ずいぶん前に思いついたから、いろいろ矛盾はあると思うけど小ネタ
ある休日。兄弟はそれぞれの用事のため出かけており、
家に残っていたのは非番のシロー、珍しく休みを取ったマイ、
年がら年中家にいる(イメージ)コウ、そしてアルだけだった。
居間で新聞を読んでいたシローの元に、一枚の写真を持ってアルがやってきた。
アル「シロー兄さん、これ、なんの写真?」
シロー「どれどれ・・・」
写真は、白い建物の前で撮られた記念写真のようだった。
入学写真のように年若い少年少女が並んでいる。
シロー「ああ、これは『木馬の家』だ。懐かしいな。みろ、ここに兄さんと俺とマイとコウが写ってる。」
シローの指差す場所をアルは覗き込んだ。なるほど、確かに今よりずっと若い、しかし見覚えのある顔が写っている。
アムロは今のキラたちと同じぐらいだろうか?神経質そうな、不機嫌な表情をしている。
アル「へー小さいころの兄さんたちってなんか変な感じ。『木馬の家』って何するところなの?」
シロー「公立の養護施設だよ。事情のある子供を一時預かっておくところだ。」
アル「えっ!?何で兄さんたちそんな所に・・・似てないとは思ってたけどまさか僕たち兄弟は・・・!」
シロー「そんな訳ないだろ!これには理由があるんだよ。」
アル「理由?」
シロー「ああ、それは・・・」
マイ「何の話ですか?」
アルの出した大声でマイとコウが顔を出した。シローは苦笑しながら写真を見せた。
シロー「ここに居たって言ったらアルが勘違いしちゃってさ。」
コウ「あー懐かしい!ホワイトベース!!」
アル「ほわいとべーす?」
マイ「『木馬の家』の別名、というか正式名称です。」
シロー「ここに預けられたのには訳があってな・・・
951 名前:2/2投稿日:2008/03/05(水) 17:03:17 ID:YzAzKYW0
約14年前。兄弟一家が住んでいた地域一帯で大規模な火災があった。
一区画丸ごとを焼き尽くしたその火災により多数の死者が出た。
兄弟たちはみな無事だったが、住む家を失くし、両親は共働きで出稼ぎに行くこととなった。
女の子のセレーネと小さな弟たちは親戚の家に預けられたが、
そう何人も面倒を見てもらう訳にもいかず、
年長組は政府公認の養護施設ホワイトベース、通称『木馬の家』に世話になる事になったのだった。
コウ「でもこの施設、めちゃくちゃでさー」
マイ「僕たち以外に火事の被害にあった子供たちもたくさん入所したんですが、
その所為でいろんな物資、資金が足りなくなり、大人たちは援助をお願いするといって
何処かに行ってしまいましてね。」
シロー「ボランティアで来ていた学生のブライトさんが所長代理、
そのほかのスタッフも年が上の子供が務めるなんていうトンでもな状態だったよ。」
アル「うわぁ、大変だ。」
シロー「その上公的機関のはずなのになぜか地上げ屋に狙われててね。
子供しか居ないところをMSで強制的に立ち退かせようとするんだからまったくめちゃくちゃだったよ。」
マイ「でも、アムロ兄さんが、当時まだ試作機だったRX-78-2で毎回撃退してくれました。」
コウ「かっこよかったなーガンダム!」
マイ「でも十分に試験運用された機体ではなかったためか、兄さんも何度か危ない場面がありました。」
シロー「苦境に立たされてもあきらめず立ち向かう兄さんは俺のヒーローだったよ。」
シロー「あの時の兄さんを見て、俺も力なき人々を守れるようになりたいと警察になったんだ。」
マイ「あの時の兄さんを見て、新技術は十分に試験運用し、
詳細に観察されるべきだと思い今の仕事を選びました。」
コウ「あの時の兄さんを見て、
ガンダムが黒い三連星を倒したときのジオラマ作ったよ^^」
アル「・・・コウ兄さん・・・」
書いてみて職人さんはすごいとあらためて感動
最終更新:2019年05月27日 18:40