「アミロペクチン第一章-18話~ニューナンヴィバティー~」


 
 上が先ほど先生とフレシュが買ってきたナルニアの地図である。
「ちょっと簡素すぎないか?」
「しょうがない、しょうがない。金がないんだから」
「しかしこれでは道も分らないではないか。ニューナンヴィバティーでもう一つ買おう。
先生、ニューナンヴィバティーはどのくらいで着きますか」
「2カナと5ミレカナじゃ。日没には着くじゃろう」
そうして我々は馬を走らせた。陽は西に傾きかけている。

 先生の言った通り、ニューナンヴィバティーには早く着いた。
ニューナンヴィバティーはノルニア王国の都であり、北の大陸一の大都市である。
“ニュー”と付くのであるから、付かない町があるのではないかと考えたであろう。
そう。ナンヴィバティーという町があるのである。
ナンヴィバティーは17世紀始めまでノルニアの都であった。
といっても現在のノルニア王国ではなく、
スターライトも含めた“ノルニア・ミネッセンス帝国”であった。
しかし17世紀始め、スターミネッセンス地方が反乱を起こし、
“スターライト王国”が建国された。
その後、帝政は崩れ、ノルニア王国となった。
そして政府が世界的グローバル都市開発計画として新たな町の開発を始めた。
それでナンヴィバティーの南方2カナ程に造られたのがニューナンヴィバティーである。

 ニューナンヴィバティーはノルニア王国初代国王であるエグバート一世の像を中心に
放射状に街路が延びている。
そこには国会議事堂や中央官庁、大使館などがひしめいている。
国王の住む宮殿は少し離れた場所にある。
そして、フルスやスターライトの王都とはわけが違い、近代的な大きな建物が多い。
17世紀始めから現在の18世紀中頃まで急激に成長し、
今では古都のナンヴィバティーまでものみ込んでしまっている。

 急いでいる我々はゆっくりとノルニア観光をしている場合ではない。
しかし先生とフレシュは「カレーを喰おう」と言ってカレー屋を探している。
このままでよいのであろうか・・・。




用語集

  • ノルニア・ミネッセンス帝国・・・12世紀から17世紀にかけて存在した帝国。


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最終更新:2011年02月21日 21:27
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