はじめまして、私は有沢香音(ありさわ かおね)、この島の高校に通っている高校3年生。
今まで普通の高校生として過ごして来たはずだった。
でもある日突然私たちの前に「ソレ」は現れた。
人のようで人じゃない「ソレ」はただ人を喰らって、「ソレ」に変えるだけ。
そして「ソレ」に対する恐怖は「絶望」に変わった。
私もいずれ「ソレ」になるだけ、そう思っていた。
『貴方、生き残りたいの?』
突然どこかからそんな声が聞こえた。
「え・・・?」
『だから聞いてるの、貴方まだ生きたいのか生きたくないのかって。』
誰の声かは見当もつかない、というより周りにまともに喋れるような人間がいるとは思えない。
「私は・・・まだ生きたいけど・・・。」
『じゃあ生きてみさない、持ってるものを全部投げ捨てて、ね?』
「誰だか分からないけどありがとう、でももうそこまで「アレ」が迫ってる、貴方も私のことはいいから逃げて。」
小さな笑い声が聞こえた。
『大丈夫、私は兵器、それよりも貴方「生きたい」って言ったわね?』
「うん、言った、「生きたい」って、でも・・・。」
『じゃあ私が「アレ」に打ち勝つ「力」をあげる、だから心配しないで。』
「えっ?」
周囲を見渡してみた、やはり声を掛けられるような「人」はいない
「貴方は誰なの?」
『私は「魔女」、安心して、いつも私は貴方の傍にいるわ。』
その声を最後に私の記憶は途絶えた。
最終更新:2011年06月18日 10:55