707 名前:わらしべ長者 お弁当が・・・投稿日:2008/04/05(土) 22:11:15 ID:???
ギンガナム「ハッハッハッ、今日もローラの朝御飯は絶好調である。」
キラ「ああっ、僕の卵焼きとししゃもが!?」
シン「だから、そんな事言いながら俺の分を取るなっての!!!」
シン「くそぉ、今日もキラ兄におかず取られて、殆ど食べられなかったぜ・・・だけど。」
ルナ「おっはよー、シン。」
シン「俺にはルナがいるからな・・・おはよう、ルナ、弁当は?」
ルナ「会った途端に弁当の催促って何よ・・・まあ、良いわ、はいコレ。」
シン「おっ、サンキュー・・・じゃあ早速・・・。」
???「ううっ・・・うううううっ・・・・・・。」
ルナ「ん、何か女性の呻き声が・・・ねえ、シン、あそこ・・・誰か倒れてる・・・。」
シン「へっ・・・あ、あれは確か刹那の知り合いの・・・マリナさん?」
マリナ「ううっ・・・ひもじいわ・・・3日前から殆ど食べてない状況だから・・・お腹すいた・・・。」
ルナ「何かよさそうな身なりなのにひもじいって・・・どういう事?」
シン「まあ、色々あるんだって・・・それより、マリナさん、大丈夫か?」
マリナ「あ、貴方は刹那のご兄弟の方・・・あっ、それは!?」
シン「あっ、これは俺の弁当で・・・。」
マリナ「食べさせてくれるのね、ありがとう・・・バクバク、モキュモキュ・・・・・・。」
シン「ああっ、俺の弁当を勝手に!?」
マリナ「ご馳走様でした、美味しかったです。」
ルナ「はやっ、僅か数秒足らずで食べ終わるなんて・・・余程お腹空いてたのね。」
シン「・・・俺の弁当が・・・俺の弁当・・・俺の・・・。」
ルナ「あー・・・はいはい、そんなに落ち込まない、一応人助けしたんだから、ね?」
マリナ「あの・・・空腹で倒れそうになった所を助けて頂き、ありがとうございました。」
ルナ「いえ、どういたしまして・・・私達はこれから学校があるので、これで・・・。」
マリナ「あっ、待って・・・お礼といってはなんだけど、これをどうぞ。」
シン「ん、何だこれ・・・フィギュア?」
マリナ「バイト先で貰ったもので・・・もう古くて売れないから、引き取ってくれっていわれた物だけど・・・。」
シン「売れ残りかよ・・・あんた皇女なんだから、もっと良いものくれよ。」
マリナ「そ、そう言われても・・・手に入ったお金は祖国に送ってるから殆どなくて。」
ルナ「止めなさいよシン、それじゃチンピラと一緒よ・・・失礼しました、私達はこれで。」
マリナ「はい・・・お弁当、本当にありがとうございました。」
708 名前:わらしべ長者 フィギュアが・・・投稿日:2008/04/05(土) 22:12:38 ID:???
学校・・・
シン「くっそー・・・結局何時もどおりに腹空かして午前中過ごさなきゃならねぇのかよ。」
ルナ「まあ、まあ・・・あの人の役に立てたんだから、良いじゃない。」
シン「そうは言ってもなぁ・・・こんなダッサイフィギュアと交換って・・・。」
ルナ「確かに・・・一昔前って感じのフィギュアよね、これって。」
シン「こんなの貰ったって嬉しくないし・・・ふざけんなっての。(投げ捨てる)」
ヴィーノ「イテッ・・・ん、ああっ、これは!?」
シン「ヤベッ・・・わりぃ、ヴィーノ、大丈夫か?」
ヴィーノ「シン・・・って事は、このフィギュアはシンの物なのか!?」
シン「ま、まあ一応そうだけど・・・。」
ルナ「どうしたの、そんなに慌てて・・・そのフィギュアがどうかした?」
ヴィーノ「どうかしたって・・・これはあの伝説の造型師、ガトキ・バシメの初期の作品だよ!?」
シン「伝説の造型師?」
ルナ「ガトキ・バシメ?」
ヴィーノ「ああ、これはその伝説の造型師が数個しか作らなかったプレミア物のフィギュアなんだって!!!」
シン「このダッサイ人形がなぁ・・・欲しいならヴィーノにやるよ、俺こんなのいらないし。」
ヴィーノ「マジで!?サンキュー、シン、これ昔から欲しかったんだ・・・でも、只で貰うのもなんだし、代わりにコレ上げるよ。」
シン「ん、これって・・・何だよ、このガラクタ?」
ヴィーノ「俺の宝物のジャンクパーツ、これも結構なプレミア物だから受け取ってよ。」
シン「あ・・・ああ、一応貰っておく。」
ヴィーノ「まさか、こんな所で手にはいるなんて・・・早速ヨウランに自慢しようっと。」
シン「いっちまった・・・どう見ても、只のへっぽこフィギュアにしか見えないけどなぁ。」
ルナ「でも、それって前にヴィーノが一番の宝物って言ってたから、それくらい貴重だったんじゃない?」
シン「でも、俺ジャンクパーツなんて興味ないし・・・貰っても嬉しくないんだけどな。」
ルナ「それにしても、弁当がフィギュアに、フィギュアがジャンクパーツに・・・まるでわらしべ長者ね。」
シン「わらしべ長者?」
ルナ「知らないの?わらしべ長者は、貧乏な若者がわらから始まって色々交換していって、ゆくゆくは大金持ちになるって話の事。」
シン「へえ・・・じゃあ俺も大金持ちに・・・まさかな。」
ルナ「さあね・・・でも、このまま交換していったら何かあるかもしれないわよ。」
シン「ふーん・・・まあ、期待しないでやってみるか。」
709 名前:わらしべ長者 ジャンクパーツが・・・投稿日:2008/04/05(土) 22:14:42 ID:???
その後、何事もなく時は流れて、昼休み・・・
シン「ふぅ、昼飯も食べたし・・・こいつと交換してくれる奴でもさがそっかな?」
ジュドー「あれ、シン兄さんじゃん。」
シン「んっ・・・ジュドーか、中等部のお前が何で高等部にいるんだ?」
ジュドー「いや、落し物拾ったから届けに・・・ああっ、それってまさか!?」
シン「あっ・・・それって、このジャンクパーツか?」
ジュドー「それだよ、それ、何で兄さんがそれを!?」
シン「まあ、物々交換でな・・・そうだな・・・欲しいなら上げてもいいぜ。」
ジュドー「マジで?サンキュー兄さん、これ滅多に手に入らないレアパーツなんだぜ。」
シン「ただし・・・何かと交換しろ。」
ジュドー「ええっ、何で!?」
シン「俺、今わらしべ長者らしいから・・・欲しいなら何かと交換だ。」
ジュドー「何だよそれ・・・そう言われても、そんなレア物と同等なもんなんて持ってないし・・・。」
シン「別に何でも良いぞ、交換すれば良いらしいから。」
ジュドー「ホントか?じゃあ、これと交換してくれよ。」
シン「ん、これって・・・ピンクのハンカチ?」
ジュドー「キラ兄さんの恋人のラクスさんの、落ちてるの見つけたから本人に渡そうと思ってきたんだ。」
シン「そうか・・・じゃあ、それと交換してくれ。」
ジュドー「交渉成立だな・・・折角だし、これラクスさんに届けてくれよ。」
シン「ああ、ラクスさんなら何か良いものと交換できるかもな・・・じゃあな、ジュドー。」
ジュドー「ああ・・・しっかし、今日のシン兄さん変だよなー、こんなレア物とハンカチ交換するなんて・・・まあ、儲けもんだし、良いか。」
710 名前:わらしべ長者 ピンクのハンカチが・・・投稿日:2008/04/05(土) 22:16:45 ID:???
ジュドーからハンカチを貰った後、シンはラクスのいる教室へ・・・
ラクス「まあ、わざわざハンカチを届けにきてくださったのですか?」
シン「あっ、はい・・・これ、ラクスさんの落とし物でしょ?(ってジュドーから聞いたけど)」
ラクス「ありがとうございます、このハンカチはお気に入りなので無くして困っていましたの。」
シン「そうですか、それは良かったですね・・・。(と言う事は、お礼貰える確率大か?)」
ラクス「折角ハンカチを届けてくださったのだから・・・せめて、お礼を。」
シン「(キターーーーーーーーーー!!!!!!!)」
ラクス「では・・・この子を受け取ってください。」
ハロ「ロックオン、ドコ?ロックオン、ドコ?」
シン「これって・・・ハロ?」
ラクス「はい、迷子らしくて・・・何時の間にか私のハロ達と遊んでおりましたの。」
シン「じゃあ、それって落し物になるんじゃないですか?」
ラクス「あら、そうなりますわ・・・でも、持ち主は一体誰でしょうか?」
シン「俺に聞かれても・・・。」
ハロ「シン、ロックオン、ドコ?ロックオン、ドコ?」
ラクス「あら・・・シンはこの子の事ご存知なのですか?」
シン「いや、別に・・・ん、そう言えばコイツどこかで・・・ああ、コイツ確か刹那の仲間のハロじゃ・・・。」
ラクス「あらあら、シンのご兄弟のお知り合いの方のものなのですか?」
シン「はい・・・折角だし、帰ったら刹那に渡しとくか。」
刹那「呼んだか?」
シン「うわっ・・・刹那、お前何時の間に!?」
刹那「ロックオンから任務を受けた・・・行方不明のハロを探すようにと。」
ラクス「まあ、その為にわざわざ・・・お勤めご苦労様です。」
シン「他に色々ツッコム事があるような気が・・・それより、そのハロってこれの事だろ?」
ハロ「刹那、刹那。」
刹那「ハロ、こんな所にいたのか・・・ファースト・フェイズ終了、これよりセカンド・フェイズに移行する。」
シン「ああ、ご苦労さん・・・って、ちょーと待った、行く前にそれと何か交換してくれ。」
刹那「何故だ?」
シン「それは・・・細かい事は気にするな、それじゃあ
ガンダムにはなれないぞ。」
刹那「そうなのか・・・なら、これを渡しておく。」
シン「これって・・・仮面?」
刹那「ハロ捜索中に廊下で発見した・・・恐らく、この学園の教員のものだ。」
シン「ふーん・・・じゃあ後で職員室に行くか、もういいぞ。」
刹那「了解・・・刹那・F・セイエイ、これより帰投する。」
ハロ「ハロ、カエル、ハロ、カエル。」
711 名前:わらしべ長者 仮面が・・・投稿日:2008/04/05(土) 22:18:36 ID:???
その後、職員室へ・・・
シン「(仮面といえば、クルーゼ先生かフラガ先生のだよな・・・どっちだ?)失礼します。」
カタギリ「おや、アスカ君じゃないか、どうしたんだい?」
シン「あっ、つい最近転任してきたハムの男の知り合いのビリー・カタギリ先生。」
カタギリ「ご丁寧な説明、ありがとう・・・で、何のようだい?」
シン「落とし物届けに来たんですけど・・・フラガ先生かクルーゼ先生いますか?」
カタギリ「ああ、その二人ならそこにいるけど?」
シン「ありがとうございます・・・フラガ先生、この仮面って先生のですか?」
フラガ「ん、どれどれ・・・こいつは俺のじゃないな。」
シン「じゃあ、クルーゼ先生の?」
クルーゼ「残念だが、私のでもないな・・・こんな悪趣味な仮面は。」
フラガ「確かに・・・こいつは、あんまりセンスねーな。」
シン「えーー、じゃあ生徒のものか・・・でも、この学園に他に仮面つけた奴なんていたっけ?」
カタギリ「どれどれ、見せてくれたまえ・・・これは、僕が無くしたと思ってたグラハムの仮面じゃないか。」
シン「えっ、これハムの奴のなのか!?」
カタギリ「ああ、何でも第二期に必要だからってわざわざ作らされた物なんだ・・・何の事か解らないけどね。」
シン「ふーん・・・何か4年後って雰囲気が漂ってきそうだな。」
フラガ「なんのこっちゃ。」
カタギリ「兎に角、見つけてくれてありがとう・・・これ、作るのが難しいから困ってたんだ。」
シン「そうッスか・・・解りました。(流石に先生とは交換できないよな・・・はぁ、これで終わりか。)」
カタギリ「折角見つけてくれたんだ・・・お礼に、これを君にあげよう。」
シン「えっ、マジッスか!?(やったぜ。)」
カタギリ「ああ、つまらないものだと思うが・・・。」
シン「・・・・これって、コンサートのチケット?それも2枚?」
カタギリ「ああ、クジョウ君を誘おうと思って手に入れたんだけど・・・仕事があるって断られてね。」
シン「クジョウ?その人ってカタギリ先生の恋人?」
カタギリ「おっと、それはプライベートな事だから秘密だよ・・・取り敢えず、誰か好きな子でも連れて一緒に見に行くと良い。」
シン「はぁ・・・じゃあ、失礼します。(誰だ、クジョウって?)」
712 名前:わらしべ長者 完 もう一つの物語投稿日:2008/04/05(土) 22:22:55 ID:???
その後、チケットは誰とも交換する事無く放課後、そして下校時間になった・・・。
シン「(はぁ、結局誰とも交換できなかったな、これ。)」
ルナ「シン、お疲れ様・・・どうだった、わらしべ長者?」
シン「ああ・・・それが、色々あってコンサートのチケットになった。」
ルナ「へえ、どれどれ・・・凄いじゃない、これって今度の有名バンドのライブチケット、それもプレミア物よ。」
シン「えっ、そうなのか?」
ルナ「ええ・・・良いわねぇ、そんなチケット貰えて・・・私、そのコンサート行きたいって思ったんだけど、チケットが取れなくて。」
シン「ふーん。(じゃあ、ステラでも誘うか・・・でも・・・。)」
ルナ「・・・ん、どうしたのシン、あたしの顔に何かついてる?」
シン「いや、別に・・・なあ、ルナ、お前ってさ、このコンサート行きたいのか?」
ルナ「うん、行きたいわよ、これ楽しみにしてたから・・・何、まさか譲ってくれるの?」
シン「ん、まあ、そんな感じだけど・・・。」
ルナ「まさか、何かと交換して欲しいってわけ?」
シン「そういう訳じゃなくて・・・あれだ、朝飯代わりの弁当作ってくれるお礼って事で。」
ルナ「えっ、本当にくれるの?」
シン「ああ・・・つーか、そもそもこれお前の弁当から始まったしな、ほら。」
ルナ「本当に・・・やったー、ありがとうシン。」
シン「そ、そんなに嬉しいのかよ・・・じゃあ、この一枚は他の奴に・・・。」
ルナ「・・・ねえ、折角なんだし、シンも一緒に行こうよ。」
シン「ええっ、俺も!?」
ルナ「何、あたしとじゃ不満なわけ?」
シン「いや、そう言う訳じゃ・・・俺、あんまライブとか興味ないから。」
ルナ「なら、私とデートって事でどう?これが私からの交換物って事になるし。」
シン「えっ、お前と・・・つーか、その前にそれって物じゃないだろ。」
ルナ「良いから、良いから・・・若者だって最後は幸せになったんだし、ささやかな幸せって事で。」
シン「なんだかなー・・・まあ、この日は別に用事も無いし、付き合っても良いか。」
ルナ「それで決まりね、じゃあ当日9時に現地集合って事で・・・遅れたら駄目よ。」
シン「何でお前が指揮るんだよ・・・まあ、そんくらいが丁度良いけど。」
ルナ「・・・ねえシン、知ってる?実はわらしべ長者って2つ話があるのよ。」
シン「2つ?」
ルナ「ええ、私が言ったのは観音祈願型って奴で、もう一つの三年味噌型ってのがあるの。」
シン「変なタイトルだな・・・で、そっちの話は最後どうなるんだ?」
ルナ「それは・・・・やっぱいいわ、言ったら面白くないし。」
シン「お、おいちょっと待て・・・そんな終わり方したら気になるだろ、教えてくれよ。」
ルナ「ふふっ、秘密・・・じゃあ、当日楽しみにしてるからね。」
シン「あっ、おい、ルナ・・・何だよ、あいつ・・・でも、妙に嬉しそうだったな。」
ルナ「(そっちの話の最後は、若者は大金持ちの娘と結婚するんだけど・・・シンには無理な話かな。)」
だが、どことなく嬉しそうなルナマリアと、未だに困惑するシンであった・・・。
最終更新:2020年02月28日 15:10