125 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/12/20(土) 11:00:01.39 ID:7i1LKo1G0
 その日は唐突に訪れた。ガンダム兄弟の家に来訪者が現れたのだ。

グアバラン「自分の名前はストラー=グアバラン」
アムロ「……誰?」

 アムロは家のドアを閉めようとした。
しかしチョコバーを持ったその男は強引に家の中に入ってきた。

グアバラン「AGEの第1部の者だ。グルーデック=エイノアを追い詰め、
      一度は手錠をかけたこともある」
アムロ「グルーデックと敵対? ヴェイガンか?」
グアバラン「連邦の者だ! しかしこのスレでは刑事をやっている。警察官だ。
      このスレのグルーデックに現在怪盗キンケドゥの疑いがかかっている」
アムロ「……グルーデックさんの家ならここじゃないぞ」

 どこかイワーク=ブライアに似たその男はアムロに令状を見せた。

グアバラン「自分の名前はどうだっていい。大切なのはこれだ。
      グルーデックと親しいフリットにも怪盗キンケドゥの協力者として大変濃い容疑がある」
フリット「はあ!?」

126 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/12/20(土) 11:02:17.93 ID:7i1LKo1G0
グアバラン「証拠はすべて警察と検察が持っている。今ここで全部を見せるわけにはいかないが
      こうして家宅捜索するからにはそれ相応の証拠があると思ってほしい」
シロー「俺は何も聞いてない!」
グアバラン「当然だ。どこの世界の警察に容疑者の身内に逮捕情報をもらす奴がいる?」
シロー「それは……いません……」

 どこからか持ってきたチョコバーを次々に食べているその男、グアバランとは別に2人の刑事が姿を現した。

グアバラン「紹介しよう。この捜査に協力してくれた2人の刑事だ。
     1人はネオイタリア出身のベルチーノ刑事。あのミケロを逮捕したこともある」
ベルチーノ「よろしく」
グアバラン「もう1人はネオカナダ出身のアンドリュー=グラハム。宇宙刑事の異名を持つ」
グラハム「刑事兼ガンダムファイターだ」

 グアバランはどこから出したかわからないチョコバーをひたすら食べ続けた。
何かにとりつかれたようにチョコバーを口に含む。

アムロ「……本当にグルーデックさんが犯人だと思っているのか?」
グアバラン「それは犯人だと思いたくないさ。誰だって悲しい。自分も悲しい。だが仕事だ。
      グルーデックと親しいフリットやエミリー、ラーガン達が
      怪盗キンケドゥにつながりがあると思っている」

 シーブックはパン屋に向けて走っていた。みんなに相談するためだ。
お店にはすでにザビーネと、とある運送屋からやってきたトビアがいた。

シーブック「困ったことになった」
ザビーネ「困ったことになったな。おそらくガンダム兄弟全員がフリットの身内として警察に疑われている。
     おとなしくしていろ。いいな」
シーブック「ああ……。ザビーネはどうするんだ?」
ザビーネ「作戦はある」

 その夜、警察には怪盗キンケドゥの予告状が届いた。
『警察のグアバランさんが金庫にしまってある伝説クラスにおいしいと思うチョコバーを一本いただきます』

127 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/12/20(土) 11:04:38.76 ID:7i1LKo1G0
 このスレの警察の建物の前、ここではAGEのモビルスタンダード、
デスペラードが何体も動いていた。デスペラードとはイワークさんがなけなしの金をはたいて
買っていたアレである。今回その機体に乗っているのはザビーネやトビア達である。
ヒートスコップやヒートピッケルを使って工事をしている。

ザビーネ「この道路に空いた穴を警察の建物の地下につなげて
     こっそりと怪盗キンケドゥの証拠を回収、改ざんする。そして最後に穴を埋め戻す」
トビア「はい」
ザビーネ「検察の建物の方はヨナやジェラドがデスペラードに乗って頑張ってくれているだろう」
トビア「こんな建物の前で堂々と穴掘っているのに皆普通の工事と思うものなんですね」

 その頃、ガンダム兄弟の家で。

ドモン「グラハム、ガンダムファイターのお前が俺の家族を疑っているのか?」
グラハム「ああ、すまないがその通りだ」
ドモン「そんな……」

アムロ「……ランバーガンダムのガンダムファイター、手を出すな」
ドモン「兄さん?」
アムロ「もし本物の怪盗キンケドゥがいるならνガンダムで無実を晴らしてみせる!」

 次の日もデスペラードは警察署の前でいそがしく動いていた。

トビア「えーんやこらさーのどっこいせー」
ザビーネ「トビアくん、頑張っているな」
トビア「そりゃあまあ。でも大丈夫なんですか? 今回の盗みの件。
    特にアムロさんはやる気らしいですよ」

ザビーネ「アムロのコピーであるバイオ脳が使うMS、
     アマクサを倒したトビアくんとは思えないセリフだな」
トビア「1回倒したことはありますけど、あれは一瞬のスキを利用したものですよ」

ザビーネ「それでいい。今回はνガンダムを倒すのが仕事ではないからな。
     ほんの一瞬スキを作るだけでいいのだ。それで1つ策があるのだが……」
トビア「何です?」

128 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/12/20(土) 11:06:55.35 ID:7i1LKo1G0
 予告状に書かれた盗みの当日の夜、ザビーネはクロスボーンガンダムX2に乗っていた。
X1にはアンナマリーが座っている。ザビーネはどこかにいるトビアと通信をしている。

ザビーネ「証拠品の回収と改ざんは終わった。あとは今日は勝負だ。
     今回はプリキュアうんぬんと言っていられないぞ。事態が事態だけにな。
     私はトビアくんと2人でνガンダムの相手をする。
     X1はランバーガンダムのような警察の機体の相手を頼む。
     トビアくんは打ち合わせ通りに。おそらくX1はX2より厳しいミッションになるだろう。
     少しMSの姿を現して時間を稼いだらすぐに逃げてくれ。
     ……すまん。私は本当に信頼の置けるパイロットしかX1に乗せられなかったのでな」

アンナマリー「MSの腕? それともMS戦以外の心の意味での信頼?」
ザビーネ「両方だ」
アンナマリー「惚れ直した。では行ってきます」
ザビーネ「通信は以上だ。……νガンダムと戦いにいくか」

 警察の建物、ここの金庫に『伝説クラスに美味しいチョコバー』が1つ入っているはずだ。
そこにクロスボーンガンダムX1とX2が現れた。

グラハム「バカな! あれはまさか怪盗キンケドゥのMS!?」
グアバラン「グルーデックもガンダム兄弟達も全員警察が見張っている……。犯人は違う!?」
ドモン「ほら、みろ。だから言ったじゃないか」

アムロ「ドモン、黙っていろ。俺があの機体の相手をする」

 当初の打ち合わせ通りX1が警察の機体の集団に、X2がνガンダムに向かう。
νガンダムはそれに応じてザビーネの機体に接近する。
ファンネルをとばし、ビームライフルやバズーカを使って追っていく。

ザビーネ「ふっ、あぶない。さすがはアムロといったところか」
アムロ「逃がすかよォ!」
ザビーネ「こっちもけん制して武器を出しているのだがビーム兵器がまったく当たらないとは……。
     当たってもIフィールドで弾かれるか? 困ったな。ふふ」

アムロ「兄弟スレの長男として借りは返してもらう! 本物の怪盗キンケドゥ!」
ザビーネ「よし、トビア、今だ!」

 アムロの攻撃を連続で避け続けていたがそれにも限界はある。
もうダメかと思われたその時、ザビーネが連絡を入れた。

トビア「ダミーバルーンをあげるよ」

 次にアムロが見たのはエルメスのダミーバルーンだった。
そしてそれに気をとられた一瞬のスキをついてX2は跡形もなく消えた。

129 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/12/20(土) 11:09:35.25 ID:7i1LKo1G0
 闇夜にクロスボーンガンダムが2機逃げている。

ザビーネ「これで今回のミッションは終了だ。よくやってくれた。
     警察には怪盗キンケドゥが別にいることをこの機体によって認識させたと思う」
トビア「でもいいんですか? チョコバー……」
ザビーネ「ああ、そのことなら……」

グアバラン「何ー!? 金庫にチョコバーがないだと!?」

 警察の金庫の中には空気が入っているだけだった。

ザビーネ「チョコバーは私が持っているぞ。この通り」
トビア「ええ!? いつ盗んだんですか!?」
ザビーネ「それは予告状に記した期日前に決まっているだろう。あの日付はダミーだよ。
     本当は予告状通りに盗みたかったが場合が場合なので仕方ない。
     後味悪くなるからこのチョコバーはあの刑事に郵送で返しておくことにしよう。
     もちろん差し出し人は怪盗キンケドゥだ」

アンナマリー「あのダミーバルーンは?」
トビア「例えは悪くなるけどあれですよ。
    お猿さんがバナナっぽい何かを見たら一瞬気がとられるでしょう」
アンナマリー「まあ、そうかも……」
ザビーネ「一瞬あればいい。そのスキに逃げられるならな」

アンナマリー「でもアムロはお猿さんじゃないし。エルメスって……」
ザビーネ「エルメスで気をとられるのがアムロだよ。
     もし気をとられないならそれは私が知っているこのスレのアムロではないな。
     ララァ=スンがエルメスのダミーを使ったことを知ったら怒るかどうかわからないが
     少なくとも私はキンケドゥに貸しを1つ作ったとはいえるね」

 フリットは容疑が晴れた。
警察は現れた2体の機体がグルーデックやガンダム兄弟の、
つまりフリットの協力者ではないかと疑ったがついに証拠は出なかった。
自宅から警察に押収されたPCやハロも無事帰ってきたのである。

グラハム「あの機体の動きはモビルドールのような機械の動きではなかった。
     それはガンダムファイターの自分が保障する。
     絶対に誰かが乗っていることは間違いないのだ……」

フリット「容疑が晴れてよかったですね、グルーデックさん」
グアバラン「チョコバー、おいしい」

130 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/12/20(土) 14:16:03.55 ID:+4z3cgq70
乙!

 >グラハム「あの機体の動きはモビルドールのような機械の動きではなかった。
 >     それはガンダムファイターの自分が保障する。
 >     絶対に誰かが乗っていることは間違いないのだ……」

警視正いつGFにっ!?→ああ、あのムキマッチョの→あ、そういやエーカーさんは“フラッグ・ファイター”だよね…

グラハム「と言うわけでこの度新カテゴリのフラッグ・ファイトが開催されることとなった」
セレーネ「字面だけ見ると旗取り合う競技みたいねw」
ロラン「ビーチフラッグですか?」
アムロ「それはおめでとう御座います。 …でも、それでなぜウチに?」
グラハム「もちろん第一回大会の出場者として少年!君を招聘しにお邪魔したのだよ!」
刹那「なっ! 俺はガンダム…だ! ガンダムになるんだ!」
グラハム「だが私は知っているぞ! 君もかつて(劇場版)はフラッグに手を出した事を!」
刹那「それは…」
グラハム「さあ! 君も私と共に大空へ羽ばたこうではないか!」
刹那「しかし…」
グラハム「さあ! さあ!さあ!さあ!」

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最終更新:2016年05月04日 20:30