55 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/03/25(水) 17:53:14.69 ID:GB2Ee/C10
(
兄弟スレ87の28レス目を書かれた方へ。
このネタ書いた後に気付きました。
まさかこのスレで同じような発想をしてる方がいるとは!)
ミリアリアが広げていた新聞の見出しにはこう書かれていた。
『怪盗キンケドゥまた予告状を出す』と。ミリアリアにとってそれは注目の記事だ。
だが今回はそれだけではない。
『街に女の生首の幽霊出現!?』の記事の隣にそのニュースはあった。
ミリアリア「この記事見て!『義賊ジャンヌダルク現る』の記事。
風のように品物を盗んでいくんですって」
フレイ「へえ」
シャクティ「キンケドゥとは別の犯罪者なんですね。いったい誰でしょうか? 男?」
ミリアリア「女じゃない? ジャンヌダルクって女の名前だし」
シャクティ「男ですよ」
ミリアリア「女でしょ」
シャクティ「男ですよ。では賭けましょうか。コミック一冊分でどうです?」
ミリアリア「のった。警察に捕まってもし女だったらシャクティに漫画一冊買ってもらうわ」
フレイ「まあまあ、2人とも……」
ところかわってここは兄弟スレのある建物の一室。戦艦ジャンヌダルクの中ではない。
ソファーにはある運送屋とその依頼人が座っていた。
シーナ「実は絵を大量に公園にある美術館に運んでもらいたいのです」
トビア「わかりました。美術品ですね。大切に扱いましょう」
シーナ「話には続きがありましてな。その絵は怪盗キンケドゥが狙っておるらしいのです」
トビア「……は?」
シーナ「警察に届けた予告状によれば『公園にあるものを一つ盗む』と通告してきたのです。
おそらくそれは予告状に記された期日から考えると美術館の次のイベントの目玉である
『猿が描いた絵画』に間違いございません!」
トビア「猿……。あの、意味がよくわからないんですけど」
シーナ「アンソニーとセガールという猿が描いた絵を
怪盗キンケドゥに盗まれずに美術館まで運んでいただきたい」
56 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/03/25(水) 17:55:30.65 ID:GB2Ee/C10
予告状に記された期日の日の夜、クロスボーンガンダムX2が公園に現れた。
警察の機体を次々に撃破していく。
ザビーネ「キンケドゥが一緒にMSで出てこないのは残念だが、まあこんなところか。
1人でプリキュアだな」
公園には美術館だけではなく博物館や文化ホールがあるがX2は一目散に美術館に向かっていく。
するとそこに一体のMSが姿を現した。
イーノ「Zザク登場!」
ザビーネ「Zザク!?」
イーノ「怪盗キンケドゥを捕まえればZザクの名が上がる!」
不意をつかれたX2はZザクに抱きつかれた。あわててザビーネはビーム兵器でZザクの頭を撃ち抜く。
Zザクの頭部は機体からはずれ地面に転がった。X2から手を離したZザクは頭を手に取り、
再び機体に接続させザビーネに向きなおった。
イーノ「Zザク復活!」
ザビーネ「どういう装甲をしているんだ、そのザクの頭部は!? 直撃させたはずだぞ!?」
イーノ「普通のザクの頭だよ。ザクでも
ガンダムに
相討ちにできるってバーニィさんが言ってたよ」
ザビーネ「どういうMSの構造なのかまったくわからん」
イーノ「別にそれはいいよ。問題はいかに怪盗キンケドゥを捕まえるかってことだよ。
怪盗キンケドゥ覚悟!」
ザビーネ「おもしろい。Zザク対私といこうじゃないか」
するとその時、なぜかジャベリンとジェムズガンが上空から大量に公園に現れた。
皆一直線に他のMSに向かう。当然X2やZザクにも接近してきた。
ザビーネ「いったい何だ、この機体の群れは!? 警察とも戦っているようだし……。
くっ、邪魔だ、ジャベリン!」
その頃、本物のキンケドゥとトビアは同じ公園でも美術館から遠く離れた博物館にいた。
57 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/03/25(水) 17:58:31.56 ID:GB2Ee/C10
トビア「ザビーネさんの陽動作戦うまくいってますね」
シーブック「まあな。警察も博物館の警備の人もあっちに目がいってる」
トビア「しかしあのジャベリンやジェムズガンは何ですか? 見たところ警察のMSでもなさそうだし。
まるで誰かが指揮してるみたいな動きだ。モビルドールでもないようだし」
シーブック「現れたっていう義賊ジャンヌダルクかもな」
トビア「え?」
シーブック「普通怪盗ならアシのつかないどこでも買える量産機を使うってことさ。X1やX2は別だが。
ジャベリンやジェムズガンも量産機だろう? ……話は終わりだ。今回の品物は受け取った」
キンケドゥは博物館にある物の中から少し古ぼけたノートを手に取った。
そして中身のページを見て、目当ての物か確認すると、すぐにノートを閉じた。
急いで建物の外に出ようとするキンケドゥとトビア。キンケドゥ達は走り出した。
トビア「あの、そのノートが今回の目的なんですね。それ何ですか?」
シーブック「これか? これはTトロワの日記だ」
トビア「はあ?」
シーブック「厳密には日記の一部だ。日記の一冊だ。よそのスレからこのスレに来たものを
ここの博物館が保管していた。これをこの兄弟スレのキャラに見せると大変なことになる」
トビア「よそのスレのものがなぜあるんですか!」
シーブック「あるから困ってるんだ」
トビア「まあ、このスレの住人でトロワスレのことを知らない人に見せたら大変なことになりますね。
エロや同人の話を見てひっくり返るかもしれません。見せたくない気もわかります」
シーブック「そればかりではないぞ。この日記にはW以外のガンダム作品に関する技術のことも載っている。
例えば
クローン技術とか……。ありとあらゆる技術のことも載っているぞ」
トビア「……ええと、冗談ですよね?」
シーブック「冗談ではないさ。この技術は悪用される危険性がある。
Tトロワは顔が広いからな。あのスレにおけるたくさんの人物、組織の表裏も書かれている。
これも悪用すると大変なことになる。
例えばこの日記に書かれている秘密であのスレの誰かを脅したりとか」
トビア「まさか……。でも、あるいは……。万が一? でもそんなはずは……」
するとその時、誰かの足音がした。さっと物陰に隠れるキンケドゥとトビア。
ジュドー「今のノートの話聞いたぞ!」
ビーチャ「そんな危険なノートなのかね?」
モンド「とりあえず警察に突き出そう」
エル「今日が捕まえられる日だよ。観念しなさい!」
59 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/03/25(水) 18:01:03.21 ID:GB2Ee/C10
シーブック「どうしてここに!?」
ジュドー「Zザクを信頼してるのさ」
ビーチャ「イーノ1人だけの陽動作戦でもあるのでね」
モンド「MS戦の影響なのか博物館が停電して暗くて顔が見えないのがつらいところなんだよな……」
エル「こいつらを捕まえれば誰かわかるはずだよ!」
トビア「どうしよう、キンケドゥさん……」
モンド「キンケドゥ!? 今、キンケドゥって言ったぞ!」
ビーチャ「モンド、お手柄だぞ」
エル「キンケドゥ本人!? 今MSに乗っているのがキンケドゥじゃないの!?」
シーブック「あっ、バカ!」
トビア「すみません……」
じりじりと近づくジュドー達。ゆっくりと離れていくキンケドゥ達。
絶体絶命のキンケドゥ達の前に現れたのはまた違う人物であった。
シーブック「誰だ!?」
ジュドー「誰!?」
その人物はノーマルスーツを着て男か女かもわからない姿で静かにこう告げた。
『ジャンヌダルク』と。
ジュドー「ボイスチェンジャー!?」
ビーチャ「徹底してるな。誰かわからない。また別の怪盗かよ」
モンド「どうする?」
エル「捕まえる?」
義賊ジャンヌダルクはまたしてもつぶやいた。『私もそのノートを狙っている。
怪盗キンケドゥはそのノートをどうするつもりなのか?』と。
シーブック「自分は……。自分はこのノートを悪用したりはしない。
こんな物騒なものはTトロワ本人に返す」
義賊ジャンヌダルクは『私も返すつもりだった。ジャベリンやジェムズガンは引き揚げさせる』
と言うと、軽やかに姿を消した。
シーブック「あっ、待て……! 行ってしまったか。君達も聞いてくれ。
怪盗キンケドゥはこのノートを悪用したりはしない」
ジュドー「信用してくれって言ってるのかよ?」
シーブック「今日のところは逃がしてほしい」
60 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/03/25(水) 18:03:46.23 ID:GB2Ee/C10
ジュドー「それを信用しろと?」
シーブック「悪用しないという証拠品はどこにもない。
だけど信じてほしい。自分はこのノートを悪用しないと」
ジュドー「……わかった。今回は信じよう」
ビーチャ「おいおい、そんな簡単に信じていいのか!?」
モンド「そうだよ!」
エル「だいたい怪盗キンケドゥは他にも今まで悪事をやってきているんだよ?
捕まえないと」
ジュドー「今回だけだ! 今回は何も盗んじゃいない。ただ返すだけだ。
次に遭ったらその時は捕まえる」
ビーチャ「そりゃあジュドーの言い分もわかる……。わかった。
怪盗キンケドゥ、逃げていいぞ」
シーブック「……ありがたい! いくぞ!」
トビア「はい!」
その日の深夜、1人の男が自宅に帰ってきた。名をハンゲルグという。
ミューラ「おかえりなさい。怪盗ジャンヌダルクの仕事はどうでした?」
ハンゲルグ「自分はジャベリンやジェムズガンの指揮をしただけだから。楽なものだよ。
博物館には侵入していないのでね。
ジン・ジャハナムが何人もいるようにジャンヌダルクも何人もいるのだ」
ハンゲルグは遅い夕食をとるとミューラに言った。
ハンゲルグ「ところで生首がフワフワ浮いているのを見ると非常に食べにくいのだが。
新聞で噂になっている。まるでマジンガーのブロッケン伯爵ではないか」
自らの生首を脇に抱えたミューラはフフと笑った。
ミューラ「首はTVの部屋でTVを見て、胴体は夕食の用意をするのって結構楽なんですよ。
やっぱり家事は楽な方がいいですね」
次の日、ミリアリアとフレイは新聞を見ていた。
ミリアリア「私も公園にいてカメラ用意していたのに
結局怪盗キンケドゥの正体わからなかったのよ……」
フレイ「はいはい」
ミリアリア「残念! 次こそ大スクープ狙う!」
最終更新:2016年05月09日 10:47