なものだったのだ。
コウ「ところでキラ。アスラン君って明日誕生日じゃなかったか?」
キラ「ああ、そういえば………もう食傷気味もいいとこだけど、あいつで〆ようか」
 最後の標的であるアスラン・ザラ。彼の誕生日は10月29日、そう翌日なのだ。
 最後の最後、鬼が出るか蛇が出るか。むしろ鬼が出るか鬼が出るか。そんな気分で、項目を開く………と。

『月下美人』
『儚い美』

キラ「………今にも消えそうだもんね」
コウ「強く、生きてほしいものだな………」

 二人の言葉は。覚めたコーヒーと共に喉の奥に流し込まれた。
 アスランの運命が決まるまで、あと24時間ちょっと。





突発流れぶったすみませぬ。何かやってみたくなったこのネタ。
ちなみにジュドーの「マツタケ」で爆笑したのは私。
花言葉や誕生花は多数のサイトをもとにしました。誕生日不明多すぎだお(´・ω・`)


965 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/10/28(日) 05:40:43.01 ID:???
じゃあ便乗して
ドモン、7月24日誕生花 
ストック:愛の絆・永遠の美・逆境の忠節
スイレン:純潔・清浄・甘美・信仰
延齢草:英知・奥ゆかしい心
オオマツヨイグサ;ほのかな恋・秘めた情熱

調べた奴全部書いてみたけど、当てはまってるようなそうでもないような…

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最終更新:2015年11月13日 18:41