792 : 通常の名無しさんの3倍2016/04/26(火) 12:11:17.51 ID:IoOYis2Y0
イオ「第一回! 『チキチキ』悪い所には目を瞑れ俺しか知らないイオ兄さんのいいとこさがし~!」
コウ「…………」
ウッソ「…………」
イオ「いえ~!!」
ウッソ「……庭いじりしてたとこ急に連れ出されたと思ったら、なんですかこれ」
コウ「さあ……俺に聞かれても」
イオ「突然だがお前たち、俺のいいところを上げてみろ?」
コウ「ない」
ウッソ「同じく」
イオ「おいおい、つれねえなマイブラザー」
ウッソ「悪いところなら100個くらい思いつくんですがね」
コウ「強いて言えば、ドラムが上手いことかな」
イオ「と、このように最近家族の間で俺に対する根拠のない悪評が立っている」
ウッソ「根拠のない??」
コウ「ハハ、ナイスジョーク」
イオ「だが本当にそうか? 俺の悪評なんて、周りがいっているから何となく自分も流されているだけじゃないのか? 俺はそう考えた」
ウッソ「僕たちの発言全部無視してますよこの人」
イオ「そこでだ! お前たちにはこれから兄弟たちにインタビューして、俺のいいところを聞いてきてもらう。そしてそれを皆で共有してもらいたい。するとどうなる?」
コウ「さあ……?」
イオ「そう。今まで各々しか知らなかった俺の新たな魅力を全員が知れば、みんなの認識はこう変わるはずだ『あれ? 俺今まで周りに流されて悪口いってたけど、実はイオ兄さんっていいとこあるんじゃね? むしろ尊敬できる大人なんじゃね?!』と!」
ウッソ「思考回路が謎すぎますよイオ兄さん!?」
コウ「ある意味幸せそうだなあ……」
イオ「俺は決して自分をよく見せたい訳じゃない。だが誤った風評は正さなくちゃならない。それに悪評がウチの中で留まっている内はいいが、外に漏れたらお前たちの名誉だって傷つくんだぞ?」
コウ「う、それは一理ある」
ウッソ「もう手遅れな気もしますけどね」
イオ「よし、そうと決まったら早速行動開始だ。二人とも頼んだぞ」
コウ「え? 兄さんは一緒に行かないの?」
イオ「フッ、俺はこう見えて多忙なんでな」
ウッソ「兄弟の中で多分一番暇な人がなんかいってますよ?」
コウ「ウッソ、それは触れてやるな」
イオ「それに俺が一緒にいたらみんな照れてしまって本音を話さないだろうからな。こういうのはお前たちみたいな兄弟の中でも若干舐められ気味な奴らがちょうどいいんだ」
コウ・ウッソ「「」」
イオ「そういうわけで後はよろしくな! アデュー!」
コウ「……行っちゃったよ」
ウッソ「どうしますコウ兄さん? 聞かなかったことにします? 正直僕らにやるメリット1個もないんですが」
コウ「まあ、それはそうだけど。やらなかったらやらなかったで後でいじけそうだからなあ、あの人。とりあえず今ウチにいる兄弟たちだけにでも聞いてみようか」
ウッソ「はあ、仕方ないですね」
793 : 通常の名無しさんの3倍2016/04/26(火) 12:14:01.72 ID:IoOYis2Y0
セレーネ「イオのいいところ? うーん……」
コウ「あ、なかったらなかったでいいから」
ウッソ「セレーネ姉さんの結婚相手を見つけるくらい難しいミッションだって僕らもわかってますんで」
セレーネ「ウッソ、あとで私の部屋に来なさい。……いいところねえ。家族で唯一、私がどんなに散らかしてもだらしない恰好してても文句言わないとこかしら。そこは助かるわ」
ウッソ「確かに、以前姉さんと兄さんを残して家族みんなで旅行にでかけたら、三日後、ゴミ屋敷の奥から全裸の二人が出てきたことがありましたね……」
コウ「どこぞの島の原住民みたいだったな……」
セレーネ「まあ、一緒にいてもお互い不快にならないってのはいいところかもね」
コウ「セレーネ姉さんもイオ兄さんも、基本裸族だから」
ウッソ「汚い物を見せられる家族の身にもなってほしいですよね」
セレーネ「」
そ夜ウ輪
ドモン「イオのいいところ? ドラムがうまい以外でか? ああ、そういえば」
コウ「あれ? 意外とあっさりでてきそう?」
ドモン「俺が師匠に弟子入りを志願した時、家族で最初に応援してくれたのはイオだったな」
ウッソ「へえ、そうなんですか」
ドモン「ああ。キョウジと二人でアムロ兄さんやシロー兄さんを説得してくれた」
マイ「そういえば僕がジオニック系の企業に行きたいと言った時、渋るアムロ兄さんを説得してくれたのもイオでしたね」
コウ「マイ兄さんも?」
マイ「ええ。『長兄がどういう仕事をしてようが、縛られる必要はない。お前は自由なんだ』って」
ドモン「俺の時もな。『ドモンは気が弱いとか、向いてないとか本人以外がどうして縛ろうとする』って」
ウッソ「い、意外にまともないいところが出てきて、ちょっと驚愕しています……」
ドモン「あいつは兄弟の中じゃ一番縛られることを嫌い、自由であることを尊ぶからな。今の生き方もその表れなんだろう」
マイ「よく言ってますからね。『縛られるってことは安定でもある。自由ってことは危険でもある。だから自由を選んだら、その代償は全て自分が背負わなきゃならない』って」
コウ「なんか……イオ兄さんの視方が本当に変わりそうだよ」
ウッソ「本当ですね」
マイ「この前も、『フッ……この前の火遊びで元レースクイーンに病気もらっちまったのがクローディアにバレちまったぜ。ま、これも自由の代償さ』って顔腫らしながら」
コウ「台無しだー?!」
キラ「イオ兄さんのいいところ? そんなの100個くらいあるじゃない。例えば……」ペラペラペラペラ
コウ「おいおい、物凄い勢いで喋り出したぞ」
ウッソ「ダメ人間同士波長が合うんですかね」
キラ「……で、後はドラムが上手い、と。こんなものかな」
コウ「やっぱり最後はそこに行きつくんだな」
ウッソ「唯一のまともな長所ですからね」
キラ「イオ兄さんのドラム本当にうまいよね。今度ラクスのライブのバックバンド頼もうかなー」
ウッソ「でもあんなジャズ至上主義の人がジャズ以外叩いてくれますかね」
コウ「昨日だってダリルさんが聞いてたラクスさんの新曲を『趣味が悪い。キモオタの聞く音楽』って煽って殺し合いになってたしな」
キラ「え?」
コウ「あ」
キラ「カチャカチャカチャカチャ『イオ・フレミング 無職』『イオ・フレミング ウザい』『イオ・フレミング 人間の屑』……」
ウッソ「うわあ……兄さんの名前がものすごい勢いでサジェスト汚染されていく」
コウ「……ゴメン、イオ兄さん(合掌)」
794 : 通常の名無しさんの3倍2016/04/26(火) 12:16:46.88 ID:IoOYis2Y0
三日月「イオ兄さんのいいところ……?」
コウ「うん、よければ教えてほしいんだけど」
三日月「…………」
三日月「…………」
三日月「…………」
三日月「……家族を大事にするところかな」
コウ「(面倒くさくなったな)」
ウッソ「(三日月兄さんは面倒になると、変にいいこと言って誤魔化す癖がありますからね……)」
刹那「イオ兄さんは
ガンダムではない!」
ウッソ「早っ!」
コウ「ま、まあそれはわかるけど、あえて言えばだよ」
刹那「……あえて言えば、か」
ウッソ「何か
あるんですか?」
刹那「以前イオ兄さんと銭湯に行った時だ。突然兄さんが『刹那、ミッションだ。ここから料金を払わず、見つからないように脱出するぞ』と」
コウ「絶対ダメだと解るエピソードきた!」」
ウッソ「多分財布にお金がないことに気付いたんでしょうね。刹那兄さんとヒイロ兄さんは任務とかミッションて言えば、割と何でも誤魔化せますから……」
刹那「そこで浴場の窓から外に脱出したんだが、俺は服を取りに戻って、そこをシン兄さんに見つかってしまった……オレハガンダムニナレナイ」
コウ「イオ兄さんは?」
刹那「わからない。そのまま全裸で外へ逃げて行ったが……俺が帰った時はもう家にいた」
コウ「無事逃げ切ったというのか……?!」
ウッソ「まさか……全裸ですよ!? 可能かどうか以前に、いい大人なら恥ずかしくて絶対できませんよ!」
刹那「そういえば俺がシン兄さんに説教されてる時、外でパーラの悲鳴が聞こえた。その後も断続的に女の悲鳴が……」
コウ「やったな」
ウッソ「やりましたね」
コウ「シンー、イオ兄さんのいいところを聞きたいんだk」
シン「金払え!」
ウッソ「ですよねー」
シン「なんなんだあの人は! 料金は後で払うっていうから怪しんでたら、案の定逃げやがって! しかも刹那まで囮に!」
コウ「うん、なんか、ごめん」
ウッソ「なんか僕たちまで恥ずかしくなってきました……」
シン「しかもあの日以来パーラはトラウマ抱えちまったんだぞ! 何日も寝込んだまま『前シッポが……前シッポが来るゥ!』とか訳のわかんないうわごとを繰り返すし! 銭湯の娘にトラウマ抱かせるとか何したんだあの野郎!」
ウッソ「一刻も早い回復を、イオ兄さんに代わってお祈りしておきます」
コウ「じゃ、じゃあシンはイオ兄さんのいいとこは思いつかないということで……」
シン「あ、でも後で探したら、刹那の上着になけなしの五百円と『刹那は俺に巻き込まれただけだ。罪はない。これで許してやってくれ』って手紙が」
コウ(錯乱)「なんだ、意外といいとこあるじゃん」
ウッソ「価値観が麻痺してきてますよコウ兄さん!?」
795 : 通常の名無しさんの3倍2016/04/26(火) 12:20:53.21 ID:IoOYis2Y0
ヒイロ「イオ兄さんは感情のままに行動することは人間として正しい生き方だと教えてくれた。……俺もそうありたいと思っている」
コウ「お、久しぶりにまともな意見。ちなみにどこで教わったんだ?」
ヒイロ「競馬場と競艇場と競輪場での任務だ」
コウ「あ、やっぱり」
ウッソ「もう安定のオチですね」
アセム「いい年してあれだけフラフラして定職にも就かず火遊びもしてるのに、クローディアさんに捨てられないところかな。ロマリーは俺がちょっとなにかやらかすとすぐ機嫌が悪くなって別れる、とか言い出すからさ。
あれ? でもこれだと兄さんじゃなくてクローディアさんが凄いのか」
コウ「(これは褒めてるのかけなしてるのかどっちだ!?)」
ウッソ「(わかりませんよ、アセム兄さん天然なところありますからね)」
ガロード「え? イオ兄のいいところ? ドラム以外で? 小遣いをくれるところかな」
ジュドー「他の兄弟はくれないもんな、アムロ兄さんやロラン兄さんに禁止されてるとかで」
ガロード「でもイオ兄ってロクに働いてないよな。だとしたらあの金ってどっから出てきたんだ?」
ジュドー「やべえ……考えると(色んな意味で)怖くなってきた」
アル「遊んでくれるところ」
シュウト「兄ちゃんたちのなかでは一番付き合いいいよね」
アル「あ、でもバスケットボールとかバレーボールとかで本気になるのはやめてほしいかな」
シュウト「『ガキども、これが大人の力だ!』とか自信満々でいうもんね……勝てる訳ないじゃん、僕たち子供なんだから」
コウ「疲れた……」
ウッソ「僕もです……なんなんでしょうねこの疲労感は」
コウ「結局イオ兄さんのいいとこはロクに見つからなかったな……」
ウッソ「新たなダメエピソードは山ほど出てきましたけどね。兄さんにはなんて報告しましょう」
コウ「『ドラムが上手い』でいいんじゃないか? そこだけは兄弟みんな認めてるし」
ウッソ「そうですね、そうしましょうか」
>タダイマー
コウ「あ、シロー兄さんが帰ってきた。どうする、最後に聞きに行くか?」
ウッソ「やめときましょう。つきあいが長い分、きっと一番ボロクソ言いますよ」
コウ「それもそうか」
シロー「え、イオのいいところ?」
マイ「ええ。今日コウとウッソが聞いてきたんですよ」
ドモン「兄さんは何かあるか?」
シロー「うーん、ドラムがうまい。……それ以外で? そうだな、やっぱりあの自由なところだな。まあ行き過ぎるとちょっと腹も立つんだけど」
セレーネ「昔はよくケンカしてたもんね」
シロー「でも、それは多分あいつに嫉妬してたんだな。俺はつい気負いすぎるから、あいつの姿を見てると気付かされる。物事にこうあるべきなんてない、もっと自由に考えていいんだって」
マイ「それ、わかります」
シロー「俺がアイナと添い遂げると決めたのだって、アイツの影響かもな。ハハ、そういう意味では感謝してるし、尊敬してるよ。職務上、あの海賊放送はやめてほしいけどな」
最終更新:2016年05月19日 11:34