625 : 通常の名無しさんの3倍2016/03/28(月) 15:12:24.70 ID:yj/Sm0IN0
カロッゾベーカリー
セシリー「そういえばアトラもここで働き始めて長いわね」
シーブック「俺もバイトの中では古株だけど、アトラは更に早いモンな。でも何がキッカケだったんだ?」
アトラ「ああ、それはね……」
~アトラの回想~
当時、わたしは働いていた店を逃げ出して街をさまよっていた。だけど住み込みだったからお金も泊まるところなくて、ついに路上で力尽きてしまった
その時だった、彼と初めて出会ったのは……
アトラ「はー……」
三日月「モシャモシャ」
アトラ「…………」ジー
三日月「……見ててもやらないよ」
アトラ「いらないもん」
三日月「これ、おれが働いて買ったんだ」
アトラ「わたしだってはたらくから」
三日月「……こどもはどこも雇ってくれないよ。おれのとこも女はだめだし」
アトラ「働けるもん。歳だっておんなじくらいじゃない」グゥゥー
三日月「……はぁ」
カランコロン
セシリー「いらっしゃいませえ」
三日月「金もうこれしかないや。なんでもいいからこれで食い物売って」
優しそうな金髪のおじさん「どうしたんだい坊や。追加でもう一個欲しいのかい?」
シーブック「いやいや誰これぇ!」
アトラ「誰って……店長に決まってるじゃないですか」
シーブック「カロッゾさんって、昔はこんなんだったの!?」
セシリー「当たり前じゃない。まさか生まれた時からあの仮面を被ってたとでも思ってるの?」
シーブック「いや、だからってキャラが違い過ぎだろ……」
~回想続き~
カロッゾ「どうしたんだい坊や。追加でもう一個欲しいのかい?」
三日月「あいつ、腹減り過ぎて立てないみたいなんだ」
カロッゾ「なに? それは大変だ! セシリー、すぐに栄養のあるパンを用意するんだ!」
アトラ「」ムシャムシャ
カロッゾ「ふはは、うまかろう! まだまだあるぞ!」
シーブック「本当だ……この口調、間違いなくカロッゾさんだ……」
アトラ「それで、事情を聞いた店長さんがわたしを雇ってくれることになって……」
セシリー「現在に至るのよね」
シーブック「普通にいい人じゃないか。それがどうして鉄仮面なんて被ることになったんだ?」
セシリー「それがね……」
626 : 通常の名無しさんの3倍2016/03/28(月) 15:13:53.34 ID:yj/Sm0IN0
~セシリーの回想~
カロッゾ「ふはは、うまかろう! まだまだあるぞ!」
セシリー「もう、パパったら張り切っちゃって」
カロッゾ「私の夢は、世界中の子供たちが毎朝焼き立てのパンをお腹いっぱい食べられるようになることなんだ。私はこれを、朝パン主義と名付けたいと思う」
アトラ「モシャモシャ、すてきな、ゴクン、夢ですね」
カロッゾ「ふはは、慌てなくてもパンは逃げたりしないぞぅ! 落ち着いて食べたまえ」
三日月「……じゃ、おれ、もう帰るから」
カロッゾ「待ちたまえ坊や。坊やもさっきのパン一個じゃ物足りんだろう。ここで食べて行かないか?」
三日月「いや、いい」
カロッゾ「子供が遠慮するものではない。お金のことなら心配いらん、今日はおじさんがご馳走してやろう!」
三日月「いや、そうじゃなくて……」
カロッゾ「?」
三日月「おじさんのパン、そんなに旨くない」
カロッゾ「ガーン!!」
通りすがりの刹那「ダム!!」
三日月「……やっぱりおやつは火星ヤシにかぎるな」
カランコロン
セシリー「あ、ありがとうございましたー……」
カロッゾ「旨くない……わたしの……丹精こめたパンが……旨くない……」
セシリー「確かに正直いって、当時の父のパンはあんまり美味しくなかったわ。でも、それを正面から言われたのがよっぽどショックだったみたい」
アトラ「わたしも。当時は死ぬほどお腹が空いてたからあんなに食べられたんだと思う」
セシリー「父はそんなパンしか作れない自分を恥じて、仮面を被ったのよ。朝パン主義達成のため、美味しいパンを作るというエゴを強化した存在に……」
アトラ「で、でも! おかげで店長のパンすっごく美味しくなりましたよね。仮面を被ったのは予想外だったけど、結果OKかなーって!」
シーブック「(人に歴史あり、今は当たり前だと思っていることにも必ずそうなった理由があるのだ。それはきっかけを作った当人にとっては、記憶にも残らない、些細な出来事かもしれない。しかし……)」
カロッゾ「できたぞおおお! 研究に研究を重ねた、火星ヤシパンだあああ! 少年よ、食べに来るがいい! 私は逃げも隠れもしない!」
シーブック「(しかし二人の人間の人生を、こうも劇的に変えてしまうと、俺はこう思わざるをえない。すげえよ、三日月は、と)」
630 : 通常の名無しさんの3倍2016/03/28(月) 18:49:01.56 ID:sprX9Utl0
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まんじゅうの中身当てはかのマス○さんの特技だったりもする。
>ギンガナムからのハム
ギンガナム「我が家にハムが来たァァァァ!」
その一
メリーベル「やりくり下手なギンガナム!私が家計節約のために
ガンダム家への付け届けに使い回してやるよ!」
その二
スエッソン「げふう」
シッキネン「あの、御大将、隊長は、デブなら「食ってやる」と思った時には「既に平らげた」が正しいと」
最終更新:2016年05月18日 14:23