71オールアムロVSシャア軍団VS
ガンダム兄弟2021/01/11(月) 11:40:08.91ID:52WdRZ9e0
AM 07:12 警察署:屋上
セイ「おじさん! おじさん聞こえますか!?」
セカイ「聞こえてんならそっから出て来いよ、おっさん!!」
チナパパ(DG細胞)「…………」
デビルガンダム「ギャオオオオオオオオオオ!!」
デビルガンダムの怒涛の攻撃を必死で回避しながら、
二人は生体ユニットと化したチナパパに呼びかけた。
しかし、その声は一向に届かない。
セカイ「クッソォ! なんで目ェ覚まさないんだよユウマの親父さんは!」
セイ「やっぱり僕たちの声じゃダメなのかな?」
セカイ「こっちは慣れない実機で避けるのだけで精一杯だっていうのに……!」
コクピットの中で荒い息を吐く二人。
いくら二人が
ガンプラバトルの精鋭でも、
初の実戦、それも相手がデビルガンダムではその消耗は計り知れない。
このままでは遠からずやられる、その確かな予感を二人はぐっと飲み込んだ。
セカイ「諦めてたまるか! 学校じゃユウマとユウマの姉ちゃんが待ってるんだ!」
セイ「せめて、みんなが戻ってきてくれるまで持ちこたえてみせる……!」
決意を新たに、二人は再びデビルガンダムに突撃する。
セカイ「俺が囮になる! その間に」
セイ「僕がもう一度おじさんに呼びかける!!」
二人は連携してデビルガンダムに飛び掛かった。
まずは俊敏性に優れたバーニングガンダムがデビルガンダムを攪乱する。
セカイ「喰らえ! 見よう見まねの、分身殺法バーニングシャドー!」
デビルガンダム「!?」
セカイ「からの次元覇王流、旋風! 竜巻蹴りぃぃぃ!!」
数体に分身したバーニングガンダムは竜巻を纏いながら同時に蹴りを繰り出した。
しかしその攻撃は、全て召喚されたガンダムヘッドによって防がれる。
だがそれはセカイの想定通りだった。
デビルガンダムが防御に徹した隙をつき、ビルドストライクガンダムが懐に飛び込んだ。
72オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2021/01/11(月) 11:40:48.60ID:52WdRZ9e0
セイ「おじさん! 目を開けてくださいおじさん!」
チナパパ「…………」
セイ「委員長もユウマくんも、みんなあなたのことを心配してますよ!! だから帰りましょう!」
チナパパ「………!」
必死に訴えかけるセイ。
しかしその声を拒絶するように、デビルガンダムのコクピットハッチは閉じられた。
セイ「おじさん!」
そして再びデビルガンダムの攻撃が始まる。
セイ「なんだこれ! この攻撃……さっきよりずっと強い!」
???「それは、そのデビルガンダムこそチナパパ自身だからだ」
セカイ「な!?」
セイ「だ、誰!?」
突如聞こえた謎の声。爆炎の中をものともせず、悠然と現れたその人物の正体は……
やもうえん「私だ!!」
セイ「本当に誰だーーーーーー!!?」
セカイ「ま、まさかあの人?はやもうえん!?」
セイ「知ってるのセカイ!?」
セカイ「兄弟スレPart28で初登場した、スレ住人の書き間違いから生まれた伝説のレアキャラだよ!」
セイ「なに書き間違いから生まれたキャラって!?」
セカイ「スゲー……! まさかあのやもうえんさんにここで会えるなんて!」
セイ「うん、皆さんご存知のって感じで言われても知らないからね?」
セカイ「それでやもうえんさん! さっき言ってたデビルガンダムがおっさん自身ってどういうことだ?」
セイ「あれ、僕の疑問スルーされてる?」
やもうえん「思い出せ。デビルガンダムはお前たちが近づくほどに攻撃を強めた。それはつまり、救出を拒んでいるということ!」
セカイ「救出を……」
セイ「拒んでいる!?」
チナパパ『私が囚われたばかりにデビルガンダムはここまで成長し、町にとんでもない被害を与えてしまった……もはや皆さんに合わせる顔がない』
セカイ「これ、おっさんの心の声か?」
チナパパ『もういい……このままデビルガンダムと一緒に警察に倒されよう。それがいい』
セイ「そんな……おじさんは救出されたくないっていうの!?」
セカイ「ど、どうすりゃいいんだよ!!」
73オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2021/01/11(月) 11:41:51.64ID:52WdRZ9e0
やもうえん「諦めるな!!」
セイ・セカイ「「!!」」
やもうえん「どうしてオッサンの気持ちをわかってやらない? いいか、自分の愛する町を危険な目にあわせてしまった。
オッサンの心の奥は、そんな罪の意識でいっぱいなんだ。だからあんなガンダムで心を閉ざしてしまったのだ!!」
セカイ「だからってどうすりゃ……」
やもうえん「今の彼にもっとも必要なものは、大切な人たちからの心からの言葉。それ以外に心の扉を開く呪文はない!」
セカイ「おじさんにとって大切な人たちって」
セイ「委員長とユウマくん!」
セカイ「そっか! あの二人の声ならおっさんに届くってことか!」
セイ「任せて! すぐに学校と通信を繋いで二人に……」
やもうえん「いや、それでは駄目だ」
やもうえんは首を振った。
やもうえん「オッサンに届くのは愛する人の心からの言葉。それには通信ではない、生きた声である必要がある。ならば……やむをえん!!」
セイ「なにその決め台詞っぽい言葉!?」
セイのツッコミをものともせず、やもうえんは着ていた服?をはためかせる。するとそこには……
ユウマ「こ、ここは……?」
チナ「わたしたち、さっきまで学校にいたはずなのに……?」
セカイ「ユウマ!」
セイ「委員長!?」
ユウマ「あれはバーニングガンダムにビルドストライクガンダム……それからあっちはデビルガンダム!!? どういうことだセカイ!」
セカイ「話は後だ! 早くバーニングに乗り込めユウマ!」
セイ「委員長も! 僕のビルドストライクのコクピットに。急いで!」
チナ「は、はい!」
突如現れたコウサカ姉弟を、二人は慌ててピックアップした。
そして、彼らが呼び出された理由を手短に話した。
彼らは突然の事態に驚きつつも、自分たちがチナパパを救い出す鍵であることを悟ると、すぐに覚悟を決めた。
その様子を、やもうえんは少し離れたところから満足そうに見つめている。
やもうえん「所詮、タイプミスから生まれたオリキャラに過ぎない私にできるのはこれが限界だ。後は任せたぞ」
セカイ「ハイ! やもうえん!」
セイ「でも、どうして僕たちのためにここまで?」
ヘタレじゃない
やもうえん「ふっ、それはお前たちが勇気あるものからだ!」
セカイ「スゲーさすがやもうえん! ヘタレに厳しいって本当だったんだ!」
やもうえん「ふっ、ではさらばだ。健闘を祈る!」
そういってやもうえんはまた風のように消えていった。
74オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2021/01/11(月) 11:42:45.69ID:52WdRZ9e0
セイ「消えた……」
ユウマ「一体あの人は何者だったんだ? ていうかそれ以前に人なのかアレ?」
セカイ「なんだユウマ知らねえのか? あの方はやもうえんっていってな、兄弟スレPart28で……」
セイ「やもうえんの説明はもういいから! 早くおじさんの救出を!」
チナ「お父さん……」
チナはコクピットからデビルガンダムを見た。
先ほどまであれほど暴れまわっていたデビルガンダムは、
コウサカ姉弟が現れて以来すっかり静まり返っている。
チナパパ「…………」
チナ「デビルガンダムが、私たちを見ている」
ユウマ「父さん……僕たちのことがわかるのか」
セイ「なんにせよ今がチャンスだ、行こう!」
ビルドストライクとバーニングガンダム、二機のMSはゆっくりとデビルガンダムに近づいた。
ほとんど機体同士が触れ合わんがばかりの距離。それでもデビルガンダムは動かない。
チナパパ「………」
セカイ「デビルガンダムのコクピットが開いた……」
セイ「ユウマくん、委員長、頼んだよ」
ユウマ「父さん……」
チナ「私たちの声、聞こえてるお父さん?」
チナパパ『チナ……ユウマ……』
チナ「お父さん……私ね……お父さんのこと、最近ずっと嫌いだった」
チナパパ『!!?』
ユウマ「姉さんだけじゃないよ。俺も、最近の父さんはずっと嫌いだ」
セイ「ちょ、ちょっと二人ともおじさんを救出するんでしょ!? 何をいって……」
セカイ「いや、これでいいんだ」
チナ「覚えてる? 私もユウくんも、お母さんもイヤだって言ったのにお父さんが
『これからウチはデビルガンダム料理を看板メニューにします!』って宣言してからもう一年経つよね」
ユウマ「『この町はガンダムヘッドが自生してるしGFもよく来るから』って反対を押し切って……
確かにただの町の喫茶店だったウチは、お客さんも増えたしテレビにも取り上げられるようになったよ。でもね」
チナ「その裏で“ゲテモノレストランの子供”って陰口をたたかれて、私たちがどれだけ悲しい思いをしたか……」
ユウマ「父さんにはわかんないだろ! だって父さんは、僕たちよりもずっとデビルガンダムに夢中だったから!!」
チナパパ『……!!』
チナ「ねえお父さん。だから今日は、ずっと黙ってたことを言うね。私たちお父さんのこと大嫌い!」
ユウマ「俺だって父さんのこと大嫌いだ! だから……このままデビルガンダムに取り込まれたままなんて許さないぞ!!」
チナ「私たち、もっとお父さんに文句を言いたい! ちゃんと顔を見て、嫌いだってケンカがしたいの! だから、戻ってきてよ」
チナ・ユウマ「「お父さん!!」」
チナパパ「チナ……ユウマ……私の……子供たちイィィィィィッ!」
セカイ「やった! オッサンの意識が戻ったぞ!」
75オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2021/01/11(月) 11:43:40.56ID:52WdRZ9e0>>78
デビルガンダムの支配から解き放たれたチナパパ(※全裸)はコクピットから飛び出す!
それをセイは慌ててキャッチした。
チナ「お父さん!」
ユウマ「父さん!」
チナパパ「チナ……ユウマ……!」
チナ「お父さん……! もう、バカバカ! 大嫌い!!」
チナパパ「すまない……すまなかった……!」
セカイ「やったな、ユウマ!」
ユウマ「ああ。お前とセイさん、二人のおかげだよ」
セイ「みんな! まだ終わってないよ!」
デビルガンダム「グガアアアアアアアアアア!」
ユウマ「デビルガンダム……父さんを取り戻そうっていうのか?」
チナ「ダメ! お父さんはもう二度と渡さない!!」
セカイ「わかってる! 二人がこんだけ頑張ってくれたんだ。次は俺たちがやる番だ!」
セイ「なにか方法があるんだね、セカイ」
セカイ「ああ、少しだけ時間を稼いでくれ!」
セイ「了解!」
生体ユニットを取り戻さんと襲い来るデビルガンダム。
セイはバーニングガンダムをその場に残し、巨大な悪魔を迎撃する。
セカイ「あのデビルガンダムを倒すには生半可な攻撃じゃだめだ。だったら、これしかねえ!」
セカイは目を瞑ると意識を集中した。徐々に、彼の全身に闘気がみなぎっていく。
ユウマ「これは、アシムレイト? セカイのヤツ、まさか実機で『アレ』をやるつもりか!?」
一方、ビルドストライクは攻撃を回避しつつデビルガンダムの足止めを試みる。
セイ「生体ユニットを失って暴走してるのか? 周りの建物を吸収してどんどん大きくなっていってる!」
チナ「あんな大きいの、止められるのイオリ君!?」
セイ「でも、やるしかないんだ!」
チナパパ「背骨だ、イオリくん!」
セイ「背骨?」
チナパパ「ああ、デビルガンダムの上半身と下半身を繋ぐ背骨状のパーツ、その二番目と三番目の間を正確に突くんだ!
そうすればデビルガンダムは数秒間だけ機体の全機能を停止する!」
セイ「デ、デビルガンダムにそんなグ○ートマジ○ガーのス○ラ○ブル○ッシュみたいな弱点が……!」
チナ「さすがデビルガンダム料理の専門家……!」
セイ「よおし!!」
チナパパのアドバイスを受け、セイはビルドストライクは加速させた。
狙うはデビルガンダムの背骨、その一点!
76オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2021/01/11(月) 11:44:10.36ID:52WdRZ9e0
セイ「僕に力を貸してくれ、レイジ! 喰らえ……ビルドナックル!!」
デビルガンダム「グオオオオオ!!?……」
チナ「デビルガンダムの動きが止まった!?」
チナパパ「イオリ君が正確に弱点を突いた証だ!」
セイ「あとは任せたよ、セカイ!」
セカイ「任された! はあああああああああ!」
ユウマ「やれセカイ! 父さんを苦しめたデビルガンダム、お前の手で倒してくれ!」
セカイ「行くぜ! カミキガンプラ流……奥義! 鳳凰ッ覇王拳ッッ!!」
バーニングガンダムの突き出した拳から放たれる膨大な炎。
それは空中で収束し、火の鳥となってデビルガンダムに襲い掛かる!!
デビルガンダム「ギャアアアアアアアアアアア!!」
セカイ「燃え尽きろォォォォ!!」
チナ「デビルガンダムが火の鳥の炎の中に飲み込まれて……」
チナパパ「やったか?」
セイ「いや、ダメだ!」
そこでバーニングガンダムはがっくりと膝を突いた。
消える炎、その中のデビルガンダムはゾンビのようにおぞましい姿と化していたがまだ健在だ。
チナ「セカイくん!」
ユウマ「セカイのアシムレイトが切れてる……こんなに早く?」
セイ「本物のMFでのアシムレイトは初体験だからね。きっと負担が大きすぎたんだ」
セカイ「くそ……まだだ、まだやれる。俺の限界はこんなもんじゃ……」
セカイはなんとか立ち上がったが、既に機体も、彼自身の身体もボロボロだった。
セイ「もう少し……もう少しなのに!」
シロー『いや、お前たちはよくやった!』
セイ「この声は……みんな、無事なの!?」
イオ『当ったり前だ! 俺らがこんなとこでやられるワケねーだろ!』
セカイ「今、どこにいるんだ!?」
シーブック『お前たち二人の、すぐ後ろだよ』
ハッとして振り返るセイとセカイ。そこには、浮上してきた大きな戦艦の姿があった。
クロスボーンバンガードの旗艦、マザーバンガードだ。
甲板には、シローたちガンダム兄弟や08小隊、海賊、
ヨーツンヘイム社の面々が誰一人欠けることなく立っていた。
77オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2021/01/11(月) 11:44:47.63ID:52WdRZ9e0
セイ「みんな……!」
三日月「ボッーっとしてる暇、無いんじゃない? 後ろからデビルガンダム追ってきてるけど」
ベラ「お二人もこの船へ乗り込んで! 早く!」
ベラの言葉に促され、二機は屋上を駆け抜ける。
逃がすまいと背後からガンダムヘッドが迫るが、それらは全て艦砲射撃によって撃ち落とされ、
二機は無事マザーバンガードへと飛び移った。
カスペン「小僧、友の父親は救い出せたのだな?」
セカイ「ハイ! この人です!」
チナパパ「ど、どうもこの度はご迷惑を……」
カスペン「うむ。よくぞ任務を達成した。それでこそ誉れ高きカスペン戦闘大隊の一員である!」
カレン「感動の再会は後回しにしな、デビルガンダムが来るよ!」
屋上に取り残されたデビルガンダムは、未だのっそりとマザーバンガードに迫ってくる。
生体ユニットを失っても、なおも周囲を取り込み続けるその姿は、
もはや悪魔を超えた、形容しがたいおぞましい怪物となり果てていた。
シロー「全機、デビルガンダムに照準合わせ!」
シローはそんな怪物の姿をしっかりと見据え、トドメを刺すべく各員に号令する。
イオ「…………」
シーブック「…………」
三日月「…………」
シロー「今こそ、俺たちはデビルガンダムから町を取り戻す! 見てろフル・フロンタル……これが、俺たちの倍返しだ!!」
デビルガンダム「!!??」
マザーバンガード、そして甲板の全MSから放たれた一斉攻撃によって、デビルガンダムは木端微塵に破壊された――。
警察署:屋上での戦闘結果
ビルドストライクガンダム……中破
バーニングガンダム……中破
デビルガンダム(本体)……生体ユニットだったチナパパを奪われた後、駆け付けたシローたちの一斉攻撃によって完全に破壊される。
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最終更新:2023年05月09日 12:27