絹旗 「なんか婚后さん宛に封筒が超たくさん届いてますよ」ガサガサ
婚后 「あら……思ったより早い到着ですわね」
白井 「……これは学校案内ですの?」
婚后 「ええ、わたくしも来年には受験ですし」
白井 「まだ志望校決めてませんの!? もう12月ですのよ!?」
婚后 「大丈夫、まだ間に合いますわ」
絹旗 「志望校決めの参考に、パンフレットを請求したってことですか」
婚后 「そういうことですわね」
絹旗 「? 高崎大学? これ大学じゃないんですか?」
白井 「……こっちには私立中学校の資料がございますの」
婚后 「余計な物が混じってしまってますわね。なにぶん手当たり次第にポチったもので……」
白井 「まずちょっと分けますの。まさか中学に入り直すつもりもございませんでしょうし」
絹旗 「こんだけあると、超大変ですね」
婚后 「も、申し訳ございません」
~20分後~
絹旗 「……これは超予想外です」
婚后 「まさかこんなことになるなんて」
白井 「ため息しか出ませんの」
婚后 「あれだけあって……高校のパンフレットが3部だけだなんて」
絹旗 「霧ヶ丘女学院に長点上機……もういっこはなんか聞いたことないですね」
白井 「まあ……正直申し上げて妥当ではないでしょうか」
絹旗 「妥当?」
白井 「今からあれやこれや選別するには時間がございませんし」
絹旗 「でも霧ヶ丘とか長点とか超難関じゃないですか」
婚后 「わたくしの実力なら問題ございませんわよ」
絹旗 (超サラリと言ってのけました)
白井 「あとは受験要綱の確認なり、必要とあれば学校見学なり行ってきて」
婚后 「見学……そうですわ、よろしければ見学に行きませんこと?」
白井 「確かに、どこかの婚后さんのように直前になって慌てふためくなら、今から準備しておくのもよいですの」
絹旗 「超いってらっしゃい」ノシ
白井 「絹旗さんもですの」
絹旗 「はい?」
白井 「わたくしも絹旗さんも、来年の今頃には受験準備に勤しんでますの」
絹旗 「いや、私は……」
白井 「今から少しずつでも準備しておけば、どこかの婚后さんのようにならなくて済みますのよ?」
婚后 「先程から一体全体なんなのですか!」
絹旗 (言われてみれば、この先どうするか考えたことなんてないですね……)
絹旗 (中卒ニートっていうのも、なんか……なんか、超アレですよね)
絹旗 (超高校生、ですか……)
絹旗 「ではまあ……超折角の機会ですし」
白井 「決まりですの」フンス
絹旗 「ところで、学校の見学ってどうやってやるんですか? 超夜中に潜り込むんですかね」
婚后 「それでは見学になりませんわ。夜中では生徒の活動や教育現場が見られませんもの」
白井 「いえ、それ以前の問題が」
絹旗 「では超昼間に潜り込みましょう」
白井 「潜り込む以外の方法もございますでしょう!」フンガー
絹旗 「?」キョトン
婚后 「そうですわね、窓口に申し込んだりとか」
絹旗 「追い返されないんですか?」
白井 「学校としても、優秀な生徒が集まることは望ましいことですの」
婚后 「つまり、わたくし達なら少なくとも断られることはないでしょう。腐ってもLevel4なのですし」
絹旗 「腐ってるんですか、私たち」
白井 「大丈夫、絹旗さんは腐ったミカンじゃございませんの」
絹旗 「は、はあ」
婚后 「あとは、在校生の方にお知り合いがいるなら案内してもらうのも良いですわね」
白井 「どちらにしても、所定の手続きは必要ですの」
絹旗 「でも先生よりは生徒と一緒の方が超気楽っぽいです」
婚后 「たしかに言えてますわね。でも、お知り合いはおられますか?」
白井 「霧ヶ丘に長点上機……うーん、思い当たるのは……」
絹旗 「大覇星祭で大暴れしてた人って、たしか長点上機ですよね」
婚后 「ああ、あの……ですが、連絡先も存じませんし」
絹旗 (……そういえば、あの人もたしか長点上機だったような)
白井 「あの、たしか滝壺さんと結標さんは霧ヶ丘だったのでは?」
婚后 「言われてみれば……」
絹旗 「言われるまで超忘れてました」
白井 「ダメもとでお願いしてみますの」
婚后 「あ、でも」
絹旗 「?」
婚后 「結標さんはミサワさんと外出していて、今日は遅くなるとか」
絹旗 「ではまず滝壺さんに超打診してみましょうか」
婚后 「ですが、滝壺さんも体調不良で休学なさっておられるのでは?」
絹旗 「え、ええと……最近は安定しているので超大丈夫かと」
絹旗 (ウソはついてませんよね)
白井 「するつもりはありませんが、無理強いはできませんの」
~同日夜 きぬはた荘 リビング~
滝壺 「学校の見学?」
婚后 「はい、もしよろしければご案内して頂きたいと思いまして」
浜面 「へー、滝壺って学校行けるんだな」
滝壺 「えっ」
浜面 「えっ」
白井 「恋仲でありながら、そんなことも知らないなんて……」
絹旗 「超浜面ですから」
滝壺 「学校って、霧ヶ丘でいいんだよね?」
浜面 (やべ、これは怒らせちまった)ダラダラ
白井 「はい、もしよろしければ……」
浜面 「あーそうそう! 俺と滝壺もそこで出会ったんだよな!」
白井 「えっ」
婚后 「えっ」
浜面 「えっ」
絹旗 「超ダメだこりゃ……」
滝壺 「……はまづら、霧ヶ丘女学院に通ってたの?」
浜面 「じょがくいん?」
滝壺 「はまづらは少し黙ってて。それと、後で話があります」
浜面 「」
絹旗 (うわぁ、うわぁ……)
婚后 (滝壺さんの本気怒りモードを久々に見ましたわ)
白井 (やはり滝壺さんだけは怒らせてはいけませんの……)
ユリコ 「)ガクブル」
滝壺 「ごめんね。それで見学したいんだよね」
婚后 「は、はい……」
滝壺 「うん、いいよ。私も久々に行ってみたいし」
白井 「あ、ありがとうございますの!」
滝壺 「ええと、たしか…………」
絹旗 「たしか?」
滝壺 「……入るときに、なんか必要だったと思う」
白井 「おそらく名前なり所属校なりではないでしょうか」
婚后 「であれば、学生証を提示すればよろしいですわね」
絹旗 (常盤台の学生証ってどこにしまいましたっけ)
浜面 「ユリコー、おいでー、癒してー」
ユリコ 「( ( ( ( ・ω・)」
婚后 「服装は制服のほうがよろしいですわね」
滝壺 「決まりとかなかったと思うけど」
絹旗 「じゃあ、無難な服装で」
白井 「常盤台の生徒として訪問するのですから、制服が当然ですの」
絹旗 「超マジですか」
白井 「超マジですの」
婚后 「それに、絹旗さんの無難な服装は、その他多数にとっては無難ではございませんし」
絹旗 「なんでですか! 常盤台のスカートだって似たようなものじゃないですか!」ムキー
婚后 「まあ、そうなのですが……」
滝壺 「私も制服でいくから。絹旗だけ私服だと目立っちゃうよ?」
絹旗 「むう……」
浜面 「滝壺の制服だと?」
滝壺 「じゃあ、いつがいいかな」
浜面 (余計なこと言っちまったぁぁ! バカ! 俺のバカ!)
絹旗 (超浜面は、今夜何回土下座するんでしょうか)
婚后 「ご都合のよろしい日で構いませんわ」
白井 「学校見学といえば、公然と欠席もできますの」
滝壺 「うん、分かった。確認したいことがあるから……2~3日ちょうだい」
絹旗 「超問題ないです。私もその間に学生証を探しておきます」
白井 「絹旗さん?」
婚后 「探しておきます?」
絹旗 「あっ」
白井 「紛失されましたの……?」
絹旗 「違いますよ! どこにしまったのか分からなくなっただけです」
滝壺 「きぬはた、部屋は綺麗にって言ったのに」
絹旗 「う……だ、大丈夫ですよ」
白井 「本当に大丈夫ですの?」
絹旗 「きっと、この間買ったワンピの最新刊に挟まってるハズです!」フンス
婚后 「それは、栞に使ったと?」
白井 「フンスじゃございませんの。学生証を栞代わりに使うなんて……」
絹旗 「いいじゃないですか! 鍋敷きに使うより超マシです!」
浜面 「お前はそういうところあるから、鍋敷きもやりかねんな」ハァ
絹旗 「うっさいです浜面のくせに!」ムキー
白井 「とりあえず方針も纏まりましたし、今夜はこれでお開きですの」
婚后 「滝壺さん、ご協力感謝いたしますわ」
滝壺 「ううん、気にしないで」
絹旗 「はあ……今夜は徹夜で超大掃除ですね」
白井 「あまり夜中に物音を立てると、他の方に迷惑ですの」
絹旗 「では超静かにやります」
白井 「まあ、程々にお願いしますの」ハァ
滝壺 「……じゃ、はまづらの部屋にいこっか」
浜面 「」ビクゥ
婚后 (まな板の上の鯉とはこういうことを言うのでしょうね)
~同日深夜 きぬはた荘 番外個体個室~
番外個体 「……ねえ、さっきから天井がうるさいんだけど」
結標 「なにかしらね、ゴンゴンゴンゴン叩くみたいな音」
番外個体 「誰かが土下座しまくってんじゃない?」
結標 「まっさかー」ケラケラ
~同じ頃 絹旗個室~
絹旗 「うー」
絹旗 「ワンピには挟まってませんでしたか」
絹旗 「考えてみれば、超とっくに読み終わってましたね」
ユリコ 「(*・ω・)つ◯」コロコロ
絹旗 「あと買ったけど読み終わってない本は……」
絹旗 「」パラパラ
絹旗 「ないですね」
ユリコ 「(・ω・)フナー」
絹旗 「ユリコ? なにくわえて……あー!」
絹旗 「学生証超ありましたー!」ピャー
~2日後早朝 きぬはた荘 絹旗個室~
プシュー
絹旗 「あちゃちゃちゃちゃ!」
ユリコ 「( ・ω・)?」
絹旗 「ユリコ! 超危ないからあっち行っててください!」
絹旗 「くぅ、なぜ私がアイロンがけなどを……」シュッシュッ
絹旗 「浜面にでも頼んでおくべきでした」
絹旗 「まあ、こんなもんでいいでしょう」
絹旗 「超早く着替えないと、朝食抜きになってしまいます」
ユリコ 「( -ω-)」
絹旗 「あー、ユリコー! 超どいてくださーい! 毛がー!」
~同じ頃 きぬはた荘 リビング~
番外個体 「うん、朝はこれに限る」ズズ...
結標 「ねえ、知ってる? コーヒー飲み過ぎると胸縮むのよ?」
番外個体 「……はい?」
結標 「それは疑ってる顔ね。私と貴女のサイズ差がいい証拠だと思うけど?」
番外個体 「」アゼン
滝壺 「おはよう」
結標 「あ、おはよ……あら、制服? どうしたの?」
滝壺 「今日は学校に行く用事があるの」
結標 「用事? え? なんかあったっけ?」
滝壺 「見学希望の人の案内」
番外個体 (そんなハズはそんなハズは……"コーヒー 胸"で検索、と)カチカチ
結標 「あぁ、そういうことね。検査かなにかと驚いちゃった」
滝壺 「驚かせちゃった」
白井 「おはようございますの」
婚后 「おはようございます」
滝壺 「あれ? きぬはたは?」
結標 「まだ起きてこないわね」
白井 「お2人はもう朝食は済まされましたの?」
結標 「ええ、ついさっき」
婚后 「わたくし達も朝食にいたしましょう。時間もおしておりますし」
滝壺 「先に食べてて。きぬはた起きてるかどうか見てくるから」
白井 「はいですの」
婚后 「滝壺さんと絹旗さんの分もご用意しておきますわね」
番外個体 (なん……だと……)
:
:
:
滝壺 「きぬはた、準備できてる?」コンコン
<はい、超大丈夫です! 今行きます!
滝壺 「朝ご飯にするから、早くね」
<ガチャ
絹旗 「さあ、いきましょう!」
滝壺 「……きぬはた、寝ぐせ」ナデナデ
絹旗 「え? あ、これは超失礼しました」ビヨン
滝壺 「これは、あとで直しといて。頑固だから」
絹旗 「超了解です」
~朝食~
絹旗 「そういえば、霧ヶ丘ってどこにあるんでしたっけ」
滝壺 「第18学区だよ」
白井 「隣の学区になりますのね」
婚后 「とすると、バスで移動になりますわね」
白井 「何か必要なものはございますか?」
滝壺 「学生証があれば平気」
婚后 「学生証といえば、絹旗さんは学生証を見つけられたのですか?」
絹旗 「超大丈夫です、ユリコが見つけてくれました!」フンス
婚后 「まあ、お手柄でしたわね」ナデナデ
ユリコ 「(*・ω・)」
白井 「ところで、霧ヶ丘女学院というくらいですから、女子高なのですよね」
滝壺 「うん、そうだね」
婚后 「わたくし達のように女子高の文化に慣れてしまった人間にはいいかもしれませんわね」
絹旗 「私はあの空気、ちょっと超苦手ですけど……」
白井 「あら、そうなんですの?」
絹旗 「肌に合わないといいますか」
婚后 「絹旗さんは共学志望なのですね」
絹旗 「共学がいい訳ではなく、常盤台みたいにお嬢様しかいないところはちょっと」
滝壺 「庶民だもんね、私たち」
白井 「そういうものなのですか」
婚后 「でも、たしかに。わたくしも常盤台に編入した直後は色々戸惑ったものですわ」
絹旗 「校風ってヤツですかね」
白井 「そういうところも含めて、今日はしっかり見学しませんと」
滝壺 「食べ終わったら出かけよう」
~同日 第18学区 霧ヶ丘女学院~
滝壺 「ちょっと待っててね」
白井 「ここが霧ヶ丘女学院……」
婚后 「近代的な建物ですわね」
絹旗 「そこいらの研究所並ですね」
白井 「あ、滝壺さんが手招きしてますの」
絹旗 「行きましょう」
:
:
:
滝壺 「ごめんね、これに名前書いてくれって」
白井 「これ、代表者は……」
絹旗 「婚后さんでいいんじゃないですか? 今日の超主役なんですから」
婚后 「ええ、よろしいですわよ」
係員 「あと、学生証の提示をお願いしますね」
白井 「はいですの」スチャ
婚后 「こちらになります」スチャ
絹旗 「」スチャ
滝壺 「きぬはた、それちがうよ」
絹旗 「え? あ、これTSUTAYAの会員証……こっちです」スチャ
係員 「はい、たしかに」クスクス
絹旗 (来て早々、恥かいちゃいました……)
係員 「今日はご訪問頂きありがとうございます。じゃ、あとはお願いしますね」
滝壺 「はい」
白井 「今日はよろしくお願い致しますの」
婚后 「よろしくお願い致します」
滝壺 「じゃ、行こう」
絹旗 「今更ですが、滝壺さんの制服姿って超レアですよね」
滝壺 「そうかな?」
白井 「滅多に見れるものではございませんの」
滝壺 「考えてみれば……」
婚后 「?」
滝壺 「みんなは私服でもよかったかも。よくも悪くも目立っちゃうから」
<あの制服って常盤台?
<箱入りのお嬢様がこんなところに何の用かしら
絹旗 (霧ケ丘だってお嬢様学校じゃないですか)ショボン
白井 「大丈夫ですの。常盤台の制服に身を包む以上、多かれ少なかれこういうことはございますの」
婚后 「こんな些末なことを気にするほど小さい人間ではございませんわ」
絹旗 「い、いきましょうよ。ここだと悪目立ちしちゃいます」
滝壺 「そうだね、中の方にいこっか」
~霧ヶ丘女学院 第2グラウンド~
絹旗 「なんですか、ここ。滑走路?」
婚后 「グラウンドというにはやけに横に長いですわね」
滝壺 「ここは普段使われないよ。身体検査のときしか使わないの」
白井 「なるほど、それならばこの長さも納得ですの」
滝壺 「噂では、むすじめの能力測定のために延長したらしいけど」
白井 「なっ……」
絹旗 「結標さんは800メートルぐらい軽く飛ばしちゃいますしね」
白井 「く、悔しいですの……」
滝壺 「他にも、念動力とかの人も使ったりするみたい」
婚后 「ここだったら、わたくしも思う存分能力を開放できそうですわね」
絹旗 「婚后さんの能力も超ブッ放し系ですもんね」
婚后 「エアロハンドと申し上げてくださいな」
滝壺 「こんごうが本気を出したら、どれぐらいすごいのかな」
白井 「12tトラックを弾丸代わりに使う程度ですの」
絹旗 「えっ。じゃ、大覇星祭のとき私を飛ばしたのは……」
婚后 「あれは相当加減してましたわよ」
滝壺 「きぬはたを本気で飛ばしたらどこまで行くかな」
白井 「今ここでやってみればいいんですの」
絹旗 「やめてくださいよ!」
~霧ヶ丘女学院 特別教室棟~
白井 「あの、ここって入って大丈夫なんですの?」
婚后 「見るからに特殊な機材ばかりなのですが……」
滝壺 「大丈夫。それに、ここを使うのはほんのちょこっとの人だけだし」
絹旗 「ほんのちょこっとの人のために、ここまで揃えるんですか」
滝壺 「私が使うのもあるよ」
白井 「えっ」
滝壺 「あ、あれ。AIMジェネレータ」
絹旗 「AIM拡散力場の擬似発生装置ですか……」
婚后 「初めて拝見しましたわ」
滝壺 「でも、きっともう使うことはないかな」
絹旗 (滝壺さん……)
~霧ヶ丘女学院 食堂~
絹旗 「いかにも食堂といった感じですね」
白井 「なんだかメニューが平凡ですの」
婚后 「これでは映えませんわね」ハァ
絹旗 「そりゃ常盤台と比べるのは酷ってもんですよ」
滝壺 「でも美味しくて安いんだよ」
白井 「の割には閑散としてますの」
婚后 「まだ昼食時ではございませんし」
滝壺 「今のうちに食べておく? 空いてるうちに」
絹旗 「私は超おkです。お腹空いてましたし」
婚后 「そうですわね、食べれる内に食べておきましょうか」
白井 「味のレベルの確認もできますの」
:
:
:
絹旗 「そういえば、ここって」モキュモキュ
滝壺 「飲み込んでから喋る」
絹旗 「(ゴクン)超失礼しました」
滝壺 「で、どうしたの?」
絹旗 「ここって変な能力の開発に力入れてるんでしたっけ」
婚后 「そうですわね、再現の難しいイレギュラーな能力開発に関してはトップだとか」
絹旗 「じゃ婚后さんダメじゃないですか」
婚后 「はい?」
白井 「そうですわね、空間移動に比べると風使いは決して珍しくは……」ニヤニヤ
婚后 「ぐぬ……レ、レアリティだけが基準ではございませんわ!」
白井 「あら、負け惜しみはみっともないですの」
滝壺 「レアリティと言えば、きぬはたの能力ってきぬはた以外で見たことないよね」
絹旗 「まあ、私のは超特殊ですし。他にいないんじゃないんですか?」
婚后 「他にいない!?」
白井 「なんと……絹旗さんが最強のレアリティだったなんて」
婚后 「最も少ないのは肉体操作能力者3名だと思ってましたわ」
滝壺 「きぬはたすごい」パチパチ
絹旗 「いやいや、それ言ったら滝壺さんだって……」
白井 「絹旗さんは今日の帰りにこちらの願書を貰って帰りませんと」
婚后 「晴れて滝壺さんと結標さんの後輩になれますわね」
絹旗 「超気が早すぎです! ていうか、私が入ったとして、お二人は卒業してますよ!」
滝壺 ("たきつぼ先輩"って呼ばれる……ありかも)
メシジャメシジャー
ハラヘッタワーイ
白井 「ぽつぽつと人が増えてきましたわね」
絹旗 「」ジー
婚后 「絹旗さん? どうかされました?」
絹旗 「いえ、女子高ってどこもこんなもんなのかな、と超思いまして」
滝壺 「?」
絹旗 「あそこの二人組……」
<あーもう! 食事の時ぐらい離れなさい!
<あぁん、おねえさまぁ~~
白井 「」
婚后 「まぁ、どこかで見たようなやりとりですわね」
???? 「あっ、あの!」
滝壺 「??」
女子生徒 「失礼ですが、見学の方ですか?」
婚后 「はい、お邪魔させて頂いております」ペコリ
女子生徒 「そ、そうですか! やっぱり!」
白井 (……もしや、この方)
ガシッ
絹旗 「え?」
女子生徒 「ぜひ、霧ヶ丘にきてくださいね!」キラキラ
絹旗 「は、はあ……」
女子生徒 「それでは、またいつか!」
白井 「……あれは、獲物を狙うときの目ですの」
絹旗 「どこにも白井さんみたいな人いるんですね……」
白井 「人をガチ百合みたいに言わないでくださいな」
絹旗 「えっ、違うんですか?」
婚后 「違うのですか?」
滝壺 「違うの?」
白井 「まるで人を雑食系女子のように……わたくしの愛はお姉様(と他数名)にのみ注がれるプラトニックなものですの!」ムキー
婚后 「プラトニックではございませんでしょうに」
白井 「それでも! 我が身の全てはお姉様のために、ですの」
<おお……なんという心意気
<義妹の鑑ですわ
絹旗 「……も、もう行きましょうよ。超食べ終わってることですし」
滝壺 「そうだね、混んできたしそろそろ行こうか」
~霧ヶ丘女学院 旧校舎~
絹旗 「な、なんですか、ここ……」
滝壺 「適当に歩いてたら来ちゃった」
白井 「そんな……」
滝壺 「? でもここって、ずっと前に閉鎖されてなかったっけ」
婚后 「や、やめてくださいな」
ミシッ
3人 「」ビックゥ
滝壺 「誰かいるのかな」
絹旗 「も、もももも、もも、戻りましょう!」グイグイ
滝壺 「大丈夫だよ。学園都市だし」
絹旗 (イヤですぅ……イヤですぅ……)ビクビク
滝壺 「そういえばね」
白井 「ど、どうかされましたの?」
滝壺 「私もちゃんと通ってないから詳しくは知らないけど、ここにはこんな噂があるんだよ」
絹旗 「やめてくださいぃぃぃ!」←涙声
婚后 (気のせいでしょうか……滝壺さんがいつもより饒舌に……)
滝壺 「ここのランクはね、能力で決められるんだけど」
白井 「進学校には、よくある、話ですの」
婚后 「そ、それがなにか?」
滝壺 「一位はね、いっつも同じ人なんだ」
白井 「そ、それは、さぞかし優秀な」
絹旗 「あー! 受験ノイローゼで超自殺したとか、超妬みから超イジめられたとかいう話ですね!」
滝壺 「ううん」フルフル
絹旗 「」
白井 「そ、その一位の方が……?」ガクブル
滝壺 「誰も見たことがないの」
婚后 「見たことがない?」
滝壺 「名簿には存在する。けど、生徒も教師も、誰も姿を見たことがないの」
白井 「そ、それはどういう……」
絹旗 「」
滝壺 「噂では」
バキィン
3人 「!?」ビビックゥ
滝壺 (木の板踏んじゃった。いたい)
絹旗 「も、もう超十分です! 出ましょう! 外に出ましょうよぉ!」←超涙声
白井 「そ、そうですの! 絹旗さんもこう仰ってますし」
婚后 「ここはほら、ホコリっぽいですし……」
滝壺 「」
絹旗 「滝壺さん? 滝壺さーん?」
滝壺 「南南東から何かが来てる」
3人 「」
白井 「婚后さんは右腕を!」ガシッ
滝壺 「え? なに? なんで掴むの?」
婚后 「は、はい! さあ、絹旗さん! 早くここから脱出しますわよ!」ガシッ
絹旗 「あ、あ、脚がすくんでまして……」ペタン
白井 「き、絹旗さん! 座り込んじゃダメですの!」
婚后 「仕方ございませんわね……はいっ」ヒュパッ
絹旗 「おわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
白井 「絹旗さんは……無事、出口の方に飛んでいきましたの」
婚后 「わたくし達も参りましょう」
滝壺 (ちょっとやり過ぎたかな)ズルズル
:
:
:
滝壺 「だいたい見て回ったかな」
絹旗 「……」グッタリ
白井 「そうですわね、施設は一通り拝見しましたの」
婚后 「やはり自分の目で見るのは違いますわね」
絹旗 「超疲れました……」
滝壺 「それじゃ、そろそろ帰ろうか」
白井 「はいですの」
婚后 「今日はありがとうございました」ペコリ
~同日夕方 きぬはた荘 リビング~
番外個体 「あ、おかえり」ズズ...
白井 「ただいまですの」
婚后 「ただいま戻りました」
絹旗 「はー、超ドッと疲れました」ドサッ
滝壺 「きぬはた、シワになるよ」
絹旗 「このカッコも超疲れますし、着替えてきます……」
滝壺 「私も」
番外個体 「二人はいいの?」
白井 「わたくしは入浴と就寝以外は制服ですし」
婚后 「慣れとは恐ろしいものですわね」クスクス
番外個体 「そんなもんかねぇ」
婚后 「……? この香りは……」
白井 「あら、大きいお姉様が抹茶なんて珍しいですの」
番外個体 「あ、えっ。はは、たまにはね。そ、それよりさ」
白井 「?」
番外個体 「学校の見学行ってたんだって? どうだった?」
婚后 「見聞を広めることができて、色々新鮮でしたわ」
白井 「進学先を自分で見るというのは、重要だと痛感しましたの」
番外個体 「高校かぁ……」
婚后 「そういえば、ミサワさんは学校には行かないのですか?」
白井 「きっと事情がおありですの。すでに高校卒業レベルの学力を有しているとか」
番外個体 「いや、メンドくさいだけ」
婚后 「」
白井 「大きいお姉様らしいフリーダムな理由ですの」
<真琴ー、ちょっと手伝ってー
番外個体 「んー? はいはーい。あ、ゴメンね、二人とも」ノシ
婚后 「いえいえ、お気になさらず」
婚后 「さて、次ですが……長点上機か、この名もなき高校か……」
白井 「どちらにしても、ツテがございませんの」
絹旗 「あの、それなんですけれども」シュタッ
ユリコ 「(・ω・)」シュタッ
婚后 「あら、絹旗さん」
白井 「滝壺さんは一緒じゃございませんの?」
絹旗 「"ご飯ができたら起こしてね"だそうです」
婚后 「ご無理をさせてしまったでしょうか……」
白井 「今朝は早起きで、日中ほぼ歩きまわってましたし」
絹旗 「いえ、多分日課のお昼寝を今してるのかと」
白井 「日課の?」
婚后 「お昼寝?」
絹旗 「いつものお昼寝の時間、今日は外にいましたし」
白井 「は、はあ……なら、よいのですが」
絹旗 「それより、長点上機の関係者に超心当たりがあります」
白井 「あら、お知り合いですの?」
絹旗 「知り合いといえば超知り合いですね。連絡とってみます?」
婚后 「お願いできますか?」
白井 「なんだか申し訳ないですの」
絹旗 「ただ、保証はちょっと超できかねますが」
白井 「それはまあ、仕方ないですの」
絹旗 「連絡先が見つかったら、連絡してみます」
婚后白井
~同日夜 きぬはた荘 絹旗個室~
絹旗 「ええとたしか、もしものときのための連絡先が……」ガサガサ
絹旗 「ないですね……ユリコみませんでした?」
ユリコ 「(・ω・)ホマー」
絹旗 「お、これです! さすが超ユリコです!」ナデナデ
ユリコ 「(*-ω-)」ゴロゴロ
絹旗 「さて。この番号がまだ生きてるといいんですが……」カチカチ
Prrrrr Prrrrr Prrカチャ
?? 『はい、どなた』
絹旗 「あ! 私です、私! わかりますかね?」
?? 『……久しぶりね。あなたが、私のような人間に何の用?』
絹旗 「超お願いしたいことがございまして」
?? 『What...?』
:
:
:
絹旗 「というワケなのです。手を貸してくれると超ありがたいのですが」
?? 『Serious...こっちはもう卒業した身よ。それに、私たちはそんなに仲良しだったかしら』
絹旗 「まあまあ、知らぬ仲ではないじゃないですか」
?? 『あなたのお陰で、私がどんな扱いを受けたかも知らぬと?』
絹旗 「そこは超自業自得ってヤツです」
?? 『……alas, 悔しいけど、言い返すだけの材料もないわね』
絹旗 「お互い暗部を超クビになったんですし、昨日の敵は今日の友ってことで」
?? 『ふん……あなたは年上に対する敬語がしっかりできてるし。協力しないこともない』
絹旗 「別に年上だからって訳じゃないですが」
?? 『何か言った?』
絹旗 「いえ、何も」
?? 『Then……明後日にでも来て頂戴。手続きはしておいてあげる』
最終更新:2011年04月02日 00:17