51オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/06/08(土) 20:54:17.93ID:fCAk2fDW0
 日登町のどこか。
 周りには誰もいない、暗い闇の中。
 フル・フロンタルはシナンジュのコクピットにいた。
 その姿はいつもと異なり、ノーマルスーツに身を包んでいる。

フロンタル「……ああ、そうだ。どうやらリボンズは敗北したようだよ」

 彼は誰かと交信していた。
 相手の声は小さく、会話の内容は聞き取れない。
 だがフロンタルの話しぶりから察するに、随分親しい相手のようだった。

フロンタル「そうだな。彼もあとは傍観者に回るつもりだろう。ならばそろそろ、我々も次のフェーズに移らなくては」

 フロンタルはモニターに表示されたデータを見た。
 日登町全域に仕掛けた通信障害が解除されるまで、あと30分弱。
 彼と、彼の『協力者』にとっては十分すぎる時間だ。

フロンタル「では、そちらは任せた。……ああ、そうだな。君も、ガンダム兄弟によろしく言っておいてくれたまえ」」

 そういって通信を切った。
 別のモニターには、現在日登町で発生している戦闘の映像が流れている。
 その一つに、空中で激しくぶつかり合うデスティニーガンダムとレジェンドガンダムの姿があった。

52オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/06/08(土) 20:54:50.99ID:fCAk2fDW0
日登町 銭湯サテリコン周辺

シン・アスカ【デスティニーガンダム】 VS レイ・ザ・バレル【レジェンドガンダム】

 二人の戦闘は熾烈を極めていた。
 親友同士、何度となく摸擬戦も行ってきたため、
 お互いの戦闘のクセはよくわかっている。
 だからこの戦いは長引く――レイはそう予想していた。

シン「うおああああああ!」
レイ「またドラグーンを落とされた。押されているのか、俺が……!」

 だがしかし、ここに来て状況はシン優勢へと徐々に傾いてきていた。
 すでに10基のドラグーンのうち、6基までが失われている。

レイ「やはり摸擬戦と実戦は違うな。シンは、実戦の中でこそ力を開花させる男だということか」

 レイの背後では、複座型に改装したシートにデュランダルが乗っている。
 彼は先ほどから誰かと連絡を取り合っているようだ。
 会話の内容はわからないが、随分親しげな様子だ。

デュランダル「……わかった。ああ、君の方もよろしくいっておいてくれたまえ」
レイ「ギル。俺はどうやらここまでのようです」
デュランダル「そうか」
レイ「向こうのビルの上で下ろします」

 レイは残った6基のドラグーンを全て展開し、オールレンジ攻撃を仕掛けた。

シン「こんなもの!」

 デスティニーガンダムが対処に回っている間に、
 レイは機体をビルにつけ、デュランダルを下ろした。

デュランダル「ありがとう。巻き込んですまなかった」
レイ「いえ、俺の方こそワガママに巻き込んでしまいました」
デュランダル「ならばお互い様だな」

 そういうと二人は少しだけ笑いあった。
 やがて、全てのドラグーンを撃墜したデスティニーガンダムが二人の方へ迫ってくる。

レイ「もう行ってください」
デュランダル「彼と決着をつけるのだな?」
レイ「はい」
デュランダル「くれぐれも、身体には気を付けて」
レイ「はい」

シン「レイ……」
レイ「シン……決着をつけよう」

53オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/06/08(土) 23:33:05.22ID:fCAk2fDW0
銭湯サテリコン近くの路上

ルナマリア「やめて! わたしのために争わないで!!」
ルイス「あ、でた」
ネーナ「女の子が一度は言ってみたいセリフTOP10に入るヤツね」
カテジナ「あの言ってやったぜって感じの顔、ムカつくわ」

シン「レエエェェェェーーーーーーーイ!!」
レイ「シン……来い!!」

セシリー「こっち見向きもしないわね」
クーデリア「二人だけの世界に入ってますね」
ルー「一応これ、ルナマリアを巡っての争いって話じゃなかったっけ?」
ファ「完全に蚊帳の外に追いやられてるねルナ」
ルナマリア「ム、と、遠いから聞こえてないだけだもん! やーめーて! わーたーしーのたーめーに、あーらーそーわ(ry」
ザコ「健気な努力ザコ」

 そんな路上の騒ぎとは裏腹に、二人の戦いは決着が近かった。
 突き出されたビームジャベリンを回避し、デスティニーガンダムはパルマフィオキーナで
 レジェンドガンダムの右腕を破壊する。

レイ「くっ!」
シン「終わりだ、レイ!」

 右背部のアロンダイトを抜き、デスティニーガンダムはレジェンドガンダムの肩口に切りつけた。
 そしてそのまま大剣を振り下ろし、左肩から先を切断する。

パーラ「決着、ついたのか?」
ザコ「そのようザコ」

 レジェンドガンダムはサテリコン近くの路上へと落ちた。
 その後を追うように、デスティニーガンダムもまた地上へ舞い降りる。

レイ「お前の勝ちだ、シン」
シン「レイ……!」

 吹っ切れたような表情で微笑むレイ。
 対照的にシンはどこか苛立っているように見えた。

ルー「あ、いたいた」
セシリー「決着、ちゃんとついたみたいね」
ルナマリア「やめて! わたしのために争わないで!!」
シン「ごめん! ちょっと黙っててくれるかな」
ルナマリア「あ、す、スンマセンした……」
シン「レイ、教えてくれよ。どうして俺たちが戦わなきゃならなかったんだ?」
レイ「フ……言っただろ? 俺はルナが好きだからって」
シン「そんな嘘はもういいよ」
ルナマリア「ファッ!?」
レイ「やはりお前にはお見通しだったか」
シン「当たり前だろ! そんな一秒でバレるような嘘をつきやがって!」
ルナマリア「」
ネーナ「あ、やっぱウソだったか~」
クーデリア「そうだったんですか!?」
ルイス「短いモテ期だったねルナ」
レイ「なら、どうして俺と戦ってくれたんだ? 嘘とわかっていながら」
シン「なにか大事な理由があると思ったんだよ。嘘をついてまで俺と戦いたい理由が。なあ、もういいだろ? 聞かせてくれよ理由を」

 レイは観念したかのように息を吐いた。
 そして周りに聞こえないようクローズ回線にすると、ゆっくりと理由を話し始めた。

54オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/06/08(土) 23:42:59.81ID:fCAk2fDW0
レイ「別に大した理由はない。ただ、単純にお前と戦ってみたかったんだ」
シン「だから! なんで!」
レイ「それが俺の、死ぬまでにやっておきたいことリストの一番上だったからだよ」
シン「なっ……!」
レイ「俺はクローンだ。そのせいで寿命があまり長くない。お前も知っての通りな」

 レイの告白に、シンは一瞬言葉を失った。
 この話を聞いたのは、実は初めてではない。
 その時も、淡々と話すレイの姿に、ひどくショックを受けたことをシンは覚えていた。

シン「で、でも! それはデュランダル議長たちが治療薬を作ってるって、必ず治るって……!」
レイ「そうだ。でも、ひょっとしたら治療薬の完成に俺の寿命が間に合わないかもしれない」

 だから、とレイはいった。

レイ「だから俺はバケットリストをまとめてるんだ。何事にも、備えは必要だろ?」

 バケットリストとは死ぬまでにやっておきたい事をまとめたものだ。

レイ「俺は一度、お前と本気で戦ってみたかった。だからこの機会に相乗りさせてもらった。お前には迷惑だったろうけどな」
シン「迷惑なんて、そんなこと!」
レイ「ありがとう。俺と戦ってくれて」

 笑顔で礼を述べる彼に、シンは何も返す言葉がなかった。

ルナマリア「ね~え! なに二人で喋ってるのよ! わたしも混ぜなさいよ!」

 その沈黙を破ったのはルナマリアの気の抜けた声だった。

ファ「やめなさいよ。たまには男の子ふたりきりで話したいことだってあるでしょうに」
パーラ「男二人が密室で二人きり……なにも起きないはずがなく」
クーデリア「ああ! こういうのシン×レイというんでしたっけ? それともレイ×シン?」
カテジナ「クーデリアさん、あんたまたロマリー辺りにおかしなこと吹き込まれたわね」
クーデリア「え、わたし変なこと言いました!?」

 あまりにも変わらない、外の様子に二人は思わず笑いあった。

シン「とにかく、一度ここから離れよう。アムロ兄貴たちのケンカもまだ続いてるみたいだし」

 シンはコクピットから手を伸ばし、レイを引き上げた。

シン「そういえばデュランダル議長はなんでここに来たんだ? 今はいないみたいだけど」
レイ「そうだ。ギルからお前に伝言があったんだ」
シン「伝言って?」
レイ「今すぐ家に戻れ。フル・フロンタルの手の者たちがお前の家を襲撃しようとしている」  


日登町 ガンダム兄弟家近辺

アンジェロ「準備はいいか。これより、大佐の計画における最大の障壁、ガンダム兄弟を排除する!」




55通常の名無しさんの3倍2019/06/09(日) 00:52:17.40ID:fiPxU3u60
気になるぅ支援!

シャクティ「ロマリーさんはアセゼハ派ですか?ゼハアセ派ですか?」
ロマリー「うーんどちらもそれなりにエモいのよね。作家さん次第と言ってもいいかもしれないわ」
シャクティ「カプ論とは無縁なんですね…見習いたいその姿勢」
ティファ「(ロマリーさんはアセムさんの彼女だったんじゃ…ガロードのお兄さんも大変なのね)」

56通常の名無しさんの3倍2019/06/09(日) 01:35:14.21ID:KaI0V+J00>>57>>60
支援追加ぁ!



…ただ無粋を承知で言うと、アンジェロは「フロンタル様」とは言わないと思うぞ。基本は「大佐」だろう
(※編集者注:勝手ながら該当箇所を「大佐」に修正しています。他の言い回しをご希望の場合、各自修正を願います)

避難所向けの話題かもしれんが、数多くの職人たちに聞きたい。
過去に「シリーズ全部観てるわけじゃないし、今後も観るつもりはない」と断言する方が何人がいたが、作品によく知らないシリーズのキャラをどうしても出さなければならない場合、そのキャラらしい台詞(上述の呼び方なども含む)をどうやって作ろうとしてますか?

57通常の名無しさんの3倍2019/06/09(日) 03:45:18.70ID:zBM1ipu40
56
基本、勢いでやってる。一回それで失敗したけど、それはそれで良い経験になった

「このネタではこういう口調」「たまたまそういう気分だっただけ」って強引に解釈してもいいし
何なら自分でWikiに修正版をのせても良い

ググればセリフや感想とかも出てくるご時世だから、どうしても心配なら調べてもいいかも

長文失礼しました

58通常の名無しさんの3倍2019/06/09(日) 20:56:02.34ID:LHtsAewjO
オッス携帯から投下してるんだけど(ガラケな)そりゃその場ののりって大事だと思うよ



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最終更新:2023年02月09日 13:36