599通常の名無しさんの3倍2023/01/22(日) 22:39:41.39ID:p9RqNFjM0>>613
アスティカシア高専 地球寮 株式会社ガンダムオフィス

ミオリネ「だめ、ダメ、駄目! どれもこれも全部ダメ! なんなのこのクソ企画は!! 私、次の事業プラン考えてきてってちゃんと言ったよね!?」
マルタン「そんなあ、授業の合間を縫って必死に作ったのに」
ミオリネ「こんな凡庸なアイデアでよく必死なんて言葉が使えるわね!? もっと他所がやってないような斬新な企画もってきなさいよ!」
オジェロ「俺たち学生だぜ? 斬新なって言われて、そんなポンポン出てくるかよ」
ミオリネ「甘えてんじゃないわよ! ビジネスの世界にプロも学生もないのよ! たるんでるならいつでも辞めてもらって結構!!」
マルタン「僕ら別に入れて欲しいって頼んだ覚えないんだけどなあ」
ミオリネ「(無視)ともかく! 来週また企画会議やるからね! 今度はマシな企画考えて来なさいよ。特にスレッタ!」
スレッタ「は、はい!」
ミオリネ「アンタ前回も今回も手ぶらじゃない。ウチは働かない社員を置いとく余裕はないんだからね! わかってる!?」
スレッタ「ご、ごめんなさいい……」
ミオリネ「次はこうだったら承知しないからね! じゃあ本日は解散!!」ガチャン!!

オジェロ「はあ、ようやく解放されたあ」
チュチュ「ったく、長いんだよあのワガママクソスペ女! しかも会議中ずっとブチ切れやがって!」
アリヤ「あのパワハラ気質は父親似だね、間違いなく」
リリッケ「みなさんお疲れ様でした。お茶入れますね」
スレッタ「はあ~~……」
ニカ「どうしたのスレッタ。ため息ついて」
チュチュ「ミオリネに集中攻撃されたのがそんなに堪えたのかよ」
スレッタ「そ、それももちろんありますけど」                      ミ ン チ
チュチュ「ンな時はガツンと言ってやればいいんだよガツンと! てめーあんま調子乗ってっとひき肉にすんゾってさあ!」
スレッタ「そ、そ、そんな! わたしミオリネさんをミンチになんてしませんよ!? 日登町じゃないんですから」
マルタン「いやそんな焦らなくても冗談だからね。……多分」

600通常の名無しさんの3倍2023/01/22(日) 22:40:02.63ID:p9RqNFjM0
スレッタ「ち、違うんです。わたしが悩んでたのは、その、わたし全然ミオリネさんの役に立ってないなって思って」
リリッケ「そんなことないですよ。スレッタ先輩はパイロットなのに他の雑用も率先してやってくれてるじゃないですか」
アリヤ「動物たちの世話もね。正直、とても助かっている」
スレッタ「でも、それじゃまだ足りないんです。ミオリネさんは私のために会社を作ってくれたのに。もっと、もっと恩返ししないと……」
チュチュ「は~損な性格。あ~しにゃ全然わかんねえ」
ニカ「そう? 私は何となくわかるけどな。だってスレッタはミオリネの花婿だものね。花嫁のために何かしてあげたいことだよね」
スレッタ「そう!そうなんです! あの、ニカさん! ミオリネさんが喜んでくれるような企画って、どうしたらできますか!?」
ニカ「企画って、ああ事業企画? 来週までに考えてこいって言われた宿題の」
スレッタ「そうです。正直、前回の寮長さんの企画も、今回のニカさんの企画も、わたしなんかには全然思いつかないくらいスゴイと思ったのに
     ミオリネさんは全然満足してなくて……。どうしたらミオリネさんが納得できるような企画ができるのかなって」
ヌーノ「理想が高すぎんだよアイツは。いくら経営戦略科の首席だからってさあ」
オジェロ「おまけにデリング総裁の娘で政財界の大物にも顔が効くからな。それこそノーベル賞取れるレベルじゃないと満足しないんじゃねーの?」
スレッタ「ノーベル賞、ですか……」
ニカ「ねえ、スレッタ。こうしたらどうかな? スレッタには工学とかMSに詳しい兄弟がいっぱいいるでしょ?」
スレッタ「は、はい、います。アムロ兄さんやアルレット姉さんはMSの専門家だし、セレーネ姉さんは宇宙のスペシャリストですし……」
ニカ「なら試しにお兄さんやお姉さんに話を聞いてみたら? 年の功じゃないけど、きっとなにかいいアイデアを貰えるんじゃない?」
スレッタ「そう、そうかもしれませんね。わたし、さっそく相談してみます! ありがとうございました!」
ヌーノ「おー、凄い勢いで帰ってたな」
チュチュ「さっすがニカ姉、あっという間にアイツの悩みを解決したな」
ニカ「う~ん、でも自分で言っておいてなんだけど、少し心配ではあるのよね」
マルタン「心配? なにが?」
ニカ「ほら、あの子の兄弟って色んな意味で個性的っていうか有名人じゃない? 悪く言うとトラブルメーカーっていうか。
   それにスレッタも気弱なようでいて、変なところで思いきりがいいし、それが組み合わさった時、どんなことが起きるか予想できないのよね」
マルタン「い、いやまさか、そんなとんでもないことが起きるはずが、ねえ?」

601通常の名無しさんの3倍2023/01/22(日) 22:40:42.19ID:p9RqNFjM0
そして一週間後。日登町近郊の荒野

ミオリネ「まったくどういうつもりなのスレッタは! 今日は企画会議の日だってのにこんな辺鄙なとこに来いって!」
マルタン「新しい企画をプレゼンするからって話だったけど」
チュチュ「で、あ~しらを呼びつけた当の本人はどこにいやがんだ?」
ニカ「あ、見えた。あの丘の下に膝をついてるの、スレッタのエアリアルじゃない?」
ティル「ほんとだ」
スレッタ「お~いみなさ~ん! こっち、こっちですよ~!!」
ヌーノ「ていうかスレッタの他にもひい、ふう、みい……十数人くらい人いねえ?」
オジェロ「たしかに。あいつ、あんなに人を集めてなにやるつもりなんだ?」
ミオリネ「行けば解るわよ。ったく、これでしょうもない企画だったら承知しないんだから」

スレッタ「ミオリネさん、それに地球寮の皆さん、今日は私のプレゼンに集まっていただきありがとうございます!」
マイ「君たちがスレッタの同僚の株式会社ガンダムのみんなだね。会えて光栄だよ」
ニカ「スレッタ。こちらの方は?」
マイ「僕はオリヴァー・マイ。スレッタの兄だ。普段はヨーツンヘイムという会社で技術者をやっている」
ヌーノ「ええっ!? ヨーツンヘイムってあの(変な商品ばっかり作ってることで)有名な!?」
マイ「おや、僕の会社のことを知ってるのかい?」
オジェロ「そりゃメカニック科の連中みんな知ってますよ。なんせ(作った商品がみんな空中分解することで)有名ですから」
ミオリネ「それで、あなたは今日どうしてここに?」
マイ「実は今日のプレゼンテーション、僕も参加するんだ。なにせ一人ではできない、大掛かりな実験になるから」
ミオリネ「大がかりな実験? スレッタ、アンタ今日は一体何をする気なの?」
スレッタ「よくぞ聞いてくれましたミオリネさん! じゃじゃーん! 私が今日プレゼンするのは、日登町で最近新たに発見されたエネルギーについてです!!」
ニカ「日登町で」
チュチュ「最近発見されたエネルギー?」
スレッタ「ふっふっふ、気になりますよねミオリネさん?」
ミオリネ「いや、勿体付けてないで早く始めなさいよ。時は金なりっていうでしょ!」
スレッタ「ア、ハイ。じゃ、じゃあ皆さん、はいってきてくださ~い!!」
ビルギット「ふう、やっと出番か」
バーニィ「腕が鳴るなあ」
トロワ「…………」
マユ「が、がんばります!」
マルタン「なに? ぞろぞろ入ってきたけど?」
リリッケ「私よりも小さいあんな女の子まで……。スレッタ先輩、何をするんでしょうか」
アリヤ「なんだか私、猛烈に嫌な予感がしてきたぞ」

602通常の名無しさんの3倍2023/01/22(日) 22:41:46.30ID:p9RqNFjM0
マイ「よし、じゃあさっき説明したとおり、みんな所定の位置について貰えるかな。スレッタ、エアリアルの調子はどうだい?」
スレッタ「動力部とケーブルの接続完了。こっちはいつでもいけます!」
ニカ「エアリアルとケーブルで繋がった台座の上に人を何人も並べて……これが新しいエネルギーの実験?」
スレッタ「じゃ、じゃあ準備はいいですかバーニィさん?」
バーニィ「よし! いつもでも来い!」
スレッタ「行きますよ~! せ~の、やめな、さ~~~~~い!!」
ミオリネ「え?」

バチーン!!(エアリアルの平手がバーニィを叩き潰す音)
グシャア!(バーニィがミンチになる音)
ヒュ~、コツン(千切れて吹き飛んだ腕がミオリネの頭にあたる音)

ミオリネ「…………」
地球寮の面々「…………」

「「「「「「「ぎゃああああああああああああああああああ!!!?」」」」」」

マルタン「ススス、スレッタのガンダムが人間を殺したァァ!?」
リリッケ「きゅ、救急車! 救急車呼ばないと!」
ヌーノ「いやどう見たって手遅れだから! それより警察に連絡を!」
ニカ「スレッタ、まさかこんなになるまで追い詰められて……!?」

603通常の名無しさんの3倍2023/01/22(日) 22:42:08.42ID:p9RqNFjM0
マイ「ミンチ前後での二度のエネルギーの発生を確認。スレッタ、そっちはどうだい?」
スレッタ「コンバータでの変換成功、伝送時のロス率1.2%、モニターにてエネルギー残量の増加を確認!」
マイ「よし、実験は成功だ!」
スレッタ「やったねマイ兄さん!」
ミオリネ「アンタたち……なんで、笑ってるの?」
オジェロ「そうだ! 何が新しい実験だよ人を殺しておいて」
バーニィ(ミンチ)「俺なら大丈夫だよ~?」
マルタン「ミンチが喋ったぁ!?」
ビルギット「ミンチにこんなに驚くなんて、こいつら日登町の外の人間か」
マユ「ちゃんと教えておかなかったの?」
バーニィ(ミンチ)「町民以外をミンチにするときは前もって説明しないと。絶対こうなるんだから」
スレッタ「ご、ごめんなさ~い」
ニカ「ど、どういうこと?」
マイ「ええと簡単に説明すると、日登町ではミンチになってもすぐ復活するんだ」
マルタン「え、なにそれ怖い」
スレッタ「個人差はありますけど、大体5~15分でミンチから戻りますよね」
バーニィ「まあ俺たちはミンチ慣れしてるから気合を入れれば10秒くらいで復活するけどな」
リリッケ「ホントに戻ってる……!」
マイ「それで最近の研究で、ミンチになる時とミンチから戻る時に、それぞれ未知のエネルギーが発生することがわかったんだ。
   学会ではこれを『ミンチー線』と名付けて、僕の会社でも実用化に向けて研究をはじめているんだよ」
ニカ「それがスレッタの言ってた新しいエネルギー……?」
チュチュ「いや人をミンチにして発生するエネルギーってなんだよ! っていうかなんでミンチになっても復活するんだよ!」
バーニィ「それはまあそういうモノと割り切ってもらうしか」
ビルギット「いまだに復活する原理とか不明だしな」
ヌーノ「なんでそんな冷静なんだよアンタら……」
オジェロ「現象も怖いけど住んでる住民もこええよ……」
マイ「それでスレッタに相談されたときピンときてね。
   ぜひ株式会社ガンダムと共同でミンチー線を事業化したいと思い、こうしてプレゼンに参加させてもらったわけさ」
スレッタ「そのためにわざわざ、日登町が誇るミンチスト※の皆さんにも集まってもらったんですよね」※ミンチのスペシャリストの略
マイ「なにせミンチー線はまだ未知のエネルギーだからね。安定し出力するのはこうして数をそろえないと」
マユ「わたしたち、がんばってミンチになりますね!」
ニカ「ええと、念のため質問だけど、ミンチになることに抵抗は無いの? 怖いとか痛いとか」
ビルギット「まあ、最初はビビったけどもう慣れたしなあ」
バーニィ「俺たち、なんだかんだで一日に二回はミンチになってますからね」
ビルギット「ならただミンチになるより、こうして仕事になった方が得っていうか」
マユ「わたし、ミンチで稼いだお金でシンお兄ちゃんにプレゼントするんだ~♪」
トロワ「命なんて安いものだ。特に俺のは」
ヌーノ「あ、ダメだ。ミンチに関しては、この人ら完全に倫理観がバグってる」
ミオリネ「…………」
スレッタ「うふふ、ミオリネさんたらあんなにびっくりした顔して。プレゼンは大成功だね」
マイ「いや、僕にはわかる。あれはまだ満足していないって顔だ。次はよりエネルギー効率を高めてるため、10秒間に5人ミンチにチャレンジだ」
スレッタ「はい! わかりました!」
バーニィ「よし! スレッタたちのためにも俺らも頑張ってミンチになるぞ!」

604通常の名無しさんの3倍2023/01/22(日) 22:42:37.88ID:p9RqNFjM0
バチーン!グシャア!バチーン!グシャア!バチーン!グチャ
バチーン!グシャア!バチーン!グシャア!バチーン!バチーン!バチーン!バチーン!

ティル「人間が次から次へとエアリアルに潰されていく……」
アリヤ「まさに、地獄絵図だねこりゃ」
マルタン「う、うおえええええ……」
リリッケ「大変、マルタン先輩戻しちゃいましたよ!」
ヌーノ「そりゃあこんなスプラッタな光景見せられたらなあ」
オジェロ「血とか肉片とかもガンガンこっちに飛んでくるし」
チュチュ「さすがのあ~しもドン引きだわ」

バーニィ(ミンチ)「どうしたァ! ミンチにするスピードが遅くなってるんじゃないかスレッタ!」
ビルギット(ミンチ)「今日の俺たちは絶好調だ! これならミンチからの復活10秒の壁を超えられるぞ!」
マイ(血まみれグルグル目)「素晴らしい――ミンチー線が高まるにつれて色々なことが理解できていく――
              そうか――こんな簡単なことだったのか――人間とは――進化とは――」
スレッタ(血まみれ)「スゴイスゴイ! ミンチにすればするほどエアリアルが元気になる! あ! わたし閃きましたよ!」

バチーン!グシャア!バチーン!グシャア!バチーン!グシャア!

スレッタ(血まみれ)「エアリアルがみんなをミンチにして! 取り出したエネルギーで機体を動かす!」

バチーン!グシャア!バチーン!グシャア!バチーン!バチーン!バチーン!

スレッタ(血まみれ)「永久機関が完成しちゃいましたねえェェ~!! これでノーベル賞は私たちのモノですよミオリネさぁん♪」

ミオリネ「ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ」

確かに斬新な企画を持ってこいとは言ったけど、それは絶対にこれじゃない。
そう思いつつも、目の前で行われるあまりに常軌を逸した光景に、何も言えないミオリネだった。

その夜のスレッタの日記
『きょうは、マイ兄さんにてつだってもらって、かぶ式会社ガンダムのみんなにプレゼンをしました。
 みんなにとてもおどろいてもらえたし、マイ兄さんも宇ちゅうの真理にきづいたみたくて、とてもよかったです。
 だけど、まちのみんなを100回くらいミンチにしたあたりでもとにもどらなくなり、
 そうするとエネルギー効率も落ちるから永久きかんにはならないし、ノーベル賞も取れないと言われました。がっかりです。

 でも、プレゼンが終わったあと、ミオリネさんに「今度なやんだら、まず私に相談しなさい」と言われました。
 なんだか今までよりももっと仲良くなれた気がして、とってもうれしかったです。スレッタ・マーキュリー』


スレッタ「ミオリネさぁん。今度は100%ミンチー線のエネルギーで動く、合体変身ロボットを共同で作らないかってマイ兄さんが」
ミオリネ「絶対却下!!」

605通常の名無しさんの3倍2023/01/22(日) 23:38:02.52ID:53375BBF0
乙です。地球寮の皆にトラウマが・・・
思えば三日月が兄弟入りしたばかりの頃のオルガもミンチよりひどい状態から
蘇生する事に戦慄していたなぁ・・・。


アムロ「スレッタ!マイ!こっちに来なさい!久しぶりに説教だ!!」
ロラン「いくら何でもやり過ぎです!酷過ぎます!」



デリング「だが、この程度で心を折る様なら、今心を折ってやった方が親切だ」

606通常の名無しさんの3倍2023/01/23(月) 09:00:52.87ID:cTMaMKLv0>>607
スレッタ「? でもアムロ兄さんたちだってシャアさんをよくミンチにしたり月光蝶で分解しているじゃないですか」
アムロ「うぐっ、シャアはいいんだよ変態だから」
シャア「やーいダブスタクソ兄貴!」

607通常の名無しさんの3倍2023/01/23(月) 16:58:45.14ID:hjzbze2R0
606
アムロ「ええい黙れ!634直伝の巴投げ!!」
シャア「グワーッ!!」

スレッタ「げぇーっ!図星を刺されたアムロお兄さんがシャアさんを巴投げしちゃったー!?」
ミオリネ「それに対してしっかり受け身を取るシャアさんも大したものね」
ロラン「ちなみに僕の場合は注意しても言う事を聞かなかったり、争いを辞めなかった場合に
    制裁する手段として月光蝶を使っているんです。それだけは理解してもらえると…」


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最終更新:2023年05月29日 12:26