「アミロペクチン第一章-19話~辛い!~」
「辛い!」
ニューナンヴィバティーの中心、エグバート一世像を取り囲む道路の一つである
カライス・サーカス通りに面したカレー屋に我々は居る。
店は大部分が屋外となっているが、厨房あたりから流れ込んでくる辛い空気が
店内に溜まっている。たぶん道にも漏れていることであろう。
人が通れば目が痛くなること間違いなしである。
フレシュはマトンカレー、先生はチキンマサラ、私はカレーライスを頼んだ。
フルスからの観光客のためにカレーライスがあるのは嬉しいことである。
しかし本場はやはり違う。スパイスが効いていて辛すぎる。辛い。辛い。辛すぎる。
この辛さはもちろん「からい」であるが「つらい」も入っている。
カライス・サーカス通りに面しているから辛いのであろうか・・・。
「いや~、アレは辛すぎだよ~。あ、お前はカレーライスだから辛くないのか」
「何を言う、あのカレーライスは辛いぞ。これまでの人生で喰ったカレーの中で一番辛い」
「お前のは米があるからいいよな~。俺はナンにつけて喰ったから辛くて辛くて。
そもそも、カレーは辛いからカレーというのであるから、辛いのは然るべきじゃないのかな」
「それ違うだろ」
そして我々はニューナンヴィバティーをさまよったあげく新しい地図を購入することにした。
「先生たちはスプンタティアに行くんですよね。何処で別れるのです?」
「地図がないから分らん」
というわけで早く買うことにした。
そして購入したのがこれである。
用語集
- マトンカレー・・・仔羊肉の辛口カレー。
- チキンマサラ・・・スパイスを多く使った激辛カレー。
- カレーライス・・・カレーを米の上にかけて喰う、フルスならではのカレー。
最終更新:2011年03月04日 16:35