337 名前:アホ毛は見た!! ① :2012/11/07(水) 03:47:58.35 ID:???
ギリ「さて、と。これで片づけは終わったな」
店内の、特に厨房の片づけを終えたギリ。今日はそこそこ人が入ったのもあって、流石に疲労の色が顔に浮き出ていた。
ギリ「あとは、あいつらだけ………」
アホ毛「ちょ!?ネーナ!!どうしたの!?」
ネーナ「ふにゃ~~~………」
ギリ「………」
何と香ばしいトラブルの香りか。思わず頭を抱えてしまうほどに。
先日も店にヅダがドワォしたばかりだというのに、本当にこの街ではトラブルという物が尽きない。こんな店内一つでも毎日のように
こんなことが起きるのだから。
ギリ「おい、なにがあった」
ルナ「あ、ちょっと!!ネーナがこのお菓子食べたら溶けちゃって………」
床に倒れ、ルナにゆすられているネーナの表情は、なるほど確かに溶けている。真っ赤で、目は焦点が合ってない。
ギリ「………………」
ルナ「ちょっと、女の子の顔をこれでもかってくらいガン見しながら顔赤くして「か、かわいい………」とか考えてないで、手伝ってよ!!」
ギリ「なんだよその細過ぎる解説!!!ってか、なにやったんだよ」
ルナ「マリナさんから貰った余りもののゼリー食べたら、こんなになっちゃって………」
その時、ギリの脳裏に浮かんだのはあるゼリーのイメージ。そう、あれは………
ギリ「………まさか!!ジェロ・ショットを食ったのか!?」
ルナ「じぇろしょっと?何それどっかの新兵器?」
ギリ「ウォッカ入りのゼリーのことだよ!!しかもこれ全部喰ったなら………やっべえ、ショットグラス7杯分………」
ルナ「んなぁ!?何でそんなもの作ってあったのよ!!」
ギリ「アルゴさんとかネオ・ロシアの人たちが買ってくんだよ!!つーか、大丈夫かおい?しっかりしろ!」
ネーナの肩を掴んで揺するも、その目の焦点は一向に元に戻らない。ギリとしてはもう頭を抱えたい気分だ。
あのゼリーはしっかり店の影に分けておいたはず。なら、マリナが間違えて出してしまったのだろう。一般客に出すような代物じゃない。それこそ買う人ぞ買う、というものなのだ。
ギリ「おい、水!水を………一番でかいグラスで!!」
ルナ「は、はいはい!!お待ち!」
厨房に駆けだしていくルナ。ギリは大きくため息をつきながらも、ひとまずネーナの肩を抱えて立ち上がらせる。このまま床に転がしておくわけにもいくまい、ひとまず椅子へ運ぶことにした。
338 名前:アホ毛は見た!! ② :2012/11/07(水) 03:49:27.18 ID:???
ギリ「ほら、自分で歩けるか?」
ネーナ「………………」
その時。
ギリは、確かに見た。彼女の、ネーナの瞳がこちらに向いたのを。
ギリ「聞こえてるか?おい、ネー………」
そして、
ネーナ「………………………ギリ、だぁ………(ボソッ」
刻は遅かった。
ルナ「お待たせ、水を………ほぎゃぁ!?/////」
面妖な悲鳴をあげてしまったルナマリア………もといアホ毛。次に響くのは、床に落下して無残に破壊されたグラスの断末魔と飛び散る水の音。
だが、そんなものは最早アホ毛の目には入っていない。
彼女はこの光景を忘れないだろう。というか、忘れられる人間などおるまいて。
ギリ「~~~~~~~~~~~!!!!???」
ネーナ「ん~~~~~………………」
テーブルに背中を
押しつけられ、なす術もないコックが、
うっすらと開いた目から正気を感じない少女に、
唇を貪られている光景など。
ギリ「くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」//////////////////////!!!!!????」
ネーナ「ん~~~~~………………………………」
翌朝。
ネーナ「うああぁぁあぁぁあああぁぁぁ………頭痛い………」
ルナ「………あ、あはは。な、なに?風邪かにゃ?」
ネーナ「なんでそんなキョドッてるのよ………あたたた。ねー、昨日何があったっけ。風邪じゃないと思うんだけど、昨日バイト終わってから倒れたんだよね?あたし。なんか、記憶が………」
ルナ「大丈夫!!疲れてただけ!!疲れてただけで何も無いから!!ほんと!!うん、ほんと何も
無い!!」
ネーナ「そ、そう………?」
昨日の彼女に匹敵するほど顔を朱に染め、事態の全てを否定するアホ毛。
その真実は決して告げてはならない。彼女の本能は脳幹がヒートエンドするまで、常時トランザムレベルで警告していた。
ルナ(こ、こんな火種………面白半分で話せるものじゃないよぉ!!ていうか、最重要機密でこのまま墓まで持って行くしか………!!!)
酒の勢いでトランザムして書いた15分クオリティ。反省も後悔もしている。犯意は無かった。書き逃げして自爆してくる。
最終更新:2015年11月18日 20:28