166通常の名無しさんの3倍2019/07/01(月) 17:49:18.29ID:1W3I+iKq0
今日はリリーナが
ガンダム兄弟の家にやってきていた。
リリーナ「実はお願いがあってきました」
ヒイロ「何だ?」
リリーナ「お兄様とノインさんがデートをするらしいので何かいい案がないかと」
ヒイロ「いい案……」
ヒイロがしばし考えているとセレーネが声をかけた。
嬉しそうな顔をしている。
セレーネ「いい案って要するにどこに行くかとか何をするかとか考えることよね?」
リリーナ「はい」
セレーネ「それならいいアイディアがあるわ!」
とセレーネが大声を出しているとアムロが口をはさんだ。
アムロ「またセレーネはちょっかいを出して……」
セレーネ「ちょっかいとは何よ!」
アムロ「セレーネは愚妹だから……」
セレーネ「ぐまい?」
アムロ「愚かな妹のことだ」
セレーネ「愚かな妹じゃないわよ! 人の恋路を邪魔してるんじゃなくてその逆!
ゼクスとノインの仲を応援してるんだから!」
アムロ「応援といえばそうだが……」
リリーナ「それでいい考えというのは?」
セレーネ「聞きたい?」
167通常の名無しさんの3倍2019/07/01(月) 17:51:38.22ID:1W3I+iKq0
数日後のゼクスとノインのデートの日、2人はプラネタリウムの施設の前にいた。
ゼクス達から少し離れたところにはヒイロ、リリーナ、アムロ、セレーネがおり、
身を隠しながら2人をじっとみている。
ノイン「プラネタリウムとは驚きました……」
ゼクス「意外か?」
ノイン「はい。『MSで宇宙を移動する間、星は見慣れている』とか言いそうだったので……」
ゼクス「リリーナに言われてな。たまには2人でプラネタリウムに行ってこいと」
ノイン「ふふふ、私はゼクスの行くところならどこでもいいですよ」
そうゼクスとノインが話しているのをヒイロ達はしっかり聞いていた。
アムロ「プラネタリウムとはセレーネの趣味だな」
セレーネ「そう。私がリリーナに言ったの」
ヒイロ「さすが趣味は天体観測。仕事も宇宙関係の技術者だけのことはあるな」
リリーナ「なかなかいい雰囲気だと思います。やっぱり相談して正解でした」
アムロ「よし、3人ともそろそろ帰ろう」
セレーネ「えっ? ここからがデートのいいところなのよ。みんなで尾行よ。
だいたいなんでアムロ兄さんが今日一緒にいるのよ?」
アムロ「それはもちろん愚妹のセレーネを見張るためだ。
セレーネが何かやらかしたらゼクス達の迷惑になる可能性がある」
セレーネ「何それ?」
リリーナ「私達もプラネタリウムに入りましょう」
ゼクスとノインに加え、ヒイロ達もこっそりとプラネタリウムに入った。
そして上映後。
ゼクス「ノイン、今日の、その、デートは終わりではない……」
ノイン「照れないでください。それでどこに行くんですか?」
ゼクス「ライブだ。リリーナからチケットをもらった」
168通常の名無しさんの3倍2019/07/01(月) 17:53:50.74ID:1W3I+iKq0
ここはミーアのライブ会場。
2人はチケットを手に入場し、客席に来た。ノインはびっくりしている。
ノイン「ゼクスがミーアのライブに誘うとは。プラネタリウムもですが驚きです」
ゼクス「先ほども言ったがリリーナに2枚のチケットをもらったからな。
リリーナも私達に気をつかっているのだろう。
そろそろ時間だ。整形前の顔に戻したミーアのライブだな。
私は整形後のミーアより前に戻したミーアの歌の方が好きだな」
ノイン「私もです。彼女も昔とだいぶ雰囲気が変わりましたしね。
曲とか服装とか。この間TVで見ましたが……」
そうゼクスとノインが話しているのをスタッフの席、
つまり関係者以外立ち入り禁止の席からこっそり見ている者がいた。
ヒイロ達である。
アムロ「ミーアのライブとはセレーネの趣味か?」
セレーネ「そうよ」
アムロ「どうやってここのスタッフ用の席を使わせてもらっているんだ?」
セレーネ「それがミーアに聞いたら
『日頃お世話になっているガンダム兄弟のためなら
スタッフ用のスペース用意できます』って」
アムロ「うーん……。いいのか?」
セレーネ「アムロ兄さん、考え込まないでよ。ミーアはそう言っているんだし」
リリーナ「ライブが始まりますよ。お兄様達いい雰囲気です」
アムロ「そうなのか?」
リリーナ「そうです」
数時間経って時刻は夜、ミーアのライブが終わった。
アムロ「よし、3人ともそろそろ帰ろう」
セレーネ「えっ? ここからがデートのいいところなのよ。尾行を続けるわよ」
169通常の名無しさんの3倍2019/07/01(月) 17:56:06.22ID:1W3I+iKq0
夜の公園のそばの道をゼクスとノインが歩いている。
その後ろをヒイロ達が再び尾行している。
リリーナ「この道をずっと行くとノインさんの家ですね」
アムロ「よし、3人ともそろそろ帰ろう」
セレーネ「何を言ってるのよ? ここからがデートのいいところなのよ。
さらにみんなで尾行よ」
少しの間ゼクスとノインが歩き、
その後ろをヒイロ達が尾行するというのが続いていたが、
おもむろにゼクスが振り返って声をかけた。
ゼクス「ヒイロ達、そろそろ出てきてくれ」
リリーナ「えっ?」
ヒイロ「……」
セレーネ「バレてた?」
ヒイロ、リリーナ、セレーネ、アムロが姿をあらわすと、ゼクスがさらに声をかけた。
ゼクス「私はニュータイプではないが尾行はずっとわかっていたぞ」
ヒイロ「任務失敗……」
ゼクス「たとえるならリーオーにウイングガンダムを撃墜されるくらい甘い」
セレーネ「ずっとわかっていたって……」
ゼクス「もちろん最初からだ」
セレーネ「あらら」
アムロ「やっぱり」
ゼクス「そこにいるアムロにはすべてわかっていたようだがな」
アムロ「ニュータイプでもニュータイプでなくてもわかることはあるさ。
今日は愚妹の監視役といったところだ」
ゼクス「ははは、お互い妹を持つと苦労する」
そこでゼクスは真顔になると4人にゆっくりと語りかけた。
ゼクス「今日は楽しかった。リリーナやみんなには……、感謝している。
だがそろそろ私とノインの2人だけの時間をくれないか?」
170通常の名無しさんの3倍2019/07/01(月) 17:58:44.01ID:1W3I+iKq0
ゼクスはさらに話を続けた。
ゼクス「頼む……」
そこでゼクスは別の方を向いてまた歩き始めた。
ノインは笑ってヒイロ達4人に会釈するとゼクスと一緒の方を向いて歩いていった。
セレーネ「はー。最初からバレてるなんてね」
アムロ「セレーネ達どうする? また尾行するか?」
セレーネ「できるわけないでしょ! もう向こうにバレてるのに!」
アムロ「よし、みんなで帰るぞ!
今日はリリーナも帰る前に俺達の家によっていくといい。
ロランがそろそろ晩ご飯を作って待っている頃だ」
リリーナ「いいんですか!?」
セレーネ「いつでも歓迎よ」
ヒイロ「リリーナと一緒に夕食、任務了解」
こうしてアムロ、セレーネ、ヒイロはリリーナと一緒に自分達の家に帰っていった。
今日もこの街は平和だ。
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最終更新:2023年02月21日 12:13