172通常の名無しさんの3倍2021/05/24(月) 18:12:13.24ID:RWxvRfUv0
 その夜は雲がほぼない空だった。月も新月で星の観測には絶好の機会。
月の明るさが邪魔にならない日を利用して、セレーネは自宅の前で天体観測を行っていた。
もちろん仕事でさんざん天体に関する話を同僚達としているのは間違いない。
しかしそれでも夜間に天体望遠鏡を使いながら熱心に星を見ているのは、
セレーネがそれほど天文学が好きだということを示している。

 ふと音がした。セレーネは天体望遠鏡をのぞきこむのを止めて後ろを振り返る。
弟の刹那が立っていた。

セレーネ「一緒に天体観測する? 色んな星が見られる機会、しかも解説付き。
     それとも家の中に戻る?」
刹那「当然星を見る方だ。で、コーヤコーヤ星やトカイトカイ星はどこにあるんだ?」

 セレーネは固まった。それはドラえもんの、藤子不二雄の作品の話だ。
刹那はF先生のファンでもある。それもかなりの。

刹那「冗談だ。あれは漫画やアニメの話だからな」
セレーネ「……ふー、ビックリした。実際にあると信じてるのかと驚いて」
刹那「それはない。いくら俺でもそれはない。
   で、メカトピアやチャモチャ星はどこにあるんだ?
   リルルやナポギストラーはどこにいるんだ?」
アムロ「なるほど、それなら巨人の星はどこにあるんだ?」

 いつの間にかそばに来ていたアムロが刹那と一緒に冗談を言う。
この兄にしてこの弟あり。

セレーネ「あのねえ……。そろそろ普通に天体観測しましょうか」

 セレーネがあきれてツッコミを入れた時、
どこかから『阪神の星……、それはレッドスター赤星』という声が聴こえてきた。

セレーネ「誰!?」

173通常の名無しさんの3倍2021/05/24(月) 18:15:06.75ID:RWxvRfUv0
 暗闇からザンスカールコーポレーション(通称・ザンスカール社)の
アルベオ=ピピニーデンっぽい顔をしたゴッドワルドが、
撃と書かれたふんどしとさらしを着け、日本刀を持って現れた。宇宙の虎だ。
裸足でブンブンと片手に持った日本刀を振り回しながらセレーネ達に近づく。

ゴッドワルド「天体観測がテーマとはな。素晴らしい。ぜひ話に混ぜてもらおう。
       ん? 3人とも無言でどうしたんだ?」

アムロ「……」
セレーネ「……」
刹那「……」

 少し時間が経った後、ゴッドワルドは警察署の取調室の中にいた。
ネオカナダのガンダムファイター、アンドリュー=グラハムも一緒だ。
グラハムはランバーガンダムに乗って戦うこともあるが、
同時にこの街の刑事の一人でもあるのだ。
室内はクーラーがきいているせいなのか『ズオオオオ……』と音がする。

グラハム「さて、では事情聴取をする。
     名前や職業等、それからなぜそんな怪しい格好をしているか話せ」
ゴッドワルド「了解いたした。名はゴッドワルド=ハイン、会社員だ。
       怪しい格好とはいうがあの有名なガンダムファイター、
       ドモンも日本刀を持っていたはずだが……」
グラハム「キングオブハートは夜に自宅の前でそんな格好で家族に話しかけたりしない」

 ゴッドワルドが誤解を解くためにかかった時間は少しではなかった……。

174通常の名無しさんの3倍2021/05/28(金) 19:13:24.72ID:s3STczhY0>>175
ウッソ「アムロ兄さん、大変だ! ベルリ兄さんが宗教抗争をしている!」
アムロ「宗教抗争? いったいどうしたんだ?」

 アムロが自宅でくつろいでいると、ウッソが大声をあげて部屋に入ってきた。

ウッソ「家の外でザンスカール社の人と宗教論争している状態!
    僕じゃ仲裁できないので……」
アムロ「わかった。俺が行く」

 さっそく外出する準備を整えたアムロはウッソと一緒に部屋をでた。

アムロ「もう少し状況を細かく説明してくれ」
ウッソ「最初にベルリ兄さんとセルフレジの話をしていて」
アムロ「セルフレジ? ああ、店員さんではなく自分でレジをするあれか」

 セルフレジとは機械にバーコードを読み込ませて自分自身で商品代金の支払いをするレジである。
畑の近くの無人野菜販売所は広義のセルフレジに入るのかもしれない。

ウッソ「名前がとてもいいとかベルリ兄さんが褒めに褒めて、
    それから一緒にスーパーマーケットの話をしてて……」
アムロ「スーパーマーケット? 何があったのかさっぱりわからないんだが」

 アムロとウッソは玄関から家の外に出た。
すぐそばではベルリとクロノクル=アシャー、
それから騒ぎを聞きつけたのか大勢の人達が立っている。

アムロ「2人とも、いったい何があったんだ!?」

ベルリ「アムロ兄さん、きのこの山は最高のお菓子だよね。
    家にいながら山登りの気分、キノコ狩りの気分が味わえるんだよ」
クロノクル「アムロさん、我ながら大人げないと思うが言わせてくれ。
      たけのこの里はすごいお菓子だ。
      かの有名な明治のお菓子、カールと同じぐらいおいしいと思う」

アムロ「……まさかきのこたけのこの論争とは思わなかったな」

 しばらく経った後、アムロの仲裁で無事双方とも仲たがいをやめた。
ある意味食べ物の恨みはもっともおそろしい。

175通常の名無しさんの3倍2021/05/31(月) 15:26:56.39ID:alta/opF0
174
キラ「僕はどっちかというときこりの切り株派だなぁ~」
シン「堂々と宣言するなあんた・・・」
三日月「美味しければどっちでもいいけどね」


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最終更新:2023年05月11日 13:05