870の後、ため息をつきながら、コウは川沿いの土手を歩いていた。
ふと立ち止まり空を見上げる、青くとても高い所に雲がある気持ちの良い空。
そして足元を見てまた深いため息を吐く。
成績表を燃やされた事もショックだが、アムロに何だか見離された感じを受けたのがまたショックだった。
悩んでいるうちにまた一つの事に気が付く、近ごろ自分をかばってくれる兄弟がいない事に。
コウ「なんでだろう…」
土手に座り深く考える。
ガンダムしか頭にない彼が人生について考える事は初めてではないだろうか。
コウ「やっぱり成績を上げないと」
その対策のため、今までを振り返ってみる。
…授業中は
ガンダムのデッサンをし、実習中は出力計算
…授業が終われば
キースと遊び、休みの日は赤毛の旧友と出かけ
…家に帰ればアルと模型を作り、夜になるとシーマにさらわれる
コウ「…何がいけないんだろう」
そしてまた深く考える。
キュピーーン
そんな時、OTのコウにNT的な閃きが起きる。
コウ「そうだ、シーマさん頭良いから勉強を教えてもらおう」
…所詮この程度である。
そして流される人間とは、得てして物事考えず短絡的に行動するものである。
電話をとり、シーマに連絡を入れる。
コウ「もしもしシーマさん?今いいですか?」
シーマ「なんだい、今小麦粉の取引中でねぇ、終わったら行こうじゃないかい、それに少しお裾分けしてやるさね」
コウ「…いえ、まだ人間やめたくないんでいいです。とにかく待ってます」
電話を切り、ボーッと川を眺めていた。
しばらくして、シーマが現われる。
シーマ「どうしたんだい、しけた顔してさ」
尋ねるシーマに事情を話す。
話ながらコウはふと思う
コウ(こんな事話したらシーマさんに愛想尽かされるかな…それもいいか)
彼は流される男である。
コウ「このままだと、就職にも影響あるだろうし…」
シーマ「なんだい、成績なんて男の子はその位が可愛いさね、それにあたしの所にこれば専務のポスト空けてやるし、あたしが一生喰わしてやるよ!」
コウ(…それもいいかな)
彼に自主性は無い、流される男である。
コウ「でも、大学は卒業したいし、だから勉強を」
コウの言葉を止め、解ったと喋りだす。
シーマ「なんだい卒業かい、だったら任しときな!」
電話をとり、会社に掛けているようだ。
シーマ「ああ、あたしさね、至急アルビオン大学に買収をかけな!ダメなら寄付と言う形でコウの成績を買いな、わかったかい!」
そんなシーマの話を聞きながら、やり場も無く片手をシーマに向けのばすコウ。
コウ(いや、勉強を教えてくれれば…、まあ卒業出来ればいいか…)
コウ=ウラキ、しつこいようだが彼は流される男である。
後日、大学からの苦情と相談の電話のため、アムロにこっぴどく怒られるコウであった。
link_anchor plugin error : 画像もしくは文字列を必ずどちらかを入力してください。このページにつけられたタグ
コウ・ウラキ シーマ・ガラハウ
最終更新:2019年03月18日 21:20