810通常の名無しさんの3倍2019/04/28(日) 21:16:00.00ID:2Zjnfu9N0>>815
どこかの廃倉庫
シャア「……ハッ、ここはどこだ。(ガチャガチャ)なぜ縛られている!」
???「よお、お目覚めかい“赤い彗星”」
シャア「
誰だ君は。君が私を拉致したのか」
???「そう。ちょっとばかりアンタに用があってな。俺はゾルタン・アッカネン。見ての通りのお笑い芸人だ」
シャア「お笑い芸人……? 軍服を着ているようだが」
ゾルタン「ハッ! こんな趣味丸出しの馬鹿みたいな服着た軍人がどこの世界にいるんだよ!」
シャア「そ、それは
ガンダム世界では禁句だぞ!」
ゾルタン「まあアンタをさらった理由は追々話すがね。ただその前に、ちょっとばかりイタい目に遭ってもらおうか」
シャア「くっ! 何をしようが私は貴様に屈したりせんぞ!」
ゾルタン「その減らず口がどこまで続くかな。……これ、見覚えがあるだろ?」
シャア「わ、私が若いころ着けていた仮面とヘルメットだと? まさかそれを……」
ゾルタン「被せちゃうんだなぁ! これがぁ!」
シャア「うわあああああ! 若気の至りが恥ずかしいぃぃぃ!!」
ゾルタン「ついでにシャツの袖をまくってエゥーゴスタイルにしちゃうんだなこれがぁ!」
シャア「やめろぉ!最近ジムをさぼってせいで二の腕に肉があ!」
ゾルタン「最後に今の姿を撮ってSNSにアップしちゃうんだなぁこれが!!」
シャア「うおおおお! いっそ殺せぇぇぇぇぇ!!」
数分後
シャア「ハア、ハア……君の目的はなんだ。私に何の恨みがあって
こんなことをする?」
ゾルタン「恨み、ね。アンタ個人に恨みはないさ。なんせ初対面だからな」
シャア「ならばなぜ」
ゾルタン「ただアンタのせいで俺は大切な人間を失った。……フル・フロンタル、知ってるだろ?」
シャア「フロンタル? まあ知らないといえば嘘になるが」
ゾルタン「俺は今でこそヨゴレ芸を得意とするピン芸人だが、昔はコンビだったのさ。フル・フロンタルとな」
シャア「なんだと?!」
ゾルタン「『シャアの再来』ってコンビ名でな。結構人気だったんだぜ? 知らないか?」
シャア「すまない、あいつが元芸人だということも初めて知った」
ゾルタン「ダブルボケダブルツッコミに続くダブルシャア漫才が芸風で」
シャア「(ダブルシャア漫才…?)」
ゾルタン「賞レース常連でブレイクも目前だった。だがなぁ! ある日あいつは突然コンビを解消して俺の前から消えていった! 何故だ!」
シャア「わ、私に聞かれても困る!」
ゾルタン「アンタの
影武者をやるためだよ! アンタに何かあったときの為にネオ・ジオン社がスカウトしたんだ!」
シャア「そうだったのか……いや、知らんぞ!?」
ゾルタン「確かに俺はシャアの物真似もイマイチで、あいつに頼っていたところはある」
シャア「だから私は知らんと……話を聞かんヤツだな!」
ゾルタン「だが、じゃない方芸人だって見捨てられりゃ傷つくし腹も立つんだがね。だからこの恨み、アンタで晴らさせてもらう!」
シャア「話を聞け! 相方を失った君のつらさもわかる。だが……」
811通常の名無しさんの3倍2019/04/28(日) 21:19:47.17ID:2Zjnfu9N0
???「……そこまでだ、ゾルタン」
ゾルタン「この声は……お前かよフロンタル!」
シャア「全裸か!」
フロンタル「いかにも私だ。久しぶりだなゾルタン・アッカネン」
ゾルタン「本当に久しぶりだ。よくここがわかったな」
フロンタル「当然だ。ここは昔、よくネタ合わせにつかった場所だからな」
ゾルタン「ああ、思い出の場所だ。そして、おまえ達二人に復讐する場所でもある!」
シャア「だから話を聞けと」
フロンタル「……ゾルタン、君は一つ思い違いをしている」
ゾルタン「思い違いだと! お前は俺を裏切って、シャアの影武者に……! 一緒にお笑いでテッペン取ろうと誓ったのによ!」
フロンタル「そこが勘違いなのだ。誘われたからではない。私は、自分の意思で君とのコンビを解消した」
ゾルタン「っ!!」
シャア「どういう意味だ?」
フロンタル「ずっと考えていたのだ。私とゾルタンとでは笑いに対する認識が違うと。だからあれ以上コンビは続けていけなかった」
ゾルタン「そうだったな……お前は裸芸をやりたがったが、俺が下ネタは嫌だと断ったんだ」
フロンタル「一方で君はキレ芸やすべり芸、ドッキリといったヨゴレの仕事をやりたがった。私は上品でない笑いはやりたくない」
シャア「聞いてる限り、どっちもどっちだと思うのは私だけだろうか?」
ゾルタン「だからコンビを解消した、ってわけか……」
フロンタル「そうだ。私が私らしく、ありのままでいられる場所を求めてな」
シャア「いや、誰もお前が全裸でいることを良く思ってないがな?」
フロンタル「話は終わりだよゾルタン。着衣の私は返してもらう。……久しぶりに話せて嬉しかった」
ゾルタン「待てよフロンタル! わかってた。本当は全部わかってた。だから……これが俺の覚悟だ!」(脱衣)
フロンタル「ゾルタン……君……君のその姿、そのスリングショット水着は……!」
ゾルタン「ずっと着込んでたんだ。いつお前と再会してもいいようにな」
フロンタル「あれほど下ネタは嫌だと拒否していた君が……!」
ゾルタン「なあ、フロンタル。やっぱり俺、お前じゃなきゃダメみたいだわ。もう一度、俺と笑いのテッペン目指さないか? お前自慢のシャア物真似と裸芸でよ!」
フロンタル「ゾルタン……私こそすまない。いつのまにか私も驕っていたようだ。『シャアの再来』は私あってのコンビだと」
ゾルタン「今更怒りはしねえさ。事実だろ」」
フロンタル「だが君は、私が去ったあともずっと一人お笑いに打ち込み続けた。テレビで見ていたぞ、君のヨゴレ芸。見事に滑っていたな」
ゾルタン「よせよ、照れるぜ」
シャア「今のは誉め言葉なのか?
フロンタル「ゾルタン……君にその気があるのなら、もう一度私とコンビを組んでくれないか?」
ゾルタン「その言葉……ずっと待ってたぜフロンタル」
シャア「よくわからないが話はまとまったようだな。ならばとりあえず私を解放して……」
フロンタル「そうと決まれば早速ネタ合わせをせねばなるまい!」(スリングショット水着装着)
ゾルタン「いいぜ? だが久しぶりのネタ合わせだ。
せっかくだから観客が欲しいな」
フロンタル「ふ、観客ならいるだろう、ここにもっとも相応しい男が」
シャア「」
ゾルタン「そうだったな。なら行くぜフロンタル! 『シャアの再来』のショートコント」
フロンタル「“放課後毒電波クラブ”」
ゾルタン「俺はN極!」
フロンタル「私はS極!」
ゾルタン・フロンタル「「僕たち、放課後毒電波クラブ!!」」
シャア「う、うおおおお! 股間を近づけるなあああああああああぁぁぁぁ…………」
812通常の名無しさんの3倍2019/04/28(日) 21:20:35.71ID:2Zjnfu9N0
三日後
ナナイ「SNSに投稿された画像の位置情報からすると、社長がいるのはここですね」
クェス「この画像見たときは何はしゃいでるのかと思ったけど」
ギュネイ「まさか監禁されてるとはな」
ナナイ「とにかく行くわよ」
ナナイ「社長! 社長どこですか?」
シャア「お、大きな袋が近づいたり遠ざかったり……おいなりさんかな? いや違うな、おいなりさんはもっとバァーって……」
クェス「精神崩壊してる……」
ギュネイ「よっぽど恐ろしい物でも見たって感じだな」
ナナイ「しゃ、社長~!!」
ゾルタン・フロンタル「「今年のM1はもらった!!」」
最終更新:2019年09月18日 16:34