82 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/12/17(水) 03:19:34.65 ID:gVHuJx8s0
セイ「緩くなったポリキャップはこうして瞬間接着剤を流し込んだ後、動かすとまたキツくなるんだよ」
シンタ「わーい!ありがとうセイ兄ちゃん」
セイ「どういたしまして」
騎馬王丸「東方不敗、将棋の決着はガンプラバトルでつけようではないか」
東方不敗「面白い!このマントの表面にヤスリをつけたワシのマスターガンダムに勝てるかな!?」
ザコ「ザコー!大変ザコー!!」
パーラ「おーお帰り。お使い終わったか?釣りは駄賃でいいぞ」
ザコ「それどころじゃないザコ!セイ君はいるザコか!?」
セイ「どうしたの?」
ザコ「ザコは…ザコは見てしまったザコよ!!」


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ザコ「後はカロッゾベーカリーで食パン買うだけザコね」テクテク
シャア「………」
ザコ(あ、シャア社長ザコ。珍しいザコ、こんな商店街にいるなんて。
    しかもサングラスでアタッシュケースを持ってるザコ。人目を気にしてるザコか?)
カランコロン
ザコ(あれは……コウサカさん家のお店に入っていったザコ。でも変ザコね?
    お店のプレートはclosedになってるザコよ。……こっそり外から店内を伺ってみるザコ)

シャア「―――」ミブリテブリ
チナパパ「………」ムムム…
チナ「――…」オロオロ
シャア「――!」ニヤリ

ザコ(シャア社長がアタッシュケースを開けたザコ!中は金塊ザコ!!)

チナパパ「―――!!」ブンブン
シャア「………」スッ…
チナ「!?」

ザコ(コウサカさんが眉間に皺を寄せて首を振ったと思ったら、シャア社長がチナちゃんの肩を掴んで自分の方に引き寄せたザコ!?)

シャア「―――」ニヤッ
チナ「!!」サッ
シャア「………」フッ
チナパパ「―――!!」
シャア「―――」
チナパパ「……」コクン
シャア「―――」ニヤリ

ザコ(シャア社長が強引にチナちゃんに視線を合わせると、チナちゃんは慌てて視線を逸らしたザコ!
    それでもシャア社長の余裕のある表情は崩れないザコ!コウサカさんが社長に対して何かいってるけど
    シャア社長は言い聞かせるように滔々と喋ると、チナパパも最後は納得したザコ!?!
    そしてシャア社長は勝ち誇ったようにコウサカさんと握手をしたザコ!!!)

シャア「―――」サッ
チナパパ「………」
シャア「………」フッ
チナ「………」
シャア「―――」ササヤキ
チナ「――!!」プルプル

ザコ(コウサカさんがアタッシュケースを受け取ったザコ。そしてシャア社長は呆然とするチナちゃんの髪をかき上げると
    耳に唇を近づけて何事か囁いたザコ!!するとチナちゃんは震えて泣き出したザコ!)

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83 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/12/17(水) 03:23:48.20 ID:gVHuJx8s0
ザコ「その後シャア社長は満足げにチナちゃんをみると、颯爽とお店を出たザコ……」
パーラ「おい、それって……」
東方不敗「シンタ、クム、向こうでワシと一緒に遊んでこようか。風雲再起もおるぞ」
シンタ「風ちゃんもいるの!?」
クム「わーい!!」
パーラ「………」
騎馬王丸「つまりこういうことだな。男が営む店は経営難で金に困っていた。
       そして男の娘に目を付けた金持ちの男が現れ、娘を売れと言ってきた。
       男は最初は反対したが、金持ちに説き伏せられ娘を売った。哀れな娘は涙を濡らすばかり……」
パーラ「き、騎馬王丸!!」
騎馬王丸「そうとしか考えらえまい。よくある話よ」
ザコ「ザコ!?シャ、シャア社長はロリコンだけどそこまで人として落ちぶれてないザコ!多分!きっと!ザコ!!!」
パーラ「ど、ど、どうすりゃいいんだ……!?と、とりあえず男湯にいってグラハム呼んでくればいいのか!?」
ザコ「コマンダー様ザコ!コマンダー様ならきっと事情を知っている筈ザコ!!」
騎馬王丸「ところでガンプラに長けたぷにぷにがなにやら血相を変えて走っていったが、あやつニッパーを忘れていったぞ?」
ザコ「ああーー!?セイがいないザコ!!」
パーラ「もぉぉ!!こんなときに限ってシンがいないんだから!!!バイト代カットすんぞ!!」



タッタッタ!
               カランカラン!!
セイ「委員長!!」
チナパパ「おや、ガンダムさん家の……」
セイ「委員長のお父さん、委員長は!?」
チナパパ「チナなら家にはいないよ」
セイ「そんな……どうして!!どうして僕に相談してくれなかったんですか!?」
チナパパ「ええ!?いや、そんな……家のことだし、君に相談するようなことじゃ……」
セイ「……これ、使ってください」
チナパパ「え?通帳?」
セイ「900万ギラ入っています」
チナパパ「ぶーーーーーー!?!!?!!?」
セイ「僕がガンプラバトルやビルド教室で稼いだお金です」
チナパパ「す、すごいね……い、いや、でも受け取る理由がないよ」
セイ「シャアさんのお金は受け取ったのに!!」
チナパパ「どこでそれを……」
セイ「今はそんなことどうでもいいじゃないですか!!」
チナパパ「でもね、あれはチナが稼いだお金だよ」
セイ「そんな言い方って……お父さんはそれでいいんですか!!」
チナパパ「……悩んだよ。でもチナのためでもある」
セイ「そんな……そんな大人の言い方……歯食いしばれ!修正してやるーー!!」
チナパパ「な、なにをするんだセイk…あべし!?」

カランカラン

チナ「ただいm…イオリ君!?パパ!?」
セイ「委員長!シャアのところになんていっちゃダメだ!!」
チナ「ど、どうしてそれを……。でもイオリ君、私もう社長と約束しちゃったの」
セイ「そんな約束、無理やりじゃないか!!」
チナ「確かに強引だったけど……でも社長はフランスに私を連れて行ってくれるって……」
セイ「そんな……そんなものに惹かれたの!?」
チナ「そんなものって……私にとっては夢なの!」
セイ「フランスぐらい僕が連れて行ってあげたのに……ううぅ……」
チナ「イオリ君にそこまでして貰えないし……」
セイ「シャアならいいって言うの!?委員長のわからずや!!」

ダッ!!

チナ「イオリ君?!え、えぇっと……パパ、おつかいの人参ここにおいておくから!」

84 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/12/17(水) 03:26:23.94 ID:gVHuJx8s0
カテジナ「遅いぞクロノクル!」
クロノクル「すまない、ザンスカールのタイヤ戦艦の冬タイヤ交換があってな……」
カテジナ「ふん!言い訳をする男は嫌いだ!
クロノクル「寒い思いをさせたな」
カテジナ「別に…」
クロノクル「その赤い手を見ればわかる。本当に待たせてすまない」
カテジナ「………」
クロノクル「まだ映画には時間がある。そこの喫茶店でカテジナの好きなダージリンで温まろう。もちろんアップルパイもつけてな?」
カテジナ「……ふん」

ダン!ダン!ダンッ!!

カテノクル「「!?!」」ビクッ!?
ゼハート「シングルベール…シングルベール……」
マオ「商店街のイルミネーションを見ると、無償に壁を殴りたくなりまへん?」
クロノクル「な、なんだお前達は!?」
ゼハート「お前達……私達が見えるのか?」
マオ「あんさんらみたいなリア充にはワイらみたいな地べたを這いずり回る喪男なんて見えへんのかと思いましたわ……」
カテジナ「ク、クロノクル、はやく行こう!コイツら危ないよ!!」
クロノクル(カテジナが危険を感じる連中だと……!?)
ゼハート「ははははははは……」
マオ「ひひひひひひひ……」

< 委員長のわからずや!!

マオ「あれ?どこかで聞いたような声が……」
ゼハート「私のXラウンダー能力がいまNTRを食らった惨めな男を感知した……追いかけるぞ」
マオ「まさか……聞き間違えや!セイはんに限って……アンタは…アンタはリア充やなかったんか!!」



セイ「………」ブツブツ
マオ「ああ、セイはんが公園の隅でガンダム兄弟伝統の体育座りを!?」
ゼハート「握り締めたドムの頭を齧っているのか……一体何が……」
ルナ「辛い……話になるわよ」
マオ「ルナマリアはん!?」
ルナ「私、聞いちゃったのよ」
ゼハート「何をだ?」
ルナ「サテリコンでシンが来るのを張り込んでいたらね、ザコが慌ててお使いから帰ってきて……かくかくしかじか」
ゼハート「なんだと!?」
ルナ「それでアホ毛をセイ君に貼り付けて行く末を盗ちょ…見守っていたんだけど、どうやら……もぐもぐうまうま」
マオ「まさか……あの二人に限って……」
ゼハート「ガンダム兄弟のリア充っぷりは私だって知っている。しかしそういう事情ならばな」
ルナ「ゼハート、どこへいくの?まさかセイ君を慰めるつもり!?」
マオ「ゼハートはん!今のセイはんに半端な慰めは危険なんです!」
ゼハート「………」

テクテク

85 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/12/17(水) 03:28:59.31 ID:gVHuJx8s0
ゼハート「この時期に独り身であることの辛さは私だって知っている」
セイ「………」
ゼハート「クリスマスというものが、もはやすでに恋人達がイチャイチャする行事になっていることも……
       だがそれを認めてしまったら、今までのクリスマスで死んで逝った者達はどうなる?
       彼らが独りですごしたクリスマスはどうなる?それを無為にすることはできない……
       48時間もの間、紡がれ、積み重なっている恋人達への思いを、私は拳に込めなければならない。
       ……彼らの歴史の中の、消えていくだけの孤独のベルを、ただ僅かばかりの嫉妬を、私は刻み、叶えたかったのだ」
ルナ「それはっ、人の負いきれる重さじゃないわ!」
ゼハート「それが私の望んだ壁叩き……」
マオ「恋人が作れなかった者たちのためにさらに壁を叩いてっ!それでなんの未来が得られるんやっ!!」
ゼハート「私は……壁を代償にしてでしか、慰めを与えられない……」
セイ「それは違う……」
ゼハート「なに?」
セイ「確かに僕たちは道をたがえたかも知れない……けど僕たちの過ごしてきた時間が色褪せて消え去ったりはしない……
   傷つけあったことも、わかりあえずすれ違ったことも、一緒に泣いて……そして笑いあったことも……」
ゼハート「あぁっ……あぁぁっ……」ガクガク
ゼハート(これが、一度でも彼女が居た者と、生まれてからずっと独りの者の違いっ……!!)ガクッ
マオ「ゼハァァァトォォォォはぁぁぁぁぁんっ!!」
ルナ「ゼハート……貴方はあの日見た遠い星の光よ……」


ザコ「ああ、いたいたザコ!!」
パーラ「おーい、セイ!」
ザコ「チナちゃんにも連絡するザコ」
パーラ「あのさ、なんか勘違いだったみたいだぜ」
セイ「勘違い?」
パーラ「コマンダーサザビーから聞いたところによると、ネオジオン社がクリスマスに向けて新しいアッガイ出すんだって。トナッガイっていう。
     んでチナの作ったベアッガイⅢのことを聞いたシャアのおっさんが、チナをぜひアドバイザーにって商談にきたらしいぜ?」
セイ「商談?」
パーラ「さすがに大金すぎるってチナの親父さんも受け取れないってビビッたんだって。チナもチナで男に免疫ないから頭真っ白になってたってさ。
     それでもシャアのおっさんはあれでも敏腕だからな。うまく言いくるめて、話纏めて、お金は保護者である親父さんが預かることにして
     アドバイザー料ってだけじゃなく、チナの絵の才能に投資するって名目でさ、将来留学先と資金にしてってコトでお金渡したんだってさ」
ザコ「チナちゃん、フランスで絵の勉強するのが夢ザコね。シャア社長はセレブザコから、そっち方面にもコネがあるし
    社長本人もいくつものコンクールの審査員やってるぐらいザコ。その社長直々に留学を薦められて……つまり才能が認められて、チナちゃん思わず泣いちゃったザコ」
セイ「そ…そうだったの!?はぁ~……」ヘナヘナ
パーラ「まったく、ザコがそそっかしいせいで!」
ザコ「ザコだけのせいにするなんて酷いザコ!」
セイ「はは……いいよ、もう誰かのせいとか。あ!どうしよう……委員長のお父さん殴っちゃった……」
チナ「イオリ君!!」ハァハァ
セイ「委員長!!」
チナ「あ、あのね……イオリ君……」
セイ「な、なに?」
チナ「フランスに連れて行ってくれるって……」
セイ「あ、いや、あれは……」
チナ「私の夢のためにイオリ君に負担かけたくないから……イオリ君はイオリ君の夢を頑張ってほしいから!」
セイ「委員長……そうだね。それにフランスでもガンプラは人気だから、きっと僕もいつかフランスに行くときがあると思うんだ」
チナ「そ、そうよね。も、もしそうなったら……私に会いに来てくれる?」
セイ「もちろんだよ!一番最初に会いに行くよ!」
チナ「い、一番……えへへ……」ニヘラ
セイ「あ……いや、その……あはは……」ポリポリ
ザコ「めでたしめでたしザコ」
パーラ「ったく、ノロケてくれるよな。まだクリスマス前だってのに」


ゼハート「……マオ」
マオ「……はい」

               ダン!
                   ダン!
                       ダンッ!!

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最終更新:2016年05月04日 20:25