22 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/06/15(月) 17:08:58.39 ID:yqeqDpZR0
ミリアリア「今日は女子プロレスの試合に行こうと思うんだけど」
フレイ「ふうん。取材?」

ミリアリア「このスレの商店街で行われる祭りのイベントで女子プロレスがあるのよ。
      一緒に行ってほしいんだけど」
フレイ「いいわよ」

 2人が向かった先には特設リングと観客用のいくつものパイプいすがあった。
イベントの責任者らしき男にミリアリアはあいさつした。

ミリアリア「こんにちは」
ストーカー「やあ、こんにちは。私が審判兼マイク役のGガンダムのストーカーです」
ミリアリア「今日はよろしくお願いします」
ストーカー「こちらこそ。ではさっそく……」

 フレイがミリアリアに一緒に連れられて行ったのは仮設の更衣室だった。

フレイ「ん?」

 しばらくして会場のイベントが定刻通りに行われた。
満員の観客の中、マイクを持ったストーカーが叫んだ。

ストーカー「それでは客席の皆様、お待たせいたしました!
      本日はガンダムファイター抜き! プロはなしで素人が行う女子プロレスです。
      さっそく選手をお呼びいたしましょう。
      登録チーム名『美少女戦士セーラーミリアリア』の選手、セーラーミリアリア!」

 Vサインをしながらセーラー服風のプロレスのコスチュームに身を包み、
仮面をつけたミリアリアが現れた。そのままリングへ向かう。

ミリアリア「本日はよろしくぅ!」
ストーカー「そしてもう一人。セーラーミリアリアとタッグを組むセーラーフレイその人です!」

フレイ「ちょっと、これどういうこと……?」

 同じくセーラー服風の衣装を身につけたフレイが現れた。

23 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/06/15(月) 17:11:23.63 ID:yqeqDpZR0
ストーカー「セーラーミリアリアとセーラーフレイ、まったく謎の2人ですね。正体は誰か!?」

フレイ「まったく正体を隠してないネーミングじゃない。
    私、プロレスの試合に出るなんて一言も言ってないんだけど」
ミリアリア「大丈夫。リングのそばに立ってくれるだけでいいから。これも取材よ。体験取材」

フレイ「……」
ミリアリア「それにフレイはやさしいから私の頼みを無下に断ったりしないでしょ」
フレイ「信用あるのね」
ミリアリア「そりゃあまあ」

 わきあがる観客の中、ストーカーは対戦相手を呼んだ。

ストーカー「登録チーム名『クイーンとサーカスの花形スター』!
      まずは一人、ガンダムのパイロットをグーで殴る女、キャスリン=ブルーム!」
キャスリン「どうもどうも」

フレイ「このスレは兄弟スレよね。ということは主役は主人公兄弟。
    ここにいるべきは私じゃなくて主人公兄弟じゃないの!?」

 観客席にいたアムロとセレーネとマイが会話をした。

アムロ「と言われているが。ウチは女は一人だけだしな。セレーネ出るか?」
セレーネ「プロレスは見るのはいいけど、やるのはちょっとね」
アムロ「というわけだ。観客としてみるのはいいが、
    女子プロレスの選手として出るのはウチの家は遠慮する」
マイ「だそうです」
フレイ「……ちょっと待って」

ストーカー「もう一人、プロレスでもクイーンとなるか!? エンディングのライオンも怖がる女。
      リリーナ=ピースクラフト! それでは女子プロレスファイトレディ、ゴー!」

フレイ「それで兄弟スレと言えるの!?」
アムロ「言える! ウチは女子プロレスには関わらないからな!
    それとも家の誰かを女装させるのか!? 断固断る!」

 リングのゴングが鳴ると同時にミリアリアはマット上のキャスリンの後頭部目がけて
カメラのようなもので殴りつけた。

ストーカー「おおっと、プロレスの醍醐味! いきなりの凶器攻撃だ!」

24 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/06/15(月) 17:13:46.54 ID:yqeqDpZR0
フレイ「私、ミリアリアのこと、ジャーナリストとして尊敬してる部分があったんだけど」
ミリアリア「何?」
フレイ「そんな風にカメラを使うのね。ちょっとがっかりしちゃった」
ミリアリア「これ? これには写真を撮る機能は最初からついてないわよ。
      『カメラのようなもの』であってカメラじゃないから」
フレイ「それじゃ何!?」

ミリアリア「これは私が作ったプロレス用の『カメラのようなもの』よ。外見はカメラだけど」
フレイ「何それ……」

ストーカー「ああっと! 凶器攻撃に倒れたキャスリン、ダウンしたまま立ちあがれない!
      自慢の拳を見せる間もなく退場か!? カウントをとります。1、2、3……10」
ミリアリア「さらば、キャスリン。不意打ちでもなければキャスリンは倒せなかったわ」

 10カウントになったがキャスリンは起き上がれない。失神しているようだ。
だがこの試合はまだ終わったわけではない。なぜなら……。

ストーカー「この試合はどちらか片方が戦えなくなるまで続けられます。
      すなわち、まだリリーナ=ドーリアンがいる!
      母親のドーリアン夫人仕込みの技が炸裂するか!?」

 リングのロープをまたいで、のっしのっしとリリーナが現れた。
突然走りだしたリリーナはミリアリアの顔面を片手でつかみ、身体を持ちあげた。
それからミリアリアの背後にまわって首にチョークスリーパーをかける。
ミリアリアがつけていた仮面が外れた。

ミリアリア「ぐるじい……」
ストーカー「おおっと、ライオンもふるえあがる握力! そこからの首絞め!
      リリーナはミリアリアの失神を狙っているのかー!?」

アムロ「これでミリアリアが倒れたら今度はフレイの番だなー」
フレイ「きゃああ。絶対勝って!」

 ミリアリアは逆上がりのように回転するとリリーナの頭にキックを叩きこんだ。
ひるんだリリーナはせっかくのチョークスリーパーを離してしまった。

リリーナ「やりますね」
ミリアリア「あなたもね」

 それから数秒、双方とも隙を狙って動けなくなった。その硬直を解いたのは観客席の声だった。

ゼクス「リリーナ、がんばれ」
ヒイロ「リリーナ、俺はここにいるぞ」
リリーナ「はい。お兄様、ヒイロ」

ミリアリア「今だ!」

25 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/06/15(月) 17:16:29.10 ID:yqeqDpZR0
 リリーナが気をとられ、客席を振りむいた次の瞬間、ミリアリアは正拳突きを放った。

リリーナ「くっ!?」

 リリーナは両腕でガードした。その隙をついてミリアリアはリリーナの体を肩にかつぎあげた。
そのままジャンプする。

ストーカー「この技は!? キン肉バスターだっ!? キン肉マンの技がここ、兄弟スレで炸裂するー!」

 空中に跳んだミリアリアはマット上に着地した。ミリアリアはリリーナをリングに放り投げた。
すぐに立ち上がるリリーナ。

リリーナ「まだまだ!」
ミリアリア「……今だ!」

 ミリアリアはリングのポストの上にのると、リリーナ目がけてジャンプした。

ストーカー「これはフライングボディプレス! いや、エルボーだ! エルボー!
      ミリアリアのひじがリリーナのお腹に突き刺さった! リリーナ、ダウーン!
      カウントをとります。1、2、3……10。勝ったー! 勝ったのはミリアリア、フレイ組!」

ミリアリア「勝った、勝ったのよ!」
フレイ「……よかったー、戦わずにすんだ」

リリーナ「……私は気絶していたのですか」
ゼクス「すまんな、リリーナ。私が声をかけたばっかりに」
ヒイロ「すまない。俺のミスだ」
リリーナ「いいえ、私のミスです」

ミリアリア「リリーナの敗因はね、育ちがよすぎたのよ。声に反応して答えてしまったのが失敗ね」

 盛り上がる客席、弁当を売るジュドーとガロード、そしてほっとするフレイ。

フレイ「これでプロレスは終わりで、いつもの兄弟スレのように兄弟が主人公のネタで……」
ストーカー「続きまして第2試合『美少女戦士セーラーミリアリア』対『パン屋の看板娘』!」

26 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/06/15(月) 17:19:09.02 ID:yqeqDpZR0
フレイ「……第2試合ってどういうこと?」
ストーカー「これは女子プロレス『大会』なのです。
      さて、お呼びしましょう。ミスコンに出たことがあるというセシリー=フェアチャイルド!」
セシリー「ど、どうも」
ストーカー「なんでもそのミスコン以外にも腕相撲コンテストにも出たことがあるとか。
      これは腕力に期待が持てそうです!」

セシリー「そんな腕相撲大会出てない!」

ストーカー「もう一人、パン屋の看板娘といえばこの人、アンナマリー=ブルージュ!」

 アンナマリーは無言でリングのそばを行ったり来たりしている。
ウォーミングアップは完璧のようだ。こちらはやる気のあるところがうかがえる。

フレイ「これはどういうこと……?」

ストーカー「だから女子プロレスのトーナメント大会なのです。
      いやあ、私の中では優勝候補はキャスリン、リリーナ組だと思っていましたが
      違う展開になってきましたね。
      次の試合はミリアリア、フレイ組対セシリー、アンナマリー組。
      勝った方はその次の試合、サリィとレインのドーピングならなんでもござれ『マッドドクターズ』と
      コンビプレイならお手の物、サラ=タイレルとサラ=ザビアロフの『ダブルサラ』の勝者と戦います」

 さらに盛り上がる客席、先ほどと同じように弁当を売るジュドーとガロード。
ミリアリアはリングのロープの上に立った。

ミリアリア「次の試合もよろしくぅ!」

 ……この大会、ミリアリアとフレイは優勝し、かなり長い間兄弟スレの街中で
『プロレスクイーン』や『タッグクイーン』と呼ばれることになる。

フレイ「ねえ、最近私達を見るみんなの目がちょっと違うと思うんだけど」
ミリアリア「ああ、そう。気にしない、気にしない。今日も取材よ!」

 ……ミリアリアの取材は今日も続く。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2016年05月13日 06:44