「アミロペクチン第一章-3話~米粉パンのレシピ~」


 「米粉パンのレシピを紹介しよう。
  1. 米を細かく砕く。
  2. 入れ物に砕いた米150gと、ワイン2gを入れ、混ぜる。
  3. 水約150mlと油小さじ1杯、塩を3g入れ、混ぜる。
  4. 生地がまとまってきたら手でこねる。
  5. 形を整え、布の上に置く。
  6. 上にも布をかけ、大きさが約1.5倍になるまで常温で発酵させる。
  7. 竃で約25分ほど焼く。
  8. 串を刺し、生地がくっついてこなければ完成。」

 「おお、それは美味しそうですな、カピカトル様。」
村の長老が言う。
「早速、それを広めに行きましょう。」
「そうだな。よし、皆はこれより家に帰り、レシピを実践せよ。」

 その後カピカトル様のご命令通り私は家に帰った。
清々しいが少し寒い風の吹く晩秋である。
村の田は収穫を終え、田起こしの準備に取りかかっている。
田起こしとは稲刈り後、土を乾かし肥料を混ぜ有機物を鋤き込む、
来年のために土地の力を向上させる作業である。
これによって土がある程度団粒化し、排水性、通気性、保水性、保肥性、保温性が良くなり
稲の育成に理想的な土地となるのだ。
フルス王国も完全に麦食化してしまったらこのような昔ながらの風景もなくなってしまうだろう。

 一足早く家に帰っていた家族が早くも米粉パンを作っている。
私も参加しカピカトル様の言うとおりにして作ってみた。

  1. 米を細かく砕く。
  2. 入れ物に砕いた米150gと、ワイン2gを入れ、混ぜる。
  3. 水約150mlと油小さじ1杯、塩を3g入れ、混ぜる。
  4. 生地がまとまってきたら手でこねる。
  5. 形を整え、布の上に置く。
  6. 上にも布をかけ、大きさが約1.5倍になるまで常温で発酵させる。
  7. 竃で約25分ほど焼く。
  8. 串を刺し、生地がくっついてこなければ完成。

である。

 今、パンが焼き終わり竃から出てきた。
美味しそうな容姿をしているが味の方はどうであろう。
私は家族の言われるがままに味見、というより毒味をさせられた。



 うむ。美味いではないか。






用語集

  • ワイン・・・パンを発酵させるために用いる。
  • 団粒化・・・土の粒がある程度の塊を持つこと。



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最終更新:2011年02月03日 16:53