ガンダム一家が全員集まるだんらんの一時、それは食事のときである。
この時ばかりは同じ目標にむかい兄弟皆協力している。
盛り付けをする者、食器を並べる者、飲み物を用意する者、摘み食いをする者…。
そんななかシローの携帯電話が着信を知らせた。
周りの兄弟達に〔すまない〕と意思表示をし電話に出る。
「もしもし、コジマ署長!、はい、〇日に○○金融に、はい、いよいよシーマを、はい、よろしくお願いします」
シローが電話をかけている横で、コウが電話をかける。
「あ、シーマさん?○○金融ってシーマさんとこじゃないですか?〇日にシロー兄さんが行くみたいですよ、はい、それじゃあ」
一方、シーマもコウからの電話を切り、直ぐに電話をかける。
シーマ「もしもし、警視総監久しぶりだねぇ~、ちょっと頼みたい事があってね、お礼ははずむよ…」
食事中のガンダム一家、しばらくしてシローの電話が鳴る。
「はい、コジマ署長、え、ガサ入れ中止!、総監から!!、どう言う事ですか?、そんな!、わかりました…」
悔しそうに電話を切るシローの横でコウが話をしている。
「シーマさん?、何か解らないけど、シロー兄さん中止になったみたいですよ、はい、それじゃあ」
一方シーマも、
「そ~か~ん、ありがとねぇ、あんたの愛人の口座に片手振込んどいたから、また頼むよ」
食事も終わり、おもいおもいの時間を過ごしていると、またシローの電話が鳴る。
「コジマ署長今度は何か、はい、○×議員がそのような情報を、協力していただけると、これでシーマを…、はい、分かりました」
先程とうってかわって明るい表情のシローの横で、またコウが電話を取る。
「シーマさんですか、度々どうも、何か今度は○×議員って人がシーマさんを、はい、よくは解らないけど…、はい、それじゃあ」
またまたシーマはどこぞに電話をかける。
「××総理かい、ここんとこご無沙汰だねぇ、ちょっと頼みを聞いてほしんだけどね…嫌とは言わせないよ!その代わり政治献金って形でお礼ははずむよ…」
後日、シローは○×議員に手錠をかける羽目になり、シーマ逮捕の夢は潰えたのである。
署のデスクを叩きながらシローは叫ぶ。
「なぜ、シーマの尻尾すら掴む事が出来ないんだ!!」
おわり
最終更新:2019年03月05日 14:07