189オールアムロVSシャア軍団VS
ガンダム兄弟2021/06/20(日) 18:42:23.02ID:jDvL0YGt0
AM07:45
日登町中央区:学校
混迷を極める戦場に突如現れた機体、ウイングガンダムゼロ。
その姿を見たバナージは驚きの声をあげた。
バナージ「ヒ、ヒイロ! お前いつ
ミンチから蘇ったんだよ!」
フロンタル「そうだな。君は昨日、機体ごと自爆したのでは?」
ヒイロ「確かに俺は任務中自爆した。リリーナの作った毒ぶ……料理を食って戦闘不能になった以上、最適の選択だ」
アルレット「アンタ今リリーナちゃんの料理のこと毒物って言いかけなかった?」
ヒイロ「だが自爆して
ミンチになった瞬間、腹の中の毒物も炎によって浄化され、俺は復活することが出来た。
やはり自爆はあらゆる問題を解決する。『
月刊自爆』創刊号37Pにもそう書いてある」
ヒイロは真顔でそう言い放った。
リディ「自爆教信者こえ~……」
マイ「その
ミンチになったヒイロは、昨日僕たちが回収したんですよ」
アルレット「家を焼かれてMAで脱出した途中でね。たまたま見つけたの」
マイ「もっとも
ミンチから復活した後、他のみんなと合流する前に姿を消してしまったのですが」
ヒイロ「この事件を解決するためには、俺だけでなく
ガンダムも修復する必要があった。
みんなに一言、挨拶もできなくてすまない」
アルレット「そうね。私たちもあの後色々忙しくて、ヒイロが復活したっていうのすっかり忘れてたわ」
バナージ「いや、いいよ。こうして大事な時にちゃんと戻ってきてくれたんだからさ」
マイ「ちなみに、そのウイングゼロはどうやって修復したんですか?」
ヒイロ「知り合いからパーツを拝借した」
バナージ「知り合い……あっ(察し」
同時刻 学校:北防衛線:イサリビ艦内
雪之丞「(補給中)ところで、なんでおまえさん普通のデスサイズで来たんだ?」
デュオ「(補給中)なんでか知らんけど、朝起きたらデスサイズヘルの方がバッラバラにされてたんだよ!!」
バナージ「デュオ……気の毒に」
190オールアムロVSシャア軍団VS
ガンダム兄弟2021/06/20(日) 18:42:54.14ID:jDvL0YGt0
フロンタル「しかし私も驚いたよ。アルレット君たちがらしくない戦いをしてまで待っていた相手が、まさか君とは」
フロンタルはウイングガンダムを見て、感慨深げに呟いた。
フロンタル「君は
ガンダム兄弟の中でもっとも完成された、最強の兵士だ。
私も君のことは一番に警戒していたのだよ? だから昨日、勝手に自爆してくれた時には随分嬉しかったものだが」
ヒイロ「さっき自分で言った通りだ。お前は時間をかけすぎた」
フロンタル「それは私も反省している。では、今度は手早く済ませようか!」
ネオ・ジオングによる肩部大型メガ粒子砲と大口径ハイメガ粒子砲の砲撃により、戦闘は再開された。
だがヒイロは、突然の攻撃にも焦ることなく、淡々と機体を翻して回避する。
ヒイロ「マイ兄さん。一つ聞きたい。避難している人々の安全は保障されているのか」
マイ「ああ、それなら大丈夫だ。ミネバちゃんたちが乗るサイコジム、あれのバリアは安定している」
ヒイロ「了解。これで全力で戦える」
続いてやってきた有線式大型ファンネル・ビットによるオールレンジ攻撃。
縦横無尽、360度から襲い来るこの攻撃を、ヒイロはローリングバスターライフルで一斉に薙ぎ払った。
ヒイロ「! これは……」
フロンタル「かかったな」
だが今の攻撃は囮だった。破壊されたファンネル・ビット、
その爆炎の中からワイヤーが伸び、機体をジャックしようと試みる。
それをウイングガンダムゼロは急加速・急旋回で回避、後退しながらマシンキャノンで弾幕を張った。
フロンタル「ちっ! 流石にやる!」
策を潰され、舌打ちをするフロンタル。対してヒイロは何かに気づいたような顔でネオ・ジオングを見た。
アルレット「どうしたの、ヒイロ」
ヒイロ「この感覚……覚えがある。これは、ゼクスのエピオンと戦ったときと同じだ」
アルレット「エピオンと……ってどういうこと?」
マイ「! そうか、そういうことか!」
そこでマイはハッと顔をあげた。
マイ「ヒイロ、つまりそれは、今のネオ・ジオングには『ゼロシステム』が搭載されているということなんだな?」
ヒイロ「ああ。おそらくそうだ」
一つ頷き、ヒイロは鋭い目でネオ・ジオング、ひいては中にいるフル・フロンタルを睨みつける。
191オールアムロVSシャア軍団VS
ガンダム兄弟2021/06/20(日) 18:43:17.94ID:jDvL0YGt0
ゼロシステム。それは高度な情報分析と予測から導き出された演算値を
直接パイロットの脳にフィードバックすることで、
疑似的な未来予知を可能にするシステムだ。
ヒイロ「ゼロシステム搭載機同士が戦った場合、システム同士がオーバーフローを起こし、特異な反応を示すことがある。
……ヤツのネオ・ジオングとぶつかった際にも、それと同じ反応が起きた」
ヒイロの言葉に、マイはああ、と思わずうなった。
マイ「それで全ての疑問が解けた」
バナージ「疑問って……」
アルレット「MA、DGの出現やアムロの暴走みたいな複数の事件を、どうやって“同時に”起こしたのかってことよね」
マイ「そうです。そんな神様みたいな手品の種だけがどうしてもわからなかった。
ですが、『ゼロシステム』を持っているとすれば説明がつく」
マイは滅多に見せることのない、厳しい目つきでネオ・ジオングを睨んだ。
マイ「『ゼロシステム』が見せる何億・何兆もの可能性から自分にとって都合のいい未来を選択し、
そこに至るまでのプロセスをシミュレートし続ければいいんです。
そうすれば、理論的にはどんなありえない未来だって実現できうる」
アルレット「もっとも言うのとやるのとでは大違いだけどね。
いくら『ゼロシステム』とはいえ、今回みたいな大がかりな事件の道筋をつけるためには莫大な計算が必要になるわ。
それこそ世界中の砂漠から一粒のごま塩を探す方が遥かにマシってレベルのね」
バナージ「だけど、フル・フロンタルはそれをやった……!」
ヒイロとマイとアルレット、それとバナージの4人はじっとネオ・ジオングを見つめる。
フロンタル「君たちの予測通りだよ」
そう言ってフロンタルは照れたように鼻を鳴らした。
フロンタル「確かにこの機体には『ゼロシステム』が搭載されている。もっとも、より長期的な未来を見るために改造はしたが」
マイ「やはり……!」
フロンタル「やはりヒイロ君にはすぐにバレてしまったな。こうなるのがわかっていたから、ウイングガンダムゼロとは戦いたくなかったのだが」
ヒイロ「一つ答えろ。お前はどうやって『ゼロシステム』を手に入れた」
ヒイロは厳しい声色でフロンタルに詰問する。
ヒイロ「ドクターたちはたとえ殺されてもお前には協力しない。今『ゼロシステム』を搭載しているのは俺のゼロとゼクスのエピオンだけ。
ならばお前はどうやって『ゼロシステム』を手に入れた。まさか……ゼクスが俺たちを裏切ったのか!?」
強い口調で問いただすヒイロ。そんな彼に、フロンタルが返した答えは……
フロンタル「いや、普通にウイングガンダムゼロから回収したが?」
ヒイロ「……?」
首をかしげるヒイロ。
フロンタル「君が自爆するたびに機体からばら撒かれた破片を拾い集めてな。それで復元できた」
ヒイロ「…………」
マイ「これは……」
ヒイロ
アルレット「いや、アンタのせいじゃない」
ヒイロ「フル・フロンタル……お前を殺す!」
アルレット「あ、誤魔化した」
バナージ「意外と都合悪いことは力づくで誤魔化すからなこいつ……」
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最終更新:2023年05月11日 13:05