高校にいたゾンビを片づけ、校庭の掃除をしていた時だった。

「やあ、アドルフ・ガーランド中将だね?」

向こうから眼鏡をかけた科学者が歩いてきた。

「今頃俺をそういう呼び方するとは、軍の関係者か?」

「まあそうだね、でも「オルトロス」の隊長を知らない軍人はいないと思うけど?」

「まあそうだな、俺も有名になったもんだ。」

「何を言っているんだい?たった9人で師団相当の戦力と認められた部隊の隊長を知らないなんて軍にはいないと思うよ?」

「でしょ?帝国空軍第8航空師団「双頭の狗(オルトロス)」隊長、アドルフ・ガーランド中将。」

「そういうお前は何者だ?」

「僕はハルジオン・アマリリス、ただの科学者だよ。」

「ただの科学者がこんな場所にいるとは思わないけどな。」

俺はシュヴァルベを構えた。

「おやおや、全く物騒だね、これだから軍人は・・・。」

「でも、僕には通用しないよ。」

ハルジオンは懐からカードを3枚取り出し、前に構えた。

そして携帯を取り出すとカードを携帯に読み込ませた。

《SUMMON!「Τετάρτη」!「Τρίτη」!「Κυριακή」!》

「何だ!?」

「これが僕の力・・・。」

ハルジオンの周囲には6本の刀、三角形のビットと5本のナイフ、そして手には刀が1つ。

「成程、武器を組み合わせるタイプか、面倒くさいな。」

俺はシュヴァルべをしまいショットガンを構えた。

「さあ、始めようか。」

「ああ。」

俺はトリガーを引いた。

だが散弾はビットに防がれ、代わりにナイフが飛んで来る。

「避けるまでもない。」

5本全てのナイフが体に刺さる。

「何だと!敵の攻撃をそのまま受ける人間がっ・・・・!」

「掛かったな、バカめ。」

「な・・・武器が・・・。」

オレンジが展開していた武器が人間の姿に戻る。

「やっぱりか、契約者を一時的に武器の状態に変え召喚する・・・それがそのカードと携帯の効果だろう?」

「お見通しという訳か・・・でも武器の状態の人間が何故・・・。」

「お前には教えられないな。」

「くっ・・・だけどカードはまだ・・・。」

「やめておいた方がいいわ、彼には勝てない。」

「ゲルトルート、どうしてここに?」

「校庭で暴れられても実験の邪魔なだけ、他でやってくれる?」

「・・・。」

「その様子だとゲルトルートには頭が上がらないようだな。」

「言わないでくれ、僕もこの状況に納得している訳じゃない。」

「はいはい、それじゃあさっさと実験の続きよ、そこの子たちも手伝って頂戴ね。」


「何だったんんだ?アイツは。」

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最終更新:2011年03月12日 11:02