18 : 通常の名無しさんの3倍2016/05/04(水) 11:18:48.82 ID:zbHkmeCJ0
ミリアリア「今日も元気に取材先に行くか」
フレイ「どこ行くの?」
ミリアリア「一緒について行ってもらっていい? 今日はこの街の駅の中よ」

 ミリアリアとフレイは駅の中に入った。駅ではたくさんの人が歩いている。

フレイ「ここで何があるの?」
ミリアリア「あそこに駅の掲示板があるでしょ」
フレイ「あるね」
ミリアリア「そこに『XYZ』と書くと闇の仕事人が出てきて
      依頼人の困りごとを解決するんだって」

フレイ「はあ?」
ミリアリア「だからXYZって書くと『もうあとがない』って意味なんだって。
      その文字がここにあるとこの街をよく知る闇社会の人が出てきて
      解決できないような悩み事を処理してくれるんだって」
フレイ「それ、どこのTMネットワークよ。シティハンターよ」
ミリアリア「TMなら逆シャアに詳しいアムロさんがよく知ってるよ」

フレイ「そういうことではなくてね……」

 フレイとミリアリアは駅の掲示板を見た。
たくさんの文字に交じって白いチョークで本当にXYZと記す女が現れた。
レイン=ミカムラである。

19 : 通常の名無しさんの3倍2016/05/04(水) 11:21:12.88 ID:zbHkmeCJ0
フレイ「レインさんじゃないの!?」
ミリアリア「しっ、静かに! まだ誰か来る!」

 柱のカゲに隠れて様子を見るフレイとミリアリア。
XYZの言葉に答えて現れたのはセイラことアルテイシアだった。

セイラ「♪オー、セイラ迷わないでもっと感じるままにオー、セイラ……」
レイン「あなたが闇の仕事人?」
セイラ「探偵兼色々な職業をしていると言っておくわ」

ミリアリア「フェンスオブディフェンスよ! 
      シティハンターのフェンスオブディフェンスの『セイラ』!」
フレイ「はいはい」
ミリアリア「終わりのないディフェンスじゃないのよ!」
フレイ「はいはい!」

 グラサンをかけているセイラはレインになぜ呼び出したのか聞くことにした。
それにこっそりと聞き耳をたてるフレイとミリアリア。

レイン「この街の繁華街の地面に大穴があいたのは知っているでしょう?」
セイラ「耳が早いわね。警察が交通封鎖して行けないはずだけど」
レイン「ドモンが穴の中に偵察に行ったっきり戻ってこないの。
    ちょっと帰ってくる時間が遅すぎます」

 フレイとミリアリアはこっそり歩き始めるとセイラとレインの後を追った。
セイラ達が向かった先はドーベンウルフ乗りのラカンがいるオカマバーだった。

レイン「あの、なぜオカマバーに……?」
セイラ「情報収集と戦力補充はこの街では探偵の基本よ。
    この店にいい情報屋がいるのよ」

 セイラ達はバーの中に入っていった。
同じく後から向かったミリアリアは未成年だからという事で店員につまみだされた。

20 : 通常の名無しさんの3倍2016/05/04(水) 11:23:27.82 ID:zbHkmeCJ0
ミリアリア「ちくしょー!」
フレイ「これで取材もおしまいね」
ミリアリア「こうなったら仕方ない」
フレイ「どうするの?」
ミリアリア「大穴に先回りして取材よ」

 警察の交通規制をこっそりとそしてあっさりと突破した2人は
路面に開いた穴の近くまでたどり着いた。

ミリアリア「さて大穴の取材をしますか」
フレイ「どうするの?」
ミリアリア「中に入る。穴の中に落ちるともいうわね」

 ミリアリアはフレイの手をつかむと駆け出した。

ミリアリア「落とし穴へレディ、ゴー!」
フレイ「え、ええー!?」

 2人は穴の中へ落ち、落下中にミリアリアは手をフレイから離した。
そしてカメラを構える。

ミリアリア「ひゃっほーい!」
フレイ「誰か、誰か助けてー!」

 フレイへの救いの主は思わぬところからやってきた。
それはゴッドガンダムの手だった。
ゴッドガンダムはフレイを片手で優しくつかむともう一方の手のひらに乗せた。
そのまま穴の地下最深部の大空洞の地面に着地する。

ドモン「2人ともここで何やっているんだー!?」

 ミリアリアは落ちて頭から地面に激突した。
仮に常人なら頭蓋骨骨折はまぬがれないだろう……。

21 : 通常の名無しさんの3倍2016/05/04(水) 11:26:08.03 ID:zbHkmeCJ0
 この街のミリアリアは常人ではなかった。

ミリアリア「おー、いてて」

 ミリアリアは起き上がると今度はカメラの調子を見た。

ミリアリア「よし、カメラOK。ドモンさん、こんなところで何を?」
ドモン「あ、ああ。実はデビルガンダムがこの街の地下で暴れているんだ」

 フレイとミリアリアが振り向くと、
大空洞の奥に確かにデビルガンダムと多数のガンダムヘッドが見えた。

ドモン「あれを野放しにするわけにはいかない。だから俺は家に帰ることもできないんだ」
ミリアリア「あっさり倒しちゃえば?」
ドモン「それが変なんだ。デビルガンダムの動きはまさしく流派東方不敗の動き。
    そしてガンダムヘッドは倒せてもデビルガンダムにはうかつに近付けない。
    だけど師匠がDGコアになるはずもない」
ミリアリア「ふうん、なるほど。これは事件のにおいだわ。スクープの予感」

 ミリアリアはカメラをデビルガンダムに向けて写真を撮った。
ドモンは手の上のフレイをそっとおろすと
近づいてきたガンダムヘッド数体を殴って破壊した。

ドモン「あのデビルガンダムはいったい誰が乗っているんだー!?」

 その時、コアブースターとたくさんのドーベンウルフが上から現れた。
どうやら大穴から通ってきたらしい。
ミサイルやビーム兵器ではなく、
コアブースターはなんと人参をデビルガンダムに向けて放った。
ドーベンウルフの部隊も両手に抱えた人参を放り投げる。

ドモン「人参!? DGコアにコウでもいるのか!?」

22 : 通常の名無しさんの3倍2016/05/04(水) 11:29:18.35 ID:zbHkmeCJ0
 ガンダムヘッドは人参に反応して動いた。
デビルガンダムのコクピットが開く。そこにはDG細胞にからめとられた風雲再起がいた。

風雲再起「ひひーん。(助けてー)」
ドモン「風雲再起だと!?」
セイラ「そう。私はあるオカマバーの情報屋から情報を得たのよ。
    郊外の農家の人参が最近大量に奪われていると。
    そしてその現場の近くにはいつも大穴があいていると!
    私はこう推理した。すなわちデビルガンダムには風雲再起が強制的に乗らされていると!
    風雲再起に人参を食べさせるためにガンダムヘッドが動いているに違いない」

 ゴッドガンダムは無数のガンダムヘッドが人参に気を取られているうちに
風雲再起を救出した。

ミリアリア「おおっ、事件解決」

 ミリアリアはカメラで写真を撮っていた。

ドモン「これでデビルガンダムを倒せば一件落着だな」
セイラ「……そうでもなくてよ」
ドモン「何!?」

 セイラはコアブースターを着陸させるとおもむろに拳銃を取り出し
ミリアリアのカメラ目がけて撃った。

ミリアリア「えっ、せっかく集めた今回の取材データが……」
セイラ「残念だけど私が表に出て事件解決したとなると困るので。
    闇の仕事をやっているとアムロ達に知れたら私のことを心配するでしょう。
    ここにいるみんなも今日のことは他言無用よ」

 セイラはシティハンターの曲を歌いながら帰っていった。

ミリアリア「私のスクープが……」
ドモン「まあいいじゃないか。事件は無事解決したんだ」
ミリアリア「セイラさん、まったく謎の人ね。
      この街のガンダム兄弟の陰で警察以外にもいろんな人達が街の安全を守っているのね」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2016年10月23日 09:23