255通常の名無しさんの3倍2018/11/05(月) 08:32:00.41ID:dFA0KjwI0
今日もミリアリアはフレイと共に取材に来ていた。
取材先はシャアのところである。
シャア「……まあ、私の生い立ちはこんなところかな」
ミリアリア「取材ありがとうございます。
最後にカメラでシャアさんの写真をとっていいですか?」
シャア「それはかまわないが……」
さっそくカメラで写真をとるミリアリア。
すると彼女はあることに気づいた。
ミリアリア「ん? シャアさんの表情がすぐれないようですが……」
シャア「わかってしまったか。
実は取材中にも考えていたのだが、
日ごろお世話になっているアムロの家族に
何かお礼ができないかと思ってな」
と思案顔のシャアにそばで立っていたドレンが声をかけた。
ドレン「それならいい方法がありますよ」
シャア「いい方法? 教えてくれ」
ドレン「
ガンダム兄弟達の家に行って料理をふるまうのはどうでしょう」
シャア「料理か。しかし私は特に料理するのが得意でもないし……」
ドレン「家事の師匠を頼むならそこにいるじゃないですか」
ミリアリア「え? 私? そんな照れるなあ。家事の師匠なんて」
ドレンは違うというように首を横にふった。
ドレン「ミリアリアじゃない。ほら、そこにいるじゃないですか。
フレイ=アルスターが」
256通常の名無しさんの3倍2018/11/05(月) 08:34:11.53ID:dFA0KjwI0
数日後のこと。アムロ達が暮らしている家にシャアが現れた。
両手に2つのスーパーの袋を持っている。
袋の中には大量の食材が入っている。
アムロ「どうしたんだ、シャア?」
シャア「今日はいつもお世話になっているアムロの家族達に
料理をふるまおうと思ってやってきた。
台所を使わせてくれ」
アムロ「それはかまわないが……。
いったい何があったんだ?」
シャア「ドレンの発案でな。ここ数日、フレイに家事を教わっていたんだ」
アムロ「ドレンとかフレイとか話がよくわからないんだが……」
シャア「とにかくアムロ達に私の料理を食べてもらおうと思う。
台所に案内してくれ」
ロラン「ではこちらに」
257通常の名無しさんの3倍2018/11/05(月) 08:36:33.01ID:dFA0KjwI0
シャアは両手の手袋を脱ぎ、キッチンに食材を並べ始めた。
アムロ「何を作るんだ?」
シャア「まずサラダに赤いドレッシングだな。
それから赤い刺身をスーパーで買ってきた。
これを包丁で切ろう。
それから赤い肉を焼いたり、ハンバーグを作ったり。
ハンバーグには赤いケチャップだ。
最後に赤いトマトジュースも購入した。
みんなで飲もう」
アムロ「さっきから『赤い』ばっかり言ってる気がするな…」
シャア「そんなことはない。これくらい普通だ」
というわけでシャアは調理を始めた。
1分経ち、2分経ち……、
長い時間がかかったがなんとかシャアは料理をすべて作ることができた。
さっそくテーブルの上に置く。
シャア「さあ、メニューが完成した。みんなが食べてくれると嬉しい」
アムロ「残念だがまだ俺は食べられないな」
シャア「何? 料理は完成したはずだぞ?」
アムロ「ああ、そうだな」
シャア「すると……、まさかアムロは私の作った料理を
食べられないというのか!?」
アムロ「違う。もちろん俺は食べるさ。
しかし一番にこの料理を食べさせたい人がいる」
シャア「アムロが一番にこの料理を食べさせたい人? それは誰だ?」
アムロ「もうシャアの後ろにいるぞ」
シャア「何だと!?」
シャアが後ろを振り返った先にはセイラがいた。
シャア「アルテイシア!?」
258通常の名無しさんの3倍2018/11/05(月) 08:39:42.03ID:dFA0KjwI0
セイラ「キャスバル兄さんが料理をするなんて……」
セイラは泣いていた。
セイラ「信じられない」
シャア「私が料理をするのがそんなに珍しいか?」
セイラ「だって兄さんはMSの操縦は上手かったかもしれないけれど、
家事は全然出来なかったじゃない!
MSの動きは3倍の速度だったかもしれないけれど
料理全然出来なかったのに……。
嬉しい」
シャア「アルテイシア……」
アムロ「さあ、セイラさん。この料理を最初に一口食べてみてくれ」
セイラ「ええ、おいしい……」
シャアはまだびっくりした顔をしている。
シャア「アムロが妹を呼んだのか?」
アムロ「ああ、シャアが長い時間かけて調理している間に電話で呼んだ」
セイラ「兄さん、その手のばんそうこうの数……」
シャアの素手には無数のばんそうこうが貼られていた。
シャア「これは包丁で切ったりしたあとだな。
これぐらい何でもない」
セイラ「兄さん……」
アムロ「さあ、みんなでシャアが作った料理を食べようか」
そうアムロがいうとテーブルの上に置かれた料理を兄弟達みんなは食べ始めた。
その頃、ミリアリアとフレイは……。
ミリアリア「フレイ、いいことしたわね」
フレイ「何のこと?」
ミリアリア「シャアさんの料理の特訓のことよ」
フレイ「あのこと? 私は何もしていないわ。本人の努力のたまものよ」
ミリアリア「いやいや、家事万能のフレイ!」
フレイ「だからあれは本人の努力の結果」
ミリアリア「さすが品行方正なフレイね。さて、次の取材にレッツゴー!」
今日もミリアリアと連れてこられたフレイの取材は続く……。
最終更新:2019年06月18日 22:35