268オールアムロVSシャア軍団VS
ガンダム兄弟2019/08/25(日) 19:36:43.44ID:RuJam6gc0
日登町西区:海岸
突如戦場に降り立った赤い巨神。
先ほど垣間見せた、その計測不能の戦闘力を警戒してか、ハシュマルは攻撃を仕掛けてこない。
その隙を突き、巨神のコクピットに座るミネバはドロスに通信を入れた。
ミネバ「お父さま、お母さま、おじいさまたち。みんなぶじですか!」
デギン「おお……ミネバ? あの赤いジムにはおまえが乗っておるのか!?」
キシリア「一体なぜそんなものに」
ミネバ「よくわからないが、避難した学校に大きな消防車があってな」
マリーメイア「それで、私たちが乗り込んだら」
プル「他の働く車と合体して、こんなロボになったんだよね~」
ギレン「お前たちも一緒だったか」
プルツー「そうだ。助けにきたぞパパ」
ギレン「だから私はパパではないと……まあいい。ともかく、助かった」
プルたちの声を聴き、鉄仮面のようだったギレンの表情が少しだけ和らぐ。
ベルリ「ねえバナージ。アレってひょっとしてイd」
セイ「あ、あれはまさか!?」
ゼナ「知っているのセイくん!」
セイ「はい。アレはサイコジムです。『GMの逆襲』に出てきた、ガンプラマフィア製作の機体ですよ。まさか実機が存在したなんて!」
ベルリ「いやいや、何言ってんの? アレ、どう見てもイデオn」
セイ「あの巨大さ、赤いボディカラー、そして何より顔がジム! 間違いないですよ!」
ゼナ「サイコジム……!」
ミネバ「ほう、このMSはサイコジムというのか」
アルミリア「ちゃんと名前がありましたのね」
プル「え~! アタシもこの機体の名前考えてたのに~」
プルツー「ちなみに姉さんはどんな名前を考えてたんだ?」
プル「ん~とね、ザ・ムーンかジアースにしようかなって」
マリーメイア「どっちもなんか不穏だから却下!」
ミネバ「よおし、名前もわかったところで行くぞ、サイコジム!」
ミネバの声に反応するように赤い巨神─サイコジム(仮)はゆっくりと動き出した。
ハリソン「我々もサイコジムに続くぞ!」
マクギリス「君と君の友達が乗るサイコジムは私が守るよアルミリア」
アルミリア「頼もしいわ、マッキー♪」
ベルリ「ああ、もう! すっかりサイコジムで定着してるし! とにかく僕らも行こうバナージ。……バナージ?」
返事が無いことを不審に思ったベルリが振り返ると、
そこにはデストロイモードからユニコーンモードに戻ったユニコーンガンダムの姿があった。
ユニコーンは仰け反ったようなおかしな姿勢で固まったまま、時折苦しそうにビクンと震える。
ベルリ「ちょっと! どうしたのよ? ここにきて故障でもした?」
バナージ「ち、違う! 逆なんだ」
ベルリ「逆って?」
バナージ「あの巨神─サイコジムを見てからユニコーンの反応が良すぎる。ちょっとでも動かせば暴発しそうな位に!」
ベルリ「なんですって!」
269オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/08/25(日) 19:54:38.98ID:RuJam6gc0
そんなバナージたちを他所に、サイコジムとMAは接触、再び戦闘がはじまった。
ミネバ「いくぞお!」
だがサイコジムが繰り出した格闘攻撃を
ハシュマルは軽々と回避した。
マリーメイア「避けられた!?」
カーラ「さっきより出力が落ちてるんだわ!」
ミネバ「くそう、どうしたんだサイコジム!」
焦るミネバたちを嘲笑うかのように、ハシュマルは空中から反撃を開始、
脚部クローがサイコジムの胴体部を抉る!
マユ「キャアアアアアア!」
プル「マユ!」
マリーメイア「ミネバ! 今の攻撃でBメカに乗ってたマユが
ミンチに!」
アルミリア「大丈夫ですの、マユ!?」
マユ(ミンチ)「だ、だいじょうぶ……慣れてるから」
プル「ミンチがしゃべった!?」
プルツー「よそ見をするな姉さん! また来るぞ!」
さらにハシュマルはプルーマを呼び寄せ、サイコジムを襲わせる。
アルミリア「きゃあああ!」
ハリソン「いかん、装甲を食い破る気だ!」
マクギリス「振り払うんだアルミリア!」
アルミリア「だ、ダメ……どんどんパワーが落ちてバリアも」
ミネバ「がんばれサイコジム!」
だが応援もむなしく、遂にサイコジムは地面に膝をついた。
ゼナ「ああ、ミネバ!」
デラーズ「閣下! ミネバさまのサイコジムが……!」
ドズル「ミネバあああああああ!」
ミネバ「あきらめるものか……わたしはまだ、十分に生きちゃいないんだー!」
その時、ミネバの意思に反応するかのように、
サイコジムのコクピットに設置されたゲージが光り出す!
カーラ「出力が戻ってきた!?」
プルツー「これならいけるぞ! 全ミサイル、発射!」
ミネバ「グレンキャノンもだ! いけええ!!」
再び、サイコジムの全身から大量のミサイルが発射される!
ミサイルは殆どビームと化し、機体に喰らいついていたプルーマを容赦なく焼き払う。
ゼナ「なに、あのゲージは…?」
セイ「アレ、きっとプラフスキー粒子の残量を示すゲージですよ。なるほど、あの機体は空気中のプラフスキー粒子を吸収できるんだね!」
ゼナ「(この子、さっきからスゴく自信満々に喋ってるけど本当にそうなのかしら……?)」
270オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/08/25(日) 20:13:39.08ID:RuJam6gc0
ベルリ「すご……! 凄すぎるでしょアレ」
驚きを隠せず、ベルリは隣の兄弟に話しかけた。
だが、当のバナージは虚ろな目のまま何事かひとりごちている。
バナージ「無限の……力? 俺たちは……モの生まれ変わり?」
ベルリ「バナージ?」
バナージ「試されてる? 再び、発動するかどうかを?」
ベルリ「ちょっと! 誰と話してるのよ!」
その視線の先には、ますます出力を上げていくサイコジムの姿があった。
マリーメイア「よし、このまま押し切るぞみんな!」
プル「パワー良好、ニューロ加速器作動!」
プルツー「コンデンサーもOKだ!」
ミネバ「いけるぞ……サイコジムソード!!」
ミネバの叫びと共に、サイコジムの手首から凄まじいエネルギーを秘めたビームが放出される。
ハシュマルは危険を察知し、回避行動を取ったが間に合わない。
長大な剣と化したビームは、そのままハシュマルの片翼を切り落とした!
ハシュマル「ギャアアアアアアアアアアア!!」
ビームの余波は、辺りに散らばっていた残りのプルーマも全て灰燼に帰す。
これでMAは丸裸。あとは本体を倒すのみだ。
だが……
アルミリア「やったわ、マッキー!」
マクギリス「なんという力だ。バエルに加えてこの力があれば、私が世界を変えることも……」
アルミリア「マッキー?」
キシリア「……おい、今の内にあの巨神について根回しをしておけ。今後、アレは
ザビ家が預かるとな」
ギレン「まだMAも戦闘も終わっていないのに、もう戦後の話か? キシリア」
キシリア「当然です。兄上だって同じことをお考えでしょう?」
ギレン「フッ……」
戦場にいる様々な人間の欲望と思惑を吸収するかのように、
サイコジムのゲージは増々輝きを増していく……
ハリソン「年端もいかない少女in巨大ロボット。これほどグッとくる組み合わせが他にあるだろうか……!」
セイ「あのサイコジムのエネルギーを使って
ガンプラバトルに革命を……!」
271オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/08/25(日) 20:22:42.53ID:RuJam6gc0
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カーラ「うわあ……とうとうゲージがいっぱいになっちゃった」
プル「なんだろう、この感じ」
プルツー「ああ、すごく気持ち悪い」
アルミリア「わ、わたくしなんだか怖いですわ」
マユ「ミンチからの復活も遅くなっていくような……」
マリーメイア「ミネバ! みんなが不安がってる。急いで決着をつけよう」
ミネバ「そ、そうだな。なら、このサイコジムガンで……」
そういってサイコジムは巨大な大砲を持ち上げた。
そして、傷ついたMAに向けて狙いを定める。
バナージ「ダメだ……」
ミネバ「これで……終わりだああ!」
バナージ「ダメだあああああああああああ!!」
その瞬間、傍らにいたベルリは驚くべきものを見た。
サイコジムが攻撃を仕掛けようとした、まさにその時、
ユニコーンガンダムは再びデストロイモードに変形。
光の矢となってサイコジムの前に飛び出したのだ。
ミネバ「バナージ!?」
バナージ「駄目だオードリー! 駄目なんだ。上手く言えないけど、俺たちは試されてるんだ」
ミネバ「試されている? 誰にだ?」
バナージ「わからない。けど、ハッキリ理解してる。その無限の力は使っちゃいけないんだって!」
そういってユニコーンガンダムはサイコジムの前で両手を広げ立ちふさがった。
マリーメイア「バカな! 戦闘はまだ終わってないんだぞ。何を邪魔して……」
ミネバ「静かに」
マリーメイア「え?」
バナージ「これから先、どんなことがあっても俺たちは過ちを繰り返さない! だから目覚めないでくれ!」
バナージの声はミネバに向けているようで、実はまったく別の知らない誰かに語り掛けているようにベルリは感じた。
ミネバ「……本当にできるのか、バナージ・リンクス」
バナージ「できる! その証拠を今から見せてやる。だから……お前はそこで見ていろ!」
啖呵を切ってユニコーンガンダムは振り返った。
その視線の先には咆哮するハシュマルがいた。
対峙する両者。そしてわずかな空白の後、ユニコーンガンダムが動いた!
272オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/08/25(日) 20:37:24.09ID:RuJam6gc0
「うおおおおおおおおおおおお!!」
空中で激しくぶつかるユニコーンガンダムとハシュマル。
その戦いの中で、ユニコーンの装甲は内側から押し上げられるように崩壊していき、
代わりに緑色の結晶体が鎧のように展開していく。
プル「ねえ、アレって」
プツー「ああ。あのガンダムから、サイコジムと同じ類の力を感じる」
プル「でもなんでだろ。全然気持ち悪くない。むしろなんだかとっても暖かい……」
ミネバ「これがサイコフレーム。この世界の人類が生み出した別の可能性か。なるほど」
戦いを眺めながら、ミネバは別人のように落ち着いた声で呟いた。
同時に、サイコジムのゲージは徐々に輝きを失っていく。
バナージ「確かにお前の言う通り、俺たち人類は愚かかもしれない。同じ種族で殺しあい、こんなMAなんてバケモノまで作ってしまった」
ハシュマル「キシャアアアアアアアアアアア!」
コクピットの中、バナージは誰かに訴えかける。
バナージ「それでも! それでも俺たちはギリギリのところで踏みとどまれるって……過ちは繰り返さないって……それをわかれよ!」
そしてユニコーンガンダムのビーム・トンファーがハシュマルの首を切り落とした時──
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ゲージは、完全に沈黙した。
273オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/08/25(日) 20:46:06.41ID:RuJam6gc0
マユ「倒した……の?」
ミネバ「う~ん、なにがあったのだ?」
マリーメイア「今の見ていなかったのミネバ?」
ミネバ「なぜだかとちゅうで気を失って……あれ? どうしてMAが倒されているんだ? 誰がやったんだ?」
プル「バナージだよ!」
崩れ落ちたハシュマルの残骸の前で、ユニコーンガンダムは呆然と立ち尽くしていた。
そこへ慌ててベルリたちが駆け寄っていく。
ベルリ「バナージ! バナージ!」
ハリソン「大丈夫かバナージくん!」
展開していた結晶は崩れ去り、ユニコーンのサイコフレームも、
サイコジムのゲージと同じように輝きを失っていた。
まるで、全ての力を使い果たしたかのようだ。
そして、コクピットにいるはずのバナージの反応もない。
ベルリ「ちょっとバナージ。どうしたの? ねえ、何とか言いなさいよ!」
ミネバ「バナージがどうしたのだ、ベルリ?」
ベルリ「大変なんだ。こいつ、いくら呼んでも反応が無くて」
マリーメイア「まさか、MAと
相討ちに……!?」
ベルリ「そんなハズないでしょ! 気を失ってるだけだって! なあ、バナージってば! 起きろよこのロリコン!」
しかし、いくら呼びかけてもユニコーンが動くことはなかった。
マクギリス「コクピットに生体反応はない。認めるしかあるまいな」
ハリソン「自分の大切な少女たちを守って逝ったのだ。戦士として、イヤ、紳士として立派な最期だったぞバナージくん……」
ベルリ「そんな……」
ミネバ「そんなこと、わたしはイヤだぞバナージ! どんなことがあってもかならず戻ってくると、まえにわたしとやくそくしたろう!」
マリーメイア「ミネバ……!」
ミネバ「そうだ、
プールにいっしょに行くともいったぞ! お前に見せようとおニューの水着だって買ってもらったのに……」
バナージ「え、水着?!」
その瞬間、刻が止まった。
ベルリ「」
バナージ「え? あれ? 俺、MAを倒して、それから……あれ? みんな、どうしたんだ? 俺をじっと見て」
マリーメイア「今のって……」
マユ「どう考えてもミネバちゃんのあの言葉に反応したよね……」
プルツー「あ~……(察し」
アルミリア「愛の力ですわね(赤面」
ハリソン「それでこそ我が同士だ、バナージくんんん!(感涙」
バナージ「え? え? え? なんだ、なんなんだこの状況。教えてくれベルリ!」
ベルリ「お前って、ホントにロリコンだなバナージ」
バナージ「え~~~~~~~~~!??」
ミネバ「よかった……バナージがげんきで(ホロリ」
日登町西区での戦闘結果
ユニコーンガンダム……MAとの戦闘により中破
MAハシュマル……戦闘不能
サイコジム(仮)……一時、無限に近い出力を発揮するも、現在は機能停止
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最終更新:2023年02月24日 11:35