404オールアムロVSシャア軍団VS
ガンダム兄弟2019/11/17(日) 21:23:46.51ID:99jsSW0N0
日登町武道館
突如武道館のリングに降り立った異形の機体――
バルバトスルプスレクス・シドは、ゆっくりと頭を回し、周囲を確認した。
まるで何かを探しているかのようだ。
イオ「三日月! おい三日月! それに乗ってるのか!?」
ガロード「反応しない……ひょっとしてどっかで放り出されたのか?」
ウッソ「いえ、あの機体からは三日月兄さんの気配を感じます」
フリット「手持ちの機器で計測してみたけど、生体反応からして三日月兄さんが乗ってるのは間違いないよ」
バナージ「そうか、ならまだよかった」
フリット「(もっとも『どんな状態で乗ってるか』はわかんないけどね……)」
バルバトス・シドは未だリング上から動く気配はなかった。
目的がわからない以上、ZザクとZZガンダムもまた、うかつには行動できない。
ただ間合いを保ちつつ、いつでも飛び掛かれるよう警戒を続けるだけだ。
ジュドー「これからどうする、カミーユ兄?」
カミーユ「どうするって、今すぐ戦えるのは俺たちだけだ。こんなところで暴れられたら……」
知っての通り、シドには大量破壊兵器が満載されている。
もしここでシドが暴れだしたら……その被害は考えたくもない。
カミーユ「どっちみち、シドの足元には
ミンチになったクワトロ大尉たちがいるんだ。二人だって救出しなけりゃ」
ジュドー「なら、やるしかないってことね。ハア、連戦は辛いんだけどな」
そうボヤキつつ、ZZガンダムはゆっくりとバルバトス・シドの背後に回る。
カミーユ「(呼吸を合わせろ、一気にいくぞジュドー)」
ジュドー「(あいよ。3、2、1……)」
二機は一斉に飛び掛かった。
バルバトス・シドはまだよそ見をしている。
制圧するには絶好のタイミングだ。
だが!
ジュドー「え!?」
カミーユ「消えた!?」
前後から飛び出した二機の前から、突然手品のようにバルバトス・シドが姿を消した。
カミーユとジュドーは顔を見合わせて思わず困惑する。
405オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/11/17(日) 21:26:37.00ID:99jsSW0N0
ガロード「何やってんだジュドー! 後ろだ!!」
ジュドー「え? ……うああああああ!!」
振り返ったZZガンダムの脇腹に、バルバトス・シドの大型メイスが叩きつけられる。
ZZガンダムはバウンドしながら観客席の壁まで吹き飛ばされた。
カミーユ「ジュドー!」
そして間髪入れず、背中のテールブレードがZザクを薙ぎ払った。
背中を激しく強打され、Zザクはリング下に叩き落される。
カミーユ「ぐはっ!」
ウッソ「ジュドー兄さん! カミーユ兄さん!」
為す術なく倒されたZZガンダムとZザク。
バルバトス・シドはそんな二機には目もくれず、何事もなかったかのように悠然と立ち尽くしている。
クリス「ウソでしょ……いくら試合の後とはいえ、カミーユとジュドーが一瞬でやられちゃうなんて」
フリット「それより今のシドの動きだよ! シャクティ、まだカメラは回ってる?」
シャクティ「え、ええ。撮影は続けてますけど」
フリット「見せて!」
フリットは慌てて先ほどの戦闘の様子を確認した。
フリット「やっぱりそうだ!」
ウッソ「なにかわかったんですかフリット兄さん」
フリット「うん、カミーユ兄さんたちの突撃を躱したシドの動き、あれは間違いなく阿頼耶識システムの動きだ」
ウッソ「阿頼耶識システムの? じゃあつまり」
フリット「うん、あのバルバトス・シドは、乗ってる三日月兄さんとバルバトスを完全に掌握してるってこと」
ウッソ「それって……」
ウッソが何か言いかけた時だった。
シドが開けた天井の穴から、今度は二機のMSが舞い降りてくる。
シーブック「やっと見つけたぞ、シド!」
シン「こんな人が多いところに逃げ込みやがって!」
ガロード「シン兄! シーブック兄!」
バナージ「どうしてここに?」
シーブック「さっきヨナ兄さんから連絡を受けてさ」
シン「シドに乗っ取られたバルバトスが市街地に向かってるから、止めてくれって」
シーブック「ヨナ兄さんたちも今、急いでこっちに戻ってきてる。ベルリも一緒だそうだ」
バナージ「ベルリ……! 無事だったんだな」
ほっと胸をなでおろすバナージ。
そこで壁に貼り付けになっていたZザクとZZガンダムも起き上がる。
406オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/11/17(日) 21:26:59.55ID:99jsSW0N0
カミーユ「痛つつ……くそ、完全に油断した」
ジュドー「あれ、シン兄、シーブック兄いつのまに?」
シーブック「気が付いたか二人とも」
シン「ていうか何で頭ザクになってるんだカミーユ?」
カミーユ「うるさいな! こっちも色々あったんだよ!」
その時、立ち尽くしていたバルバトス・シドの様子が急変した。
爛々と赤く輝くカメラアイ、翼を大きく広げたその姿はまさに悪魔そのものだ。
バルバトス・シドは餌を見つけた野犬のように、敵意剥き出しでメイスを大きく振りかぶる。
シーブック「! 悠長に話してる暇はないみたいだぞシン!」
シン「ああ! まずはこいつをここから引きずり出す!」
F91とデスティニーガンダムはバルバトス・シドの左右の肩を抑え込んだ。
そしてそのままスラスターを噴かし、バルバトス・シドを武道館の外へ引きずり出そうとする。
だがそう思い通りにはいかない。
空中でバルバトス・シドは巨体を震わせ、激しい抵抗を見せる!
シン「くそ! 暴れんなって!!」
シーブック「まずい! 尻尾が……!」
そこで暴れるバルバトス・シドのテールブレードが壁を切り裂いた!
シーブック「ああっ! 破片が!」
バーニィ「観客席の、小学生たちのところに落下する!」
マリーメイア「きゃあああああ!」
ミネバ「うわあああ!」
ドズル「ミィネェバアアアアアアア!!」
バナージ「オードリー!!」
だがしかし、壁の破片はミネバをミンチにはしなかった。
咄嗟に飛び込んできたZZガンダムが盾となり、少女たちを守ったのだ。
ジュドー「あっぶねえ~。大丈夫か、ミネバ」
ミネバ「う、うん。ありがとうジュドーお兄ちゃん(赤面」
プル「さっすがジュドー! 頼りになる~!」
プルツー「ジュドーはいつだって私たちを助けてくれるんだ」
カーラ「すごいや! 私のパパと一緒だね!」
デギン「ミネバを救ったあの身のこなし……ううむ、やはり今、ミネバの婿に一番ふさわしいのはあの小僧か」
ギレン「の、ようですな」
ゼナ「まあ、お二人ったら気が早い……」
バナージ「がーーーーーーーーーーーーん!!」
ガロード「バナージ兄! 今はショック受けてる場合じゃないって!」
グラハム「そうだ! あの二人がシドを引き付けている内に、急いで人々の避難を!」
ティファ「あ……!」
ガロード「どうしたティファ!」
ティファ「みなさん……身を伏せてください!」
珍しく声を張り上げ、ティファが人々に警告を発する。
見上げると、そこにはバルバトス・シドが武道館に向けて無差別にフェザーミサイルを放つ姿が……。
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最終更新:2023年03月02日 11:13