384 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/04/16(木) 10:24:08.98 ID:ftPTa9Ro0
 雨が降っているある日、シャアは傘をさしながら散歩に出ていた。
同じく傘をさしている人と交差点の角でぶつかりそうになる。

シャア「おっと、すみません」
ストーカー「いえ、こちらこそどうもすみません」

 互いにぶつかりそうになったことをわび、また歩く。
シャア=アズナブル。本名がキャスバルなのに兄弟スレにおいてなぜか偽名を使う男。
その理由は不明である。と、同時に彼は赤が誰よりも似合う男。
また広島東洋カープのファンでもある。

シャア「ルーキー、ドラフト1位野間の成長が今のカープの頼りだ……。おや?」

 その彼が何かを見つけたようだ。近づいてみる。
その様子をシャアの背後から見つめている男がいた。
さきほどのぶつかりそうになったガンダムのキャラ。Gガンダムのストーカーである。

ストーカー「いつも娯楽という名のネタに飢えている兄弟スレをご覧の皆さん、こんにちは。
      本日の話は笑いの要素は薄目です。ガハハと笑って楽しむネタではございません。
      今日の彼、シャア=アズナブルは何かと不思議な出会いをしたようです。
      それが何なのかは最後まで見ていただければわかります。
      それでは今回のネタ、レディーゴーといきましょう」

 シャアが発見したのはネコだった。 

シャア「どこのネコだ? 捨てネコか?」

 ネコはニャーとだけ鳴いた。シャアはネコから離れようとしたが後からついてくる。

シャア「……傘の中に入るか?」

 ネコを抱きかかえるシャア。
それからしばらく歩き続けた後、シャアはいつものようにガンダム兄弟の家の中にいた。

アムロ「……それでネコを連れてきたのか」
シャア「ああ。飼おうと思ってな。名前ももう考えてある」
アムロ「ほう。何という名のネコにするんだ?」
シャア「『のまネコ』だ」

385 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/04/16(木) 10:26:41.72 ID:ftPTa9Ro0
アムロ「何だと? もう一回言ってくれ」
シャア「のまネコだ」

アムロ「どこかの会社がつけたような名前だな……」
シャア「野間のことを考えていたら見つけたからのまネコだ。ドラフト1位のネコだ」

 たくさんのガンダム兄弟がかわるがわるネコと遊んでいる。
ネコはニャーと鳴きながら兄弟達とじゃれついている。

アムロ「これはニュータイプのカンなんだがこのネコはどこかの飼いネコなんじゃないかと思う」
シャア「そうか。しかし今は私のネコだ。持ち主がわかるまではな。このネコはかわいいな」
アムロ「天下のシャア=アズナブルがネコをかわいがるのか」
シャア「そうだ。かわいいものをかわいいと言って何が悪いのか。
    のまネコ、さっそくペットフードを買ってやるぞ」

アムロ「天下のシャア=アズナブルがペットフード!」
シャア「そうだ。ネコ用のいいペットフードだ」
アムロ「ううむ、ガンダムのスレでネコねえ……。そんなネコいたかなあ……」

 シャアはアムロとひとしきり話した後、
特にロランに悪さをすることもなくネコを抱いて帰っていった。

アムロ「ふうむ、シャアがペットを飼うのか」
ロラン「兄さんだったら何という名前にしますか? ジャビットですか?」
アムロ「ネコならルナかな」
ロラン「中日の4番!」

アムロ「ルナかアルテミスかダイアナだ」
ロラン「……ここでセーラームーンですか!?」

386 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/04/16(木) 10:29:17.06 ID:ftPTa9Ro0
 雨があがったあくる日、シャアはネコと共に自宅から外出していた。

シャア「のまネコはかわいいな」
ハマーン「どれ、私にも抱かせてみろ。かわいいな」

ぷっつんかみーゆ「天下のハマーン=カーンがネコをかわいがる!」
ハマーン「そうだ。かわいいものをかわいいと言って何が悪いのか」

ファ「ああ、ぷっつんかみーゆに!」
アストナージ「これはまた大きなショックを受けたんだろう」
ハマーン「ちょっと待て。それは私を何だと思っているのだ」

 ネコはかわるがわる他の人にかわいがられた。

シャア「のまネコはかわいいぞ」

 またある日は……。

シャア「のまネコ、私の顔を舐めるな。くすぐったいではないか」
ロラン「またネコを見せびらかしに来たんですか?」
シャア「そうだ。私のネコがかわいいだろう。
    ロラン、のまネコの食事を頼む。ねこまんまだ。美味しい料理を作ってやってくれ」
ロラン「鰹節を入れるのでいいですね」
シャア「ああ、頼む」

アムロ「シャアがせっかく作ってくれたロランの料理をネコに食わせる……?
    びっくりだな。よっぽどあのネコがかわいいんだろう」

 またまたある時は……。

シャア「のまネコに顔をひっかかれた」
アムロ「最近ネコの話ばかりだな」

 またまたある時は……。

シャア「のまネコの体の調子がおかしい。動物病院はないのか!?」
アムロ「ガンダムのスレで動物病院なんてあるのか!? 
    しかし人間の病気を診るお医者さんなら何人もいるが」
シャア「それでいいからはやく頼んでくれ」

387 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/04/16(木) 10:32:37.55 ID:ftPTa9Ro0
 そんなある日のこと、またしてもシャアは兄弟家にやってきていた。
今度は血相を変えている。

シャア「のまネコがいなくなったのだ……」
アムロ「なんだって!?」
ロラン「さっそく探しましょう!」

 しかし兄弟家のみんなとシャアはネコを探すまでもなかった。
家の前でネコを抱いた男が通りがかっていたのだ。それはデスティニーのジブリールという。

アル「あ、あのネコ!」
ジブリール「何だね。少年」
アムロ「あの、そのネコは?」

ジブリール「これは私のネコだよ。しばらく前から行方不明になっているのを発見したのだ」

アムロ「そ、そうなのか?」
ジブリール「そうだ。
      このネコはTVのデスティニーに出たこともあるれっきとしたガンダムのキャラだ」
シャア「のまネコ……」

 シャアはネコの手を掴んだ。

ジブリール「ん!? どうしたというんですあなたは」
シャア「のまネコ、よかったなあ。飼い主が現れて……」

388 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/04/16(木) 10:36:37.24 ID:ftPTa9Ro0
 ジブリールが帰った後、シャアは兄弟家でしょげかえっていた。

アムロ「またネコに会えるさ。町内のネコだったのだろう?」
シャア「あ、ああ……。ロラン君、ねこまんまが食べたいが作ってもらえるだろうか」
ロラン「は、はい……」

 シャアはその料理を食べた。ここ数日のネコとの思い出が呼び戻ってくる。

シャア「おいしかったよ。ありがとう」

 そのシャアの顔には一筋の涙が浮かんでいた。

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最終更新:2016年05月11日 08:05