64 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:2008/03/31(月) 00:45:13 ID:???
~一日目~
カミーユ 「ん……道路工事やってるのか。うるさいな……」
ゲゼ 「おう姉ちゃん、セメント袋一つかつげねえんじゃこの先やってけねえぞ! ビシッとしろや、ビシッと!」
マリナ 「は、はい、すみません……」
カミーユ 「……あんな細い人が工事現場のバイトやってるのか……世も末だな」
~二日目~
カミーユ 「今日はパン屋のドンキーが出張販売に来てるのか……ん?」
キース 「おいおい、さっきのお客さんに渡すお釣り間違えてるよ! しっかりしてくれよ」
マリナ 「すみません……」
カミーユ 「……なんか、微妙に見覚えのある人だな……?」
~三日目~
カミーユ 「さて、コンビニで適当におやつでも買って帰るか……ん?」
メイリン 「あのー、いい加減レジ打ちぐらいこなせるようになってもらいたいんですけど……」
マリナ 「すみません、すみません」
カミーユ 「……やっぱり、あの人だよな?」
~その夜~
カミーユ 「ただいまー」
ロラン 「お帰りなさい。今日はお客さんが来てるんですよ」
カミーユ 「(ピキーン!) ……なんか聞かなくても予想がついた気がする……」
刹那 「……おかえり」
マリナ 「……」
カミーユ 「ああ、やっぱりこの人か……」
刹那 「知り合いなのか?」
カミーユ 「いや、知り合いって言うか……最近、いろんなところでバイトしてるの見かけるから。
あー、ちなみに、この人はどちらさま?」
刹那 「
マリナ・イスマイール。中東にあるアザディスタン王国の皇女だ」
65 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:2008/03/31(月) 00:45:59 ID:???
カミーユ 「こ、皇女!?」
キラ 「びっくりだな……! ラクスも真っ青のお嬢様じゃないか」
マリナ 「……残念ながら、わたくしの国は貧乏なので……」
刹那 「化石燃料が枯渇してしまったんだ。で、祖国を救うためにこの国に出稼ぎに来ている」
カミーユ 「出稼ぎって……偉い人に援助要請しに来てる、とかじゃないのか?」
シン 「あー……そう言えばこの人、この間ピザの出前取ったときに来たバイトの人だ……」
アル 「玩具屋で陳列棚のプラモ倒して怒られてたような……」
アムロ 「ひょっとして、この間ウチの会社とレウルーラ社を間違えて荷物の宅配した人じゃないか?」
ドモン 「……サイ・サイシーの中華料理屋の皿洗いと似てたから、もしかしたらと思っていたが……」
刹那 「……そうなのか?」
マリナ 「……お腹が空いて頭に血が回らなくて……」
シーブック「なんとぉーっ! 末期じゃないかそれは!」
ロラン 「大変ですねえ。さあ、とりあえずご飯にしましょ」
マリナ 「ヒッ……!」
カミーユ (!? な、なんだ、急に表情が引きつって……!?)
マリナ 「せせせせせ刹那、これはもしかして白いお米というものなのでは……!」
刹那 「そうだが、なにか」
マリナ 「じじじ、実物をこんな間近に見るのは何年ぶりのことか……!」
ロラン 「年単位なんですか!?」
マリナ 「こここ、こんなぜいたく品をごちそうになるわけには……!」
シーリン 「毅然としなさい、
マリナ・イスマイール!(スパーン!)」
カミーユ 「うわ、誰だ!?」
シン 「突然出てきて平手打ちかよ!」
刹那 「あの眼鏡は、マリナのお付きのシーリンという女だ」
シーリン 「なんですか、白いお米を見ただけでそんなに動揺して……!」
マリナ 「ででででで、でもシーリン! お米には一粒一粒に神様が宿ると……!」
シーリン 「だからなんですか! あなたもアザディスタンの皇女なら、ご飯ぐらい優雅に食してみせなさい!」
ジュドー (……そんな深刻な話なのか、これ……)
ガロード (あっちでは米が貴重品、とか、そういう話じゃないんだよな……?)
マリナ 「そ、そうね……そうよね、お米ぐらい、皇族なら普通に食べるはずよね!」
シーリン 「ええそうですとも、お米はちっとも怖くなんかありません!」
マリナ 「ありがとうシーリン、自信がついたわ。ではいただきま」
ロラン 「ああ、待ってください。今おかずを……」
マリナ 「キャーッ!」
カミーユ 「!!?」
マリナ 「ししししししし、シーリン! おおおおお、お肉よ、お肉が出てきたわ!」
シーリン 「ききききききき、毅然としなさい
マリナ・イスマイール! ににに、肉ぐらい皇族なら普通に」
カミーユ 「……なんか、凄い人たちだな……」
刹那 「……」
それ以降、マリナはたびたび兄弟家の食卓に招かれては、大袈裟に感涙しながらご飯を食べるようになったそうな。
兄弟よりも食べた時の反応がいいので、ロランとしては結構嬉しかったりするそうである。
66 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:2008/03/31(月) 00:56:49 ID:???
シャギア「やれやれ、食事くらいであれほど騒ぐとは……むぐむぐ……困った皇女だな、オルバよ」
オルバ「もぐもぐ……本当だよ兄さん。確かにロランの作る料理はおいしいけど、あれは恥ずかしいね」
シャギア「んぐっんぐっ……ぷはぁ。ああ、まったく恥ずかしいな。ちょっと
ロラン君、私にトンカツ一枚くれ」
オルバ「僕はハムカツ」
最終更新:2020年01月13日 10:13