55 名前:とある日常…投稿日:2007/11/12(月) 13:49:11 ID:???
かなり前に書いたネタなんで、シンとシュウトが出てきませんので悪しからず…




第一話「アルの日常」



こんにちは、アルです。
この間、キラ兄さんのお友達のラクスさんから黄色のハロを貰いました。

黄色のハロ…

家にも兄さん達の作ったハロが沢山居ます。
喧嘩をしないか心配だったんですが、穏やかに過ごしています。
ちなみに…黄色という色があまり好きじゃなかったんで、色を深緑色に塗り替え、名前はなんとなくビクザムにしました。
この名前は兄さん達には不評でしたが、学校のドズル先生には好評だったので、良しとします。
何日かこのビクザムと過ごしている内、僕は思いました。



もっと格好良くしよう!



以前、僕はよくバーニーと一緒に、ザクのパーツを拾って来て修理や改造のお手伝いをしていました。
バーニーのお手伝いをしている内に、なんとなく機械の仕組みとかが分かる様になってきました。

バーニーも、

「アル…お前、飲み込み早いな」

なんて誉めてくれたりで…( ///)


そんな僕の中の改造魂?に火が付き、今部屋の中でビクザムを改造するところです。

幸い家の中には工具はもちろん、機械の部品やらジャンク品やら色々あるから助かってます。



56 名前:とある日常…投稿日:2007/11/12(月) 13:50:53 ID:???
第二話「アルの構想」


まず、どう格好良くするか…


そこでコウ兄さんの本棚からMSの図鑑を取り出す。

ざっと目を通す。

グフカスタムとかザクⅢとか気になった物はあったが、これだ!って言う目ぼしい物が無い。
MS図鑑を棚に戻すとMA図鑑を手に取る。
そこで気になるものを発見した。
アルのハロと同じ名前のビクザムだ。

「カッコイイー!!」

食い入るように眺める。そして疑問に思った。

「何で腕無いんだろ?腕ないとヒートホーク持てないのに…」

そんな疑問を心に残しつつ、そのままページをめくり、また気になる物を発見!
「これも格好いいなぁ。あぷさらす?って言うんだ……でも、こっちは腕どころか足も無い…」
ページをめくって行き全部見終えた後、MA図鑑を棚に戻した。

「中々いい物が無いなぁ……あ!そうだ!!」
思い出した様にMS図鑑を手に取った。
「確かここに良いMSあったような……これだ!!」
僕が見つけたのはザク頭のZガンダム。
「格好イイよなぁ。頭はザクで格好いいし、胴体がなんか高機動っほくて良いよなぁ…なんかカミーユ兄さんのZに似てるけど……でも…うん、良いよ!これ良いよ!!」
当初の目的を忘れ、本に見入ってましたアル。


よくあるよね?
片付けしてて、アルバムとか昔の本なんか見つけると見入ってしまって、仕事に手が付かない事ってwww



57 名前:とある日常…投稿日:2007/11/12(月) 13:54:15 ID:???
第三話「アルとロラン」



やっと最初の目的を思い出した僕は、僕の周りを飛び跳ねているビクザム(ハロ)を捕まえ考える。
どう改造するか…
アル「腕と足は必要だよなぁ……後は武器か…」
ビクザム(ハロ)「アル。オマエ、オレニナニスルキダ?」
アル「ビクザムをかっこよくするんだよ!」
ビクザム(ハロ)「オレハイマノママデジューブンカコイイ!」
アル「うるさいなぁ…大人しくしてろよ!」
ビクザム(ハロ)「オマエモナー」

ビクザムを部屋に残してパーツを探す為、部屋を出て物置に向かった。
色々と物色した後、両手いっぱいにパーツを持ち部屋に戻ろうとした。
するとロラン兄ちゃんが買い物から帰ってきた。

ロラン「アル、何してるの?」

アル「あ、ロラン兄ちゃん。ちょっとビクザム(ハロ)を改造しようかと思って…」
ロラン「ラクスさんからの頂き物でしょ?悪戯なんかしちゃいけませんよ」
アル「悪戯なんかじゃないよ!格好よくするんだよ!」
ロラン「…そうですか?じゃあ、そう言う事にしておきますか」
そう言ったロラン兄ちゃんは、少し考えてから僕の方に寄ってきた。
ロラン「…僕も手伝おうか?」
アル「一人でやるからいいよ」
ロラン「(心配だなぁ…)じゃあ、見るだけでも」
アル「しょうがないなぁ。見てるだけならいいよ!」
ロラン兄ちゃんは買ってきた物を片付けると僕と一緒に部屋に入った。
僕は床にパーツを並べてしばらく考える。
それをロラン兄ちゃんが上から覗き込む。
ロラン「どうするんですか?」
アル「今、考え中なの………腕……足…ブツブツ…」
ロラン「じっくり考えてくださいね」


58 名前:とある日常…投稿日:2007/11/12(月) 13:58:06 ID:???
第四話「ロランの助力」




僕が考え事をしている傍で、ロラン兄ちゃんはコウ兄ちゃんの本棚から適当に本を取り出し、読書を開始した。
僕はしばらく考えた後、玩具箱からあるものを取り出す。
以前バーニーから買ってもらったMGのPジオングだ!
以前、バーニーと遊んだ時、僕がダダをこねて買ってもらった記念の宝物だ…
給料日前で生活が厳しかったバーニーが、お前が欲しいならと買ってくれた物だ。

Pジオングを手に悩んだ。

アル「ちょっともったいないけど…こいつの腕と足を使う!!」
本当にすまない、Pジオングよ……ジオン公国技術力の集大成であるお前をこんな形で失うとは…流石の僕も胸が痛む思いだよ…
でも耐えてくれ…再びジオンの理想を掲げる為、新ビクザム成就の為、お前を利用する事を許してくれ!!
僕がそんな事を考えていると、ロラン兄ちゃんが本を床に置き、寄ってきた。
ロラン「それをどう使うの?」
僕は自信満々でロラン兄ちゃんに答える。
アル「この腕と足をビクザムの手足にする!」
ロラン「でもそれ、プラスチックでしょ?足とかハロ…じゃなかった。ビクザムの重さに耐えられるの?」
ロラン兄ちゃんの指摘は的確だ。
所詮Pジオングはプラモデル…多分重さに耐えられなくて壊れると思う。

ならどうする?

考える僕の隣でロラン兄ちゃんは僕の持ってきたパーツを品定めしている。
そして金属のステーを手に取り僕に見せる。
ロラン「廃材でステンとかアルミステーとか色々あるから、それをフレームにする?」
さすがロラン兄ちゃん!
控えめで的確な発言。大好きである!
アル「ロラン兄ちゃん……僕と一緒に作る?」
ロラン「アルがいいなら…一緒に作ろうか!」
アル「うん!」
やっぱりロラン兄ちゃんはいいなぁ。
アムロ兄ちゃんとかカミーユ兄ちゃんは手伝うとか言って自分で全部完成させちゃったり、ジュドー兄ちゃんとガロード兄ちゃんは変なのに改造しちゃうし……僕にやらせてくれないんだもの。
このロラン兄ちゃんの控えめな優しさ…
他の兄さん達にも見習ってもらいたいものです。


59 名前:とある日常…投稿日:2007/11/12(月) 14:01:39 ID:???
第五話「完成間近!」




そんなこんなで、いよいよ完成間近!

ロラン兄ちゃんが手伝ってくれたおかげで作業がテキパキ進んでよかった。
問題のビクザムを支える足はロラン兄ちゃんの指示でフレームから補強が済みバッチリです。
全体的な強度アップの為、プラスチックの装甲を外し、アルミパネルを加工して装着!
このビクザムの足は飾りじゃないんです!
歩くし、走る事もジャンプする事も出来ます!!
しかも足の裏にローラーとモーターを入れて高速移動できます!
それはもうドムのホバー走行の様に!
もちろん腕も動きます!
指だって動くようにロラン兄ちゃんが頑張ってくれました!
…どんな風に作ったかは難し過ぎて僕にはわからないけど…


そして頭には指揮官用の角!

イイ…

格好イイ…
すごくいいです!
皆さんに見せられないのが残念です!

装備はザクマシンガンとザクシールドとヒートしないけど切れ味鋭いヒートホーク。
ザクシールドはステンパネルとアルミパネルを二枚重ねして中骨を入れて強度を確保。さらにトゲトゲも付けちゃいました。
ザクマシンガンはモデルガンを改良して完成。
本当はBB弾を使いたかったけど、ロラン兄さんに危ないので駄目って言われて断念しました。
もちろん後でロラン兄さんに内緒でBB弾のザクマシンガンを作る予定です…www
ヒートしないけど切れ味鋭いヒートホークは、ヒイロ兄ちゃんのところに有ったナイフの地金となる特殊な鋼材板を加工して作りました。
この切れ味はロラン兄ちゃんには内緒ですwww


60 名前:とある日常…投稿日:2007/11/12(月) 14:03:38 ID:???
第六話「ビクザム大地に立つ!」




ロラン「出来たね」
アル「うん!ロラン兄ちゃんのおかげだよ!!僕一人だったらここまでは無理だったかも…」
ロラン「そんなこと無いよ。ほとんどアルがやったんじゃないか。関心するよ」
アル「へへへへ」
ロラン兄ちゃんが僕の頭をなでる。なんか恥ずかしいな。
ロラン「さ、最後の仕上げです。配線を間違えると動かなくなっちゃうから気をつけてね」
アル「うん!!」

ビクザム(ハロ)のメインCPUと、改造したパーツの配線をロラン兄ちゃんの指示でつなげる。
最後の配線が繋がったるとビクザムが動き出した。

ビクザム「ハ…ロ……ハロ…ハロハロ」

アル「動いたー!!」

ロラン「やったね、アル!!」

いやぁ、本当に嬉しいよ。
作ったものが動き出す瞬間は感動だね。
苦労した甲斐があるってもんだ!

ロラン「それじゃあアル。僕は夕食の支度あるからここの片付けをしておいてね」
アル「うん!わかってる!!ロラン兄ちゃんありがとう!!」

ロラン兄ちゃんは夕食の支度に台所へ戻っていく。
僕はさっさと片づけを終わらせてビクザムと戯れる。



その時はまさかあんな事が起きようとは夢にも思いませんでした。


61 名前:とある日常…投稿日:2007/11/12(月) 14:07:29 ID:???
第七話「悲劇への序曲…ではない。その1」




コウ「ただいまー!」
ロラン「お帰りなさい!もう少しで夕食の出来ますから」
玄関から居間に移動するコウ。其処にはいつもの家族が居た。
コウ「ゆっくりでいいよ!あれ?アムロ兄さんとシロー兄さんは?」
キラ「二人とも仕事で遅くなるって。もしかしたら会社に泊まるかも…だって。ドモン兄さんは今朝から行方知れずです」
シーブック「ドモン兄さんは修行だぜ?レインさんと一緒に…なんの修行なんだか…」
ジュドー「あれ?コウ兄、買い物袋…それ何?」
コウ「ん?これか?フヘヘヘ、これか?」
皆の前で買い物袋を高く上げ見せびらかすコウ…
ガロード「もったいぶらないで、見せろよ」
袋からひとつの箱を取り出した。
コウ「じゃーん!RCドム!!」
ジュドー「また無駄金を使って…」
コウ「なんだよ!別にいいじゃねーか!」
ガロード「そんな物買わないで自分で作ればいいじゃん」
ジュドー「そうそう。アルを見習ってさ」
コウ「アルを?なんか作ったのか?」
ガロード「ああ、格好よかったぜ!見た目はアレだけど、中々いい線いってたな」
ジュドー「確かに。俺的にあのセンスは頂けないが、熱意は伝わった」
コウ「なんだよそれ?」
ガロード「部屋に行ってみれば?カミーユ兄とウッソ居るから」
コウは階段を駆け上がり部屋に向かった。
部屋の前に立つと中から楽しげな声が聞こえる。
コウは一息付くと部屋の扉を開けた。
コウ「ただいま~」
ビクザム「オ帰リ、オ帰リ。コウ、オ帰リ!」
コウ「げっ!?何だそれ!!」
アル「お帰り!いいでしょ?進化したビクザムだよ!!」
ウッソ「アハハハ!お、お帰り!コウ兄さん、これ最高だよ!!」
カミーユ「機動性もいいし、本当すごいよ!」
ビクザム「月ハ出テイルカ」
コウ「アル、これお前が作ったのか?」
アル「うん!!そうだよ!」
コウ「凄い…てか、ハロの言語能力も以前よりはっきりしている」
アル「そりゃあもちろん!言語機能も三倍にアップだよ!…あれ?コウ兄ちゃん、後ろに隠してるの何?」
コウ「え?ああ、これか…じゃーん!RCドム!!」


62 名前:とある日常…投稿日:2007/11/12(月) 14:10:43 ID:???
第八話「悲劇への序曲…ではない。その2」



ウッソ「コウ兄さん……それ、買ったんだ…」
カミーユ「また無駄金を使って…」
ビクザム「無駄ガネ~、無駄金!」
コウ「な、なんだよ!お前らまで!」
ウッソ「いや、アルの努力の結晶を見た後だと、どうでもいいって言うか…」
カミーユ「はっきり言って、呆れてるよ。どんな大枚叩いたかは分からないけど、玩具と自分の対象年齢を考えろよ!」
コウ「カミーユ…お前、たまにグサッと来る事言うな……でもな、こういった玩具は男の永遠の宝物なんだよ!」
カミーユ「そんな事を言っているから未だに彼女が出来ないんだよ…
カミーユはやれやれといった表情で部屋を後にした。
コウ「うう…返す言葉が…」
ウッソ「カミーユ兄さんが言った事、気にしないほうがいいよ。コウ兄さんはコウ兄さんなんだから。今のままで十分…」
コウ「…今のまま彼女も出来ず、チェリーボーイでいろってか?」
ウッソ「そ、そんな事…言ってない!」
ウッソは猛ダッシュで部屋から逃げた。
ビクザム「チェリボーイ!チェリーボーイ!」
コウはやり場の無い怒りを胸に、買ってきたRCドムを抱いたままベットに寝転んだ。
RCドムの取り説を読んでいるとアルが近寄ってきた。
コウ「何だよ?」
アル「コウ兄ちゃん……それ」
コウ「?」
アル「それカッコイイね!!いいなぁ、RCのドムかぁ…高かったでしょ?三機集めてジェットストリームアタックとか出来るんじゃない?」
コウ「い、いやぁ。流石に三機集めるのはお金が無い…」
アル「コウ兄ちゃん、動かしてみてよ!」
コウ「お?おお…」
アルに急かされる様に、コウはドムの電源を入れリモコンを手にした。
コウ「いいか、アル……動かすぞ!」
アル「うん!」
カチッ
ウイン…ウイィ~ン
アル、コウ「動いたー!!」
ビクザム「アタリマエダー」
コウ「…なんかこいつ、さっきから五月蝿いなあ…」
RCドムは軽快な動きで床の上を走る。ドムを巧みな操縦で動かすコウ。
それをキラキラと目を輝かせながら見つめるアル。
そのアルに嫉妬したのか、RCドムがムカつくのか…ちょっとイラつきをみせるビクザムは、アルが作ったヒートしないけど切れ味鋭いヒートホークを持ち、ブンブンと素振りしている。
アル「ねえ、兄ちゃん!」
コウ「なんだ?」
アル「僕のビクザムとそのドム、対決しない?」
コウ「だ、駄目だよ!お前のハロが勝つに決まっている!」
アル「いや、戦いじゃなく、どっちが早いか駆けっこ競争!」
コウ「ああ、それだったらいいよ。ここじゃあ狭いから外でやろうか?」
アル「うん!」
ビクザム「…(ニヤリ)…」


63 名前:とある日常…投稿日:2007/11/12(月) 14:14:33 ID:???
次回から新タイトルに変わります。


新タイトル「?」
第一話「何故か大事になる日常www」


お楽しみに。



なお、この物語は色んな意味でパラレル扱いで願います。
シンとシュウト居ないしね…www



では、また後ほどに(^^


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G・グランプリ! アルフレッド・イズルハ ガンダム一家 長編

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最終更新:2019年04月29日 21:56