ガンダム家の前に一台のMSトレーラーが停まる。
中からツナギ(特攻服?)を着た女性が下りる、シーマである。
インターホンを押すと中から返事とともにドアが開いた。
ロラン「はぁーい、どなた様ですか?」
シーマ「あらロランちゃんかい、コウは居るかね?」
ロラン「コウ兄さんなら、赤毛のキルヒアイスさんと遊びに行きましたよ」
シーマ「あたしの知らない子だねぇ、まぁいいや中で待たしてもらうよ」
そのまま勝手に家に入り、居間の大きなちゃぶ台の上座(アムロの席)に座る。
ロランがお茶を出し自分の席に座り二人で茶をすする、むろん正座である。
ロラン「シーマさん、何で今日はトレーラーなんですか」
シーマ「そこのや〇ざに密売したMSの搬入さね、その帰りに寄ったんだよ」
ロラン「真っ昼間に密売ですか…、それもシーマグループ・ガラハウ商事の社長みずから…」
時間が静かに過ぎる。
シーマ「ロランちゃん、掃除でもしてたのかい?暇だし何なら手伝うよ」
ロラン「そんな!お客様にお手伝いなんて申し訳ありません。大丈夫です」
二人で静かにお茶をすする。
ロラン「あの、一つ頼んでもいいですか?」
シーマ「何だい、何でも言ってみな」
ロラン「食材が無いのでお買物に行きたいのですが、留守番お願い出来ますか。」
シーマ「留守番かい、お安い御用さね、ゆっくりいっといで、何なら外のトレーラー使いな」
ロラン「いえいいです乗れませんから、とにかくお願いします」
ロランは支度をし買い物に出かける。
シーマ「…さて、始めようかい」
シーマが立ち上がる。
つづく


680 名前:シーマ来襲 2投稿日:2006/07/11(火) 13:13:53 ID:???
三時間ほど過ぎ、ロランは慌てて家に帰ってきた。
ロラン「遅くなってすみませんシーマさん」
玄関に入ったロランはある事に気が付いた、家の中が異常に綺麗な事に。
家中を駆け回り各部屋を確認する。
ロラン「完璧だ!まるでプロの仕事だ」
ちなみにコウの部屋のガンプラコレクションは、さりげなくガーベラテトラが前に置かれていた。
居間に戻るとそこにはアムロ専用三角巾にかっぽう着姿のシーマがアルに勉強を教えていた。
ロラン「勉強見てくれてるんですか、ありがとうございます。あとハウスクリーニング頼んでくれたんですか?」
シーマ「教員免許持ってるからねぇ、アルの勉強くらいどうってことないさね。それにこの家くらいならうちの猛者どもの寮に比べたら体した事ないよ」
ロラン「そ、そうですか…、あ、食材冷蔵庫に入れなきゃ」
ロランは呆気にとられながら台所に行く。
そこにはテーブル一杯にラップを掛けられたオカズの数々が並べられていた。
つづく
とゆうか、つづけていい?


681 名前:シーマ来襲 3投稿日:2006/07/11(火) 13:54:28 ID:???
ロラン「この料理はいったいどうしたんですか?」
すると、シーマが居間から来て、少し得意げに話す。
シーマ「食材買いに行くって言ったから、冷蔵庫の中の物使って良いかと思ってね、夕食作っておいたよ、後で温めな」
ロラン「す、すごい、冷蔵庫の残り物でこんなご馳走作ってしまうなんて」
シーマ「べつに、調理師免許持ってるし、うちの猛者どものに栄養つけて働いてもらわなきゃならないから、それ考えたら大したことないさね」
その頃から、アムロを始め一家の腹減り坊主達が帰ってくる。
アムロ「ただいま、…何だ、シーマ来てたのか、それに今日はご馳走だな」
アムロの問いにロランが今日の事を話す。
アムロ「そうか、そんな事が、ありがとう礼を言うよシーマ」
シーマ「コウの為なら何でもないさね」
そんな中、慌ただしくキラがカミーユを抱え居間に入ってきた。
キラカミーユ兄さんが大変だ!」
つづく


686 名前:シーマ来襲 4投稿日:2006/07/11(火) 15:53:58 ID:???
居間にカミーユが寝かせられる。みると腹部が切られ腸が少しはみ出ていた。重傷である。
アムロ「いったい何があったんだ!」
キラ「カミーユ兄さんが町を歩いてたら、ファさんとフォウさんとロザミアさんがばったり出くわして乱闘になったんです!」
ウッソ「ガメラ対ゴジラ対モスラ…」
キラ「そしたら、たまたま通り掛かったエマ先生とレコアさんとハマーン先生がとばっちり食らって参戦…」
アル「妖怪大戦争!」
アムロ「とにかくカミーユを何とかしないと」
そんな時、台所からシーマが出てくる。
シーマ「何だいさっきから騒々しい、あらお兄さん男らしくなっちゃってぇ、早くしないと死んじゃうねぇ」
と、カミーユのはみ出た物をプニプニしている。
アムロ「と、とにかく救急車だ!」
アムロもさすがに慌てていた。
シーマ「そんなん待ってちゃ死んじまうよ!仕方ないさねぇ、アルそこのバック取っとくれ」
アル「はい、おばちゃん!」アルからバックをもらい、お礼のどづきをかます。
頭を抱えうずくまるアル
バックの中から裁縫セットを取り出し、
シーマ「女のたしなみ」(ハアト)
裁縫セットを開けると中には簡易手術セットが入っている。
シーマ「始めるよ!要るもの言うから集めてきな」
テキパキ指示を出すとセットがアンプルを出して痛みで騒ぐカミーユにモルヒネを打つ。
シーマ「その位の怪我でギャアギャア騒ぐんじゃないよ!男だろ、ちんちん切っちまうよ!」
シーマは言いながら手早くキズを縫い合わせる。
すべての手術が終わるのに15分とかからなかった。
シーマ「はい、終わったよ。後であたしんとこの病院に連れてきな」
一同ホッとする中、一人納得のいかない物がいた。」シロー「弟の事は礼を言います。でも警察官として医者でもない者がモルヒネを持っていることは見過ごすことは出来ない」
シーマ「おや、あんたこの前うちの関連会社のガサ入れで来ていたお兄さんかい?あん時は世話になったねぇ」
髪を掻き上げながらバックからプレートを取り出しつづける。
シーマ「それに、医師なら問題ないんだろぅ、これ聖リリーマルレーン病院の医師証。うちの猛者どもがよく怪我をするから病院代もばかにならなくてねぇ病院を買収した時にちょっとね」

689 名前:シーマ来襲 5投稿日:2006/07/11(火) 17:03:57 ID:???
勝ち誇るシーマと、そのシーマの逮捕が目標のシローはうなだれていた。
そんな時、コウが帰ってくる。
コウ「ただいまぁ、あれ、シーマさん来てたの?」
シーマがコウの腕に抱きつく。
シーマ「女を待たせるなんて、男になったねぇ」
コウ「ち、ちょっとシーマさん、今日はちょっと…」
問答無用で玄関へ引っ張るシーマ。
玄関先で振り返り一家一同に挨拶をして一言。
シーマ「あっそうだ、あんたたちコウの兄弟だしねぇ、もし法的に困ったことが有ったらあたしんとこに来な、殺人でも無罪にしてやるよ」
言いつつ、シーマの四次元バックから弁護士バッチを出し見せる。」
すでに一同は何も言えなかった。そして外へコウを連れ出すシーマ。
コウ「今日は1/700・ウォーターラインシリーズのブリュンヒルトを作るんだぁぁぁ!放してぇぇぇぇ!!!」
シーマ「今夜は寝かさないよ!」
コウを放り込み、トレーラーが去っていく。
茫然と見守る一同。
アル「もしかして、シーマおねいちゃんって最強?」
うなずく一同。
だが一人、シーマが去っていった方を見続け、拳を堅く握る者がいた。
アムロ(…僕は、あの人に勝ちたい)
そう思いながら、拳で壁を叩くのであった。

おわり



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最終更新:2019年03月05日 13:16