446オールアムロVSシャア軍団VS
ガンダム兄弟2019/12/08(日) 19:53:00.44ID:nZBdnQS90
日登町武道館
~アスランたちが楽屋から脱出する少し前~
ティファ「みなさん……身を伏せてください!」
イオ「やべえ、ミサイルだ!」
バナージ「この距離じゃユニコーンも間に合わない!」
降り注ぐ大量のミサイルの前に人々はなす術もない。
このままでは大惨事が……誰もがそう思った次の瞬間!
キラ「ターゲット……ロック!」
突如、空から舞い降りた白いMS──ストライクフリーダムガンダムが
ハイマット・フルバーストで多くのミサイルを撃ち落とす!
キラ「あとは頼んだよキオ」
キオ「首……ミサイルの首ィィィィ!」
さらに客席で近すぎたせいで撃ち落とせなかったミサイルは、
ガンダムAGE-FXのCファンネルが信管と弾頭を切り離す。
そして、降り注ぐ破片や爆風から身を挺して人々を守ったのは、
巨大な異形のMS――ナラティブガンダムA装備だった。
ヨナ「大丈夫か! みんな!」
ウッソ「ヨナ兄さん!」
フリット「キラ兄さんにキオも来てくれたの!?」
キオ「うん! 間に合ってよかったよ」
キラ「なんせ僕ら、この事件が始まってから一回もマトモに活躍してないからね。そりゃ急ぐよね」
ミサイルを全て防がれたバルバトス・シドは、
悔しそうに身をよじらせた。
だが両脇を掴んだF91とデスティニーガンダムは絶対にその手を離さない。
ヨナ「シン、シーブック! 武道館のみんなは俺たちが避難させる。お前たちは……」
シン「わかってる!」
シーブック「シドをできるだけここから引き離す!」
ヨナ「頼んだ!」
二人に連れ去られていくシドを見送り、ヨナは叫んだ。
ヨナ「みんな、急いでここから逃げるんだ!!」
447オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/12/08(日) 21:33:10.98ID:nZBdnQS90
グラハム「みな、落ち着いて避難せよ!」
クリス「武道館の外にカミオンが待機しています!」
ガルマ「兄上、どうしましょう。人が多すぎてカミオンに乗り切れません!」
ドズル「荷台の物資は全て捨てろ! 人命が最優先だ!!」
グラハム警視正やクリス、
ザビ家の面々の先導で、
武道館にいた人々の避難は大した混乱もなく粛々と進んでいた。
だが、武道館の屋根が時折ギシギシと軋みを上げる度、
人々は怯えた表情で上を見上げる。
バーニィ「まずいな……さっきのシドの攻撃で崩壊が始まってるのかも」
キララ「ラクスさん、アタシたちも早く逃げないと」
ラクス「でも、まだミーアさんが……」
バルトフェルド「それならさっきアスランが助けに行った。彼に任せておけば大丈夫だろう」
バナージ「フリット、俺たちも避難しよう!」
フリット「待って、もうちょっとだから……」
ガロード「さっきから何やってんだ?」
フリット「僕、ずっと不思議に思ってたんだよね。どうしてシドが急に暴れだしたのかって」
イオ「どうしてって……アレだろ? シドは縄張り意識が強いから云々って」
フリット「それなら縄張りに入ってきた敵だけを襲うはずでしょ?
なのにシドは縄張りから遠く離れた武道館までやってきた。どうして?」
イオ「どうしてって……そりゃあ」
バナージ「シドにとって大切な『何か』が、ここにあるっていうのか?」
フリット「うん」
イオ「なんだよ、シドにとって大切なものって?」
フリット「それを調べるために、今サーバーのデータをコピーしてるんでしょ」
そこへ、慌てた様子でウッソがやってくる。
ウッソ「すいません、シャクティを見ませんでしたか?」
バナージ「シャクティ? いや、見てないけど」
イオ「いないのか? あのお嬢ちゃん」
ウッソ「はい……シャクティのことだから
“さっきの試合のデータを置いていけません! これからグッズ商売もしなきゃいけないんですから!”
とかいってまだここに残ってると思うんですけど」
448オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/12/08(日) 21:33:32.71ID:nZBdnQS90
イオ「ああ……言いそうだな」
ガロード「あれ? シャクティならもう逃げ出してるけど?」
ウッソ「本当ですかガロード兄さん!?」
ガロード「うん、ぶっちゃけ誰より早く」
ティファ「はい、“命あっての物種ですからね!”って言って」
バナージ「あー」
イオ「それもスゲー言いそう」
ウッソ「マジでか……」
ウッソはがっくりと膝を突いた。そこへ、フリットが何気ない調子で語り掛ける。
フリット「ウッソってさ、ニュータイプの癖に意外と人の気持ちわからないよね」
ウッソ「ム、それどういう意味ですか」
フリット「どういうって……そのままの意味だけど?」
ウッソ「人の気持ちがわからないのは、友達がいないフリット兄さんの方でしょ!」
徐々に険悪になる二人。そこへ慌ててイオが割って入る。
イオ「お前ら、今は兄弟ゲンカなんてしてる場合じゃねーだろ! 状況を考えろ!」
ウッソ「さっきまでダリルさんとケンカしてたイオ兄さんに言われたくないですよ!」
イオ「ンだと!?」
バナージ「ああ、もう……!」
キオ「も~何やってんの兄ちゃんたち。ヨナ兄ちゃんが『遅い!』ってさっきから怒ってるよ」
フリット「あ、キオ! 大丈夫、もう行くよ」
そう言ってフリットはさっさとキオのもとへ走っていく。
ウッソ「ちょっと、どこ行くんですかフリット兄さん! 話はまだ終わってないですよ!!」
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最終更新:2023年03月12日 11:03