「ふんふふーん♪」
学校の屋上でシンは弁当箱を開けながら鼻歌を歌っていた。
その顔は凄く晴れやかで、嬉しそうである。
「ふう、結構時間が掛かったけどついに完成したぜ。」
そう言いながら懐から小型のペットボトルを取り出した。
それは彼が研究に研究を重ねて完成させた強力な媚薬だった。
「ふふふ･･･こいつを飲んだらどんな奴でも目の前の人に惚れ、欲情してしまうんだよな。
シャアとかグエンとかアスランとかに実験で飲ませ、シャアは体調不良、グエンは何故か全裸でロラン兄さんを
追いかけ始め、アスランは女難になるという失敗の連続・・・だが俺は諦めなかった。」
シンはペットボトルと弁当を横に置いて立ち上がり、空を見上げた。
今日は雲一つ無く、青い空が広がっていた。
「マユと添い遂げる･･･俺はこの為にここまで頑張ってきたんだ。
シローにいさーーーーん、俺は今日こそ生きてマユと添い遂げるよぉーーーーーーーーーーー！！！！！」
シンは空に向かって大声で叫んだ。
それは亡き兄に向かって自分の夢を伝えるかのようだった。（俺はまだ死んでない！！ｂｙシロー・アマダ）
「さて、放課後が楽しみだ･･･ってあれ？」
シンが座って弁当を食べようとした時、彼はある異変に気づいた･･･弁当の隣に置いていたペットボトルが無くなっているのだ。
「ない！！俺のペットボトルが
無い！！！」
「あ、ごめーん、飲んじゃった。」
そう言ってると隣から声が聞こえた。
シンが横を見ると、ルナマリアが座っていた･････空のペットボトルを持って。
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー！！！！！！！！！！！」
「ちょ、ちょっと五月蠅いわよ、たかがこんだけのジュースくらいで。」
「そんなんじゃない、俺の汗と涙の結晶が･･･いや、それより何でルナがここにいるんだよ！？」
「え、それは偶には屋上でご飯食べたいなって思ったからよ。
シンが急に叫んだから喉に詰まっちゃって、飲み物持ってなかったから
あんたのジュースを貰ったってわけ・・・ってどうしたの？」
ルナマリアが説明を終えてシンを見ると、シンは地面に手をついて「俺の夢が････。」とかぶつぶつ言っていた。
可笑しいなとルナマリアが思った時、彼女に変化が起こった。
96 名前：シンルナ？な一日投稿日：2006/05/05(金) 14:16:35 ID:qNh0YjtA「ああ、俺の夢が･･･汗と涙の結晶が･･･ルナに飲まれ･･････ルナに飲まれた！？」
挫折感に襲われていたシンはふと我に戻った。
ルナが飲んだペットボトル･･･その中に入っていたのは何だ？
自分が作った媚薬ではないか。
「る、ルナ！？」
シンが慌ててルナマリアの方を見ると、彼女はとろんとした目でシンを見ていた。
「何か･･･今日のシンって凄くかっこいいわね。」
「や、やばい、薬が効き始めてる････って何してんだよ！？」
シンの目の前ではルナマリアが制服の上着を脱ぎ、リボンとボタンをはずしながら近づいてきた。
シンは逃げようとしたが、その前に押さえつけられてしまう。
「ねえシン、今から良い事しない？」
「え････良い事って何をするんでしょうか？」
「うふふ･･････いっただっきまーーーす♪」
「あっ、駄目だルナ、こんな所で････うああっ！？」
そしてシンは抵抗空しく、ルナマリアに食べられてしまった。
「みんなー、ご飯が出来ましたよーー。」
その夜、
ガンダム一家の食卓にロランの料理が並んだ・・・今日は和食である。
そして食事を始める一家だが、シンだけはご飯と箸を持ったままぼーっとしているだけだった。
「ん、シン、どうしたんだ？」
アムロがシンに声を掛けるが、「ああ･･･。」と返事を返しただけだった。
「おい、今日のシンは何かいつもと違うが何かあったのか？」
「さあ、帰ってきた時からこうでしたけど・・・キラは何か知らない？」
「そう言えば今日の授業午後からシンは出てこなかったらしいんだ･･･聞いても上の空で全然解らないし。」
ロランの質問にキラがそう答えていると、ガロードとジュドーがシンのおかずの唐揚げを取った。
「おい、ジュドー、ガロード、シンの分を勝手に食うんじゃない！！」
「だって、俺達が唐揚げ取って良いかって聞いたら良いって言ったんだよ、なあ兄貴？」
「ああ･･･。」
ジュドーの言葉にシンはそう答えると、ご飯を食べようとして箸を頬にさしていた。
「一体何があったんでしょうか？」
「さあな。」
アムロとロランはシンを見ながら話すが、答えは全く出てこなかった。
「（ルナの感触････結構良かったなぁ･････。）」
あの時の事を思い出しているうちに、兄弟達におかずを全部取られるシンであった。
「おーい、誰かお茶とってくれないか？」
終わり
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最終更新：2019年02月25日 18:34
