169 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/12/31(火) 06:44:28.80 ID:???
それは学校の休憩時間での出来事。
イーノ「ジュドー、ZZでZザクと勝負だ!」
ジュドー「ZZと勝負?」
イーノ「時間は今日、学校が終わったら。場所はジュドーの家の前。
僕が乗るのは改造したZザク、その名も『デスZザク』だ」
ジュドー「……そのネーミングセンスってどうなの?
ああ、行っちゃった……」
イーノはどこかへ行ってしまった。ジュドーに近づくビーチャやモンド。
ビーチャ「いやー、聞いてましたよ
ジュドー君」
モンド「ZZとZザクが勝負だって?」
ジュドー「いきなり戦えって言われてもな……。でも俺、やるよ」
その日の授業が終わって家に帰った後、ジュドーはさっそくZZに乗りこんだ。
アル「どうしたの?」
ジュドー「実はかくかくしかじかというわけなんだ」
アル「そんなのZザクが勝つに決まってるじゃん」
ジュドー「いやいや、俺の勝ちだね」
アムロ「面白そうだな。見せてもらおう」
兄弟達がみんな家の外に出てイーノを待った。
いつの間にか来たのかビーチャやモンドもいる。
しばらくその場に立っていると……、イーノは本当にやってきた。
AGEの機体、デスペラードにザクの頭をのせたもので。
イーノ「これが『デスZザク』だよ。ジュドー、勝負!」
170 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/12/31(火) 06:46:45.36 ID:???
ジュドー「そんな機体あり……?」
イーノ「僕が改造したのさ。これはモビルスタンダード『デスZザク』!
次世代モビルスーツのスタンダードになる機体だよ」
ジュドー「モビルスタンダード『デスZザク』って……。
まあ、いいや。じゃあいくぞ!」
そうジュドーが宣言して攻撃をかけようとした時、一人のAGEのキャラが
あわてて走ってきた。
イワーク「そのデスペラードは自分がなけなしの金をはたいて買った
大切なものなんだ!」
フリット「あれはイワークさん!」
ジュドー「何だって? なけなしの金?」
イーノ「あれ? ジュドー、攻撃してこないの?」
ジュドー「ダブルビームライフルは捨てる。ハイメガキャノンも使わない」
イーノ「えっ、そんなことをしたら戦力ダウン間違いなしだよ」
ジュドー「俺はビームサーベルだけで戦う!」
ジュドーは本当にビームライフルを地面に捨てるとイーノの出方を待った。
デスペラードのザク頭はスコップを持ってZZと同じようにじっと立っている。
ジュドー(ハイメガキャノンは撃てる。
けどそうしたらあの機体を完全に破壊する可能性がある。
なけなしの金を使ったあの人がかわいそうだ)
イーノ(ZZは強力だ。近接戦闘だけなのはこっちにとって好都合だよ」
フリット「何があったんですか、イワークさん」
イワーク「協力を強いられているんだ。娘のことで」
ジュドー(ビームサーベルで足の関節を切るか……?)
イーノ(なかなかZZ動かないな……)
フリット「娘……? まさかイーノ=アッバーブが誘拐!?」
イワーク「いやいや、そんな大それたことじゃない。
だが強いられているんだー。あのことで」
171 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/12/31(火) 06:51:31.41 ID:???
ジュドー(ビームサーベルであの武器のスコップを破壊するか……?
もしそうしたらイーノはスコップから手を放して殴って攻撃してくるだろう。
ここはサーベルで腕の関節を切断する!
そうすればあとでデスペラードを修理する時も楽なはずだ!)
イーノ(ZZが仕掛けてきた!)
フリット「あのことってなんなんですか? 教えてください!」
イワーク「あのことが娘にバレたらと考えると……。
父親の威厳を守ることを強いられているんだ……」
デスペラードに接近するZZ。
そのままビームサーベルを振り下ろすが……、
見事にクリーンヒットとはいかなかった。
ジュドー(Zのシールド!?)
イーノ(ジュドー、これはZザクなんだよ。
Zのシールドでビームサーベルを防ぐくらい簡単なことさ)
フリット「娘さんに知られちゃいけないことってなんですか!?」
イワーク「それは教えられない……。
デスペラードを貸すことを強いられているんだ、
そうしなければあれを見ていたことをバラすと……」
172 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/12/31(火) 06:55:44.21 ID:???
デスペラードは、いやZザクは右手にスコップを持ち
左手にZのシールドを構えている。
ジュドー(こっちにスキができた!?)
イーノ(今だ! スコップの振り下ろし! これでZZに勝った!)
フリット「あれを見ていた? あれって何か教えてください」
イワーク「秘密を強いられているんだ……。
あれが家の中にあると知ったら娘に色々言われるに違いない」
ジュドー(ふー、スコップを回避したぞ。
ビームサーベルではなくてわざわざスコップを持ってくるとはあの武器には何かあるとみた)
イーノ(そんな。なんて速さなんだ)
フリット「家にあるあれとはいったいどういうものなんですか!?」
イワーク「それは言えない。あれを買ったことが娘に知られたらと思うと……。
自分自身にあれを秘密にすることを強いているんだ。
それなのになぜイーノ=アッバーブにバレたのか……」
ジュドー(今度ははずさない!)
イーノ(うわっ、ビームサーベルが腕に!?)
フリット「何を!? 何を購入したというんですか!?」
イワーク「あれを店の中で見かけた時、自分の心の中に強いられてしまったんだ。
あの商品をレジへ持っていくことを……。
せっかくなけなしの金でデスペラードを買ったばかりなのに。
それを娘が聞いたら無駄遣いと言われること間違い無しだ……」
173 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/12/31(火) 06:59:44.56 ID:???
ZZとZザクの戦いはまだ続いている。
セレーネ「ねえ、兄さん」
アムロ「なんだい、愚妹よ」
セレーネ「グマイって……。まあ、いいか……。
私、ZZとZザクの勝負より
イワークさんが何を秘密にしているか気になるんだけど。
『あれ』っていったい何かしら」
結局ZZはZザクに勝ったがイワークさんはみんなに『あれ』が何なのか
最後まで話の核心を教えてくれなかったという。
イーノ「はい、修理完了」
イワーク「おお、デスペラードが元の通りだ」
イーノ「だってそういう約束だったでしょ? 使ったらすぐに返すって」
ジュドー「それはいいんだけどさ。イーノ、イワークさんの言ってたあれって何?」
イワーク「それは秘密だ。秘密を秘密にしてくれー」
最終更新:2016年02月23日 07:01