414 名前:赤い亡霊 1話 1/2 :2013/05/20(月) 00:24:11.94 ID:???
久しぶりに兄弟スレ来たついでに考えてたネタ投下
長くなりそう+遅筆なためにおそらく小刻み投下

――コックピットの画面越しから伝わる威圧感で汗が頬を流れる。
目の前に映るのはかつて戦い続けたライバルの機体、戦い方は熟知している。
一つだけ違うのはあのガンダムは――私の愛機のように赤いことだった。

少し前――日登町の学校ではある噂が流れていた。
ガロード「なあ、最近赤いガンダムが夜中に町を歩くって噂知ってるか?」
ジュドー「赤いガンダム?別に赤いガンダムタイプなんて珍しくもないじゃん」
イーノ「あっ、それって赤いRX-78-2ってやつ?」
モンド「マジで!?そいつが本当ならレア物ってレベルじゃねえぞ」
パーラ「なんで?ふつーにレプリカって可能性もあるじゃん」
シンゴ「いや、あのアムロさんがかつて駆ったガンダムはな、違うんだぜ」
エル「軍ですらレプリカ生産を許さず、機密情報が多すぎて作れないんだって」
ビーチャ「昔半分だけ真似したタイプがあったって噂もあったよな」
ガロード「ハーフガンダムねえ……それはともかく捕まえたくねえか?」
ジュドー「なるほどな、本物か偽物かはともかく金になるな」
パーラ「ってそれじゃ泥棒じゃないか」
ガロード「大丈夫、だってそのガンダムは――」

噂になった赤いガンダム、人々の間ではこんな噂まで流れていた。
あのガンダムには人間は乗っていないと。

その夜、ガロードとジュドーはそれぞれの愛機に乗って噂の現場に待機していた。
ガロード「しっかし皆ノリが悪いよな」
ジュドー「まあな、捕まえたら祟られるなんて笑っちまうよ」
パイロットがいないのに的確な射撃でMSを落とす。近づけば切り落とされる。
いわく見えない死角にいても落とされた。逃げたはずが次の日から呪われた。
よくある類の呪い話を話していくうちにジュドー以外の皆は来なくなったのだ。
ガロード「まあそのぶん俺らの取り分が増えるからいいけどさ」
ジュドー「そうだな。ところでそっちは来たか?」
ガロード「いや、来ない。センサーにも反応なしだ」
ジュドー「ガセネタだったんじゃねえの?」
既に日付は変わり、深夜2時頃である。周囲は暗く、物音一つ聞こえない。
しかし、そんな状況をあるアラートが壊すことになる。
ガロード「アラート!?これは……」
ジュドー「ミノフスキー粒子濃度が警戒レベル!?」
2機の通信が直接接続しなければ困難なレベルにまで突然陥る。
そしてお互いが壁を背に構えた瞬間、頭上から何かが静かに、素早く着地した。
それは全身を赤く染めた以外は変わりのないRX-78-2だった。

415 名前:赤い亡霊 1話 2/2 :2013/05/20(月) 00:26:15.51 ID:???
着地した瞬間、ガンダムはZZとDXに向かって頭部のバルカンをばらまく。
即座に反応した2機はばらばらに散開し、反撃を開始する。
2機から放たれたビームライフルの閃光は寸分違わずガンダムのいた場所を貫いた。
しかしガンダムは予めそこに来るのがわかっていたかのように少しだけ動いて回避する。
ガロード「まるで俺達の狙いが見えているみたいだな」
ランダム性も加えて多少の回避では避けられない射撃もなんなく回避される。
ジュドー「少しでも隙を見せたら撃たれる!」
ガロードとの連携で背後を取り、切り掛かろうとした瞬間ライフルだけを後ろに向けて発砲する。
咄嗟にニュータイプの勘で回避できなければ早くもリタイアしていただろう。
そんなこんなでまともにレーダーや通信もできないまま2人はガンダム1機に苦戦していた。

膠着状態で10分交戦し、互いに疲れが見えはじめる。そこをガンダムは見逃さない。
人間は未知の兵器を見ると一瞬反応が遅れると言う。
ガンダムは引き抜いたサーベルを伸ばし、前方で迎撃しようとサーベルを構えたDXに投げ付けた。
ガロード「へ!?ジャベリン!?」
咄嗟の反応、僅かにコンマ数秒の世界。その差が回避失敗になる。
ジャベリンを跳んでかわしたDXにガンダムは左手にマウントしたライフルで発砲する。
跳んでしまったことで機動変更が遅れ、DXは回避できずにビームを喰らう。
的確にコックピット付近を狙ったその射撃は。DXを行動不能にするには充分だった。

翌日、ガロードのクラスでは赤いガンダムの噂が広まっていた。
それはクラスでは飽きたらず、学年、学校と広まり始める。
そして無謀な挑戦者達が我こそはと深夜に待ち構え、翌日無惨なMSと共に発見される。
警察が調査に乗り出すのは時間の問題だった。

ガロード「しっかし悔しいぜ」
ジュドー「あんな迷いもなくコックピット狙うとはなー」
ガロード「機体は無事でも負けた気分になるよな、ちくしょう」

コックピットへの直撃を受けたDXではあるが、持ち前の強固な装甲で中は無事だった。
しかし直撃したガロード、見ていたジュドーに生じた隙を逃さずにガンダムは離脱していた。
追撃しようにもレーダーやセンサーは使えず、相手の無事を優先した2人は追わなかった。
ガンダム兄弟を手玉に取るガンダム、これも無謀な挑戦者を増やす要因だった――

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最終更新:2016年01月10日 10:57