395通常の名無しさんの3倍2022/05/06(金) 17:53:24.86ID:5ek+O5Vg0
 その日、外から家に帰ってきたジュドーは、
キッチンで兄のロランがパンを作っていることに気がついた。

ジュドー「おいしそ~!」

 ロランのパン製作の技術はプロレベルに近いものがある。
この街にはキースがいるパン屋、あるいはカロッゾが店主のベーカリーがあるが、
ロランのパンはそことほぼ同じくらいの凄さと言ってもいいだろう。
家族であるシーブックはカロッゾの店で働いているが、
ロランのテクニックを自分の目標の一つにしているのは間違いない。

 シーブックが料理に関して努力家なことは確かだが、
その話題は今回の話の本筋からそれるので、申し訳ないが割愛する。

 さて、今回ロランが作っているのはアンパンマンの顔の形をしたアンパンである。
ジュドーはこの丸いパンを早く食べたいと一目見て思った。
ロランの料理の腕前は金銭的価値では計ることができないものである。そうジュドーは考えていた。
本来なら商才のあるガロードあたりと組んでロランの料理を大量に売れば、たちまち利益が出るだろう。
それをしない、そういう商売をしないのは、調理する兄の負担になるからだ。
同時に兄のいつもの料理をいつものように食べたいという想いも存在する。
その気持ちは他の兄弟達にとっても例外ではない。

アムロ「ロランのパンを早く食べたいな。これは期待大だ」
ロラン「アムロ兄さん、もうちょっと待ってもらえれば」

 アムロはロランのパン作りを見ていたが、嬉しそうな顔から急に考えこんだ表情になった。

ジュドー「どうしたの、アムロ兄さん?」
アムロ「アンパンマンのことを考えていたら、気になることがあってな」
ロラン「パンを投げるパン工場の人について考えていたら、
    巨人の投手にスカウトしたくなったとか? あそこの人達、剛球でコントロールも良さそう」
アムロ「どこまで俺を野球好きだと思っているんだ!?」

ロラン「カバオとチーズの声優が同じことに今さら気付いた」
アムロ「それはもう前から知っているよ。
    今はジャムおじさんの声もやっているのを知った時は山寺さんの凄さを改めて認識した」
ジュドー「それじゃ、何?」

 ジュドーの問いにアムロは真面目な顔をして答えた。

アムロ「この街にジャムルフィンという機体があっただろう。
    あれに乗っているパイロット達はまわりの人からジャムおじさんと呼ばれているのだろうか」
ジュドー「さあ……? 考えたことないね」


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最終更新:2023年05月22日 11:44